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大谷翔平今季投手絶望


異変

 大谷翔平選手は8月23日に本拠地でダブルヘッダーの第1試合に2番DH兼投手で先発出場した。一回を三者凡退に抑えその裏には44号のホームランを放った。いつも通り常人離れしたパフォーマンスを今日もするのかと思われた矢先、2回表は全く制球が定まらず四球を出すと違和感を訴え降板した。試合後、右肘靭帯損傷が発表された。

 さて、今シーズンの彼は順風満帆なシーズンを送っている様に見えた。WBCでは劇的な優勝に貢献し、その後も多くのWBC出場選手が苦しいシーズンを送る中で圧倒的な成績を残していた。しかし、些細ながらも明らかに異変が彼を蝕んでいた。まずは爪が割れたことだ。これは5月9日、6月27日に発生している。また、両足、腰など複数箇所を痙攣している。これらの痙攣はいずれも7月以降で連戦が続く中で疲労によるものであると本人は述べていた。この様に一見すると単純な怪我や疲労の蓄積と思われる事案が結果的には大怪我につながってしまったのかも知れない。

エンゼルスの事情

 大谷選手はここまで文字通り大車輪の活躍を果たしてきた。8月25日時点で本塁打王を含め主要打撃成績で3位以上、投手成績では防御率3位、勝利数8位など堂々たる成績を収めている。トラウト選手やウォード選手を始めとした野手陣の怪我や全30チーム中23位の成績の投手陣と大谷にかかる負担は著しい。

 しかし、よく考えてみてほしい。彼は一人二役を演じている。一流のバッターであり一流の投手である。体は一つしかないのに2人分の役割を果たすことがどれ程、身体へ影響があることだろうか。トレードで獲得した選手もパッとせず、念願のポストシーズン進出は夢のまた夢になっている。

注目のオフ

 大谷選手は今シーズン終了をもってFA市場に出る。金満球団からそうでない球団まで熾烈な争奪戦が繰り広げられるのは間違いない。今回の怪我で金額的に最高契約を結ぶことはできなくなるだろう。仮に、2度目のトミージョン手術を受けるなら投手としての市場価値は毀損される。そうでなくとも大谷にはいくつかの故障歴があり、メディカルチェックでどう判断されるかわからない。打者としてはジャッジ級の契約を結べるかも知れない。
 しかし、私たちは大谷がどういう男であるかを思い出さなくてはならない。彼は大金を捨ててまで破格の契約でメジャー行った男である。何が「最高の契約」なのかは彼の物差しでしか測れない。
因みに、私の大谷選手の契約に関する考え方は過去に記事しているのでよければ参考にどうぞ。

 最後に非難を覚悟で私は敢えて大谷選手を批判しなくてはならない。彼の責任感は人一倍であり敬服に値する。だが、それが今回の怪我を招いたと思う。時として休養は必要である。改めて言うが、体は1つしかないのである。休養に関しては、マネジメント側の責任(監督、コーチ)であるが、やはりそこは彼自身も十分に考慮に入れて然るべきだった。

 通常、メジャーの投手は中4日程度空けて登板する。しかし、大谷は登板翌日も打者として試合に出る。これでは体が休まらない。ましてや移動距離が過酷なメジャーであるから尚更である。大谷一人に頼らざるを得ないエンゼルスの体たらくは言わずもがなであるが、二刀流という特別なことをやっている以上、素人に言われる筋合いはないだろうが、休養も特別な方法を採用するべきである。一ファンとして、また大谷が二刀流で輝く日を待ち望んでいる。

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