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大谷翔平は LAAを去るしかないのか1

打者+投手=大谷?

 大谷の市場価値を測るのは正直なところ不可能であると考える。現在及び過去の成績を鑑みると一級品の投手と野手の年俸を足した価格が適切に思える。野手で言えば昨年のMVPジャッジ(NYY)は年俸4,000万ドル(年平均)、シャーザー(NYM)は年俸4,333万ドル(同左)であるから単純合算で8,333万ドル(因みにこの金額を$1=¥140で換算した場合約116億円になる)となる。これを複数年契約した場合、メジャーリーグとは言え、天文学的な金額が契約金総額になる可能性がある。

リスク

 しかし、その金額を支払うとなると球団側(オーナー)としても前例の無いリスクを負うことになる。

 第一に、保険をかけられない可能性がある。超高額な年俸に対して保険を掛けることはしばしばあるが、その場合の保険料は極めて高額であると考えられる。そこで保険を掛けない場合、仮に大谷が極度の不振に陥り万一にも戦力外になったとしても、球団は契約の通りに年俸を払い続けなければいけない。やや毛並みの違う事例であるが、今年のWBCのアメリカ代表に選出されていたカーショウ(LAD)は、過去の故障歴を理由に保険料が高騰し、それが一因で代表を辞退したとされている。

 第二に、過去の故障歴である。大谷はメジャーリーグ1年目終了後にトミージョン手術を受けている。近年の研究や調査で一度トミージョン手術を経験してもその後、健康に過ごせる確率は高くなっているが、肘やその他の箇所に故障が生じた場合のリスクを球団は考慮しなければいけない。昨年オフにコレア(MIN)が契約前の身体検査で右足腓骨(ひこつ)に埋めているボルトがネックとなり、ジャイアンツ及びメッツと破談になり元鞘に収まった経緯がある。コレアは術後のシーズンを概ね健康に過ごしており特段めくじらを立てることでは無いと思うが、二度も破談になったことは特筆すべきである。

 大谷は軽度の手術も含め3度の手術を経ている。これがどの様に作用するかは分からないが考慮には入るだろう。

筆者の契約予想

 大谷がメジャーリーグでやっていることが前人未到であるが故に誰もその真価を適切に算定できない。私の予想はバクストン(MIN)が昨年に契約した形式になるのではないかと考える。つまり、基本給を3,500~4,000万ドル程度としてその後、条件をクリアして行く度にボーナスが支払われていくという形式である。条件の大半をクリアすれば、全選手の中で最も多くの年俸を受け取る選手になれるように設計するのではないかと予想する。但し、近年、有望な選手の長期契約が目立つが、大谷と心中する覚悟がある球団を除けば恐らく7年程度の契約になるだろう。
 勿論、長期契約や初めから全選手の中で最も高い年俸となる可能性も否定できにない。よければコメントでみなさんの考えを教えていただきたい。

 次回は、各球団の思惑やLAAの現状などについて探ろうと思う。次回も読んでいただけると幸いである。


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