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積極的な健康管理には「健康総合ランク」の要素が入っている

健康管理の取組みを進める担当者が悩ましく感じることのひとつに、無関心層へのアプローチがあります。

健康への意識は、失ってから、あるいは失いそうになったときに強くなりがちです。このため、具合が悪くなってからの回復に関心が集中し、健康な状態を保ち続けるところまで気が回らないというのが現状でしょう。

消極的な「病気予防」から、積極的な「より健やかな働き方・暮らし方」に変えていくためには、健康管理の仕組みにちょっとした「しかけ」が必要です。キーワードは「健康総合ランク」。詳しくみていきましょう。

積極的な行動変容を促す「ポピュレーションアプローチ」にはしかけが必要

一歩先ゆく健康経営を目指すときに重要となるのが、未病の人たちが積極的に健康な状態を高めるように働きかける「ポピュレーションアプローチ」です。
健康行動の三大要素である「運動」「食事」「睡眠」について、従業員や家族に対し、広く健康的な生活を呼びかけることが多いでしょう。

ポピュレーションアプローチに「しかけ」が必要な理由

ただ、未病の人は現状に不満がなく、それ以上の行動変容を起こす必要を感じません。
どんなに楽しいイベントを企画して呼びかけても、もともと関心の高い層しか反応しなかったり、一時的に参加するだけで長続きせず「笛を吹けども踊らず」の状態に悩まされている担当者も多いのではないでしょうか。

具体的な病気や不具合が見つかってからの健康行動(ハイリスク・アプローチ)の場合、健康維持の動機づけが明確です。このため目的を達成するまで行動を維持することができます。
一方、ポピュレーション・アプローチの場合、この動機づけに明確な理由を設けることが難しく、維持することが難しい。大義名分を与える「しかけ」が必要なのです。

始めるきっかけは具体的に、維持するときは総合的に

動機づけは、行動に対する結果を具体的にイメージできるほど効果があります。いわゆる「鼻先に人参をぶら下げた」状態にするわけです。
このため、何から始めるかについては、健康の三大要素「運動」「食事」「睡眠」のいずれかの要素について、やってみると楽しそうだと興味をもってもらうところからスタートするとよいでしょう。

問題は、その行動をどうやって維持するかです。もともと健康な人の行動ですから、少しやってみただけでは変化を感じることができません。
開始直後は毎日気付くことがあり新鮮な気持ちを味わえるでしょうが、実際に健康的な状態が高まっているのかは目に見えて実感できるほどにはならないのです。

さらに、健康行動を持続させるには、きっかけとなった要素以外にも関心を広げ、三大要素のすべてを偏りなく向上するよう促す必要があります。

健康への行動変容を促す「しかけ」に、認知行動科学の仕組みを取り入れる

ひとつの要素に対する関心と行動を維持するだけでもたいへんなのに、三大要素を総合的に向上させるアプローチは並大抵のことではなく、多くの担当者が「ポピュレーションアプローチは手に負えない」と感じておられるのではないでしょうか。

なかなか難しい取組みですが、攻略の方法はあります。そのひとつが、認知行動科学で知られる「ゲーミフィケーション」です。

自発的な行動を促す仕組み「ゲーミフィケーション」

ゲーミフィケーションは、ゲーム要素を応用してやる気を誘い、自ら持続的に行動したくなるよう促す仕組みをいいます。
例えば、参加することでポイントがたまる、ある程度たまったら報酬が入るといった具合に目標が明確になると、期待する行動を続けやすくなります。

ゲーミフィケーションを取り入れた行動のしくみでは、「モチベーション」「行動障壁」「トリガー」の要素のバランスが重要です。
大雑把にいうと、モチベーションは始める動機づけとなる興味関心、行動障壁は続けるための労力、トリガーは具体的に行動を始めるための示唆です。

ポピュレーションアプローチでは「トリガー」に工夫を

健康状態にもともと不具合を感じていない人に対し、さらなる向上を目指してもらうポピュレーションアプローチの場合、モチベーションの訴求で行動を促すには限界があります。

また、行動障壁が低い、つまり始めるのが簡単なものだと積み上がる効果も見えづらい可能性が高く、「続けやすいが続けたくならない」という状態になるかもしれません。

ここで重要になるのがトリガーです。
トリガーは、行動を始めるきっかけです。これまでの行動履歴を示し、現在のステータスを示します。そして何をすればよいかの選択肢を出すのです。
「あとこれだけやれば◯◯に到達できるよ」という具合に、ほどよいタイミングで目標を示すことにより、鼻先へ人参をぶら下げた状態をつくります。

健康行動のトリガーは総合的な「健康総合ランク」で示そう

ゲーミフィケーションでもうひとつ重要なのは、参加する一人ひとりの状態に合わせてタイミングや目標を定める必要がある点です。
担当者が膨大な数の従業員の状況を四六時中監視するのは不可能ですから、ゲーミフィケーションを取り入れた健康行動を促す仕組みは、健康アプリなどを使ったシステムで環境を構築しましょう。

例えば、WellGoの健康アプリでは、ゲーミフィケーションを活用した健康行動のトリガーとして「健康総合ランク」というステータスを設けています。

健康総合ランクのステータスは46段階と細かく、行動障壁の低いものに参加するだけでもレベルアップを実感できるようになっています。
また、レベルの判定基準は、「運動」「食事」「睡眠」の三大要素を網羅し、さらに勤怠管理も含めた総合的なジャンルで構成されています。
上位のレベルを目指すほどに、それまで関心の向かなかった分野にも健康行動を広げていきたくなるしかけとなっているわけです。

健康管理システムや健康アプリを導入した後、従業員のみなさんへ普及させていくには、特別なイベントやキャンペーンなどできっかけをつくる必要があるでしょう。
その際に、この「健康総合ランク」をうまく活用してみてください。

新年度が始まり、環境も人間関係も心機一転、さあこれからという職場も多いことと思います。
従業員のみなさんがゲーム感覚で楽しくレベルアップしているうちに「いつの間にか健康な職場になっていた」という環境をつくっていきましょう。


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