田舎暮らしは、足腰弱ると速攻詰む
今日は久しぶりにJRに乗って出かけてきた。
我が家の最寄りの駅では、かろうじて交通系ICカードが使えるのだが、駅によっては交通カードが使えないところもあるようなエリアである。
降りた駅には、そのICカードを読み取るカードリーダーの機械が一台だけあるようなところで、とりあえず一台でもあれば利用者としての私は全く困らず、特に何も思わなかった。
割と近くに山が見えて、この辺りの不動産はいくらくらいかなぁと想像してみたり、駅前なのに廃墟化している不動産(若い人ならたぶん古民家と呼ぶだろうが、とても人が住める状態ではない)を横目で見ながら、このエリアを再生するなら何が必要かなどと、おせっかいに考えたりもした。
道はまっすぐでゴミ一つ落ちておらず美しく、建物は低く、視界は広い。これだけ安全で平和で食べ物が美味しくて安くて。リモートで稼げるスキルがあり、ずっと住めるビザがあれば、ここに住みたいと思う外国人はいるだろうなと思った。すべての人ではないが、この環境が良いと思う人は絶対に世界のどこかにいるだろうなと思った。
用事を終えて帰路につき、朝に到着した駅に戻り、たった一台のカードリーダーに私の交通系ICカードをかざし、ホームを歩き始めた。反対側のホームに向かおうと階段に差し掛かったときに、後ろからガラガラとスーツケースを引く音が聞こえた。
驚いてハッと後ろを振り返った。手助けしようかどうかと少し迷って、手を出すのをやめた。
相手が若い男性で、まさかこんなBBAにスーツケースを半分持ってもらいたい欲求などないだろう。まぁ私も逆の立場なら、自分でなんとかするからね。
で、気づいた。
エレベーターもエスカレーターもない。
階段しかない、ということを。
そういえば、改札は一箇所しかない.........。
つまり、改札を通った後に、人によっては反対側のホームに移動しなければならないのだが、そのためには階段を上がって、そして降りなければならない。
車椅子完全アウトの駅である。
え?
どゆこと?この駅周辺には、車椅子の方は一人もいらっしゃらないのかしら?
ちょっと駅員さんに聞いてみようかと思ったり。
ジモティのカナメに聞いてみた。
カナメ「うーん。基本的に単線になってるんじゃないかなぁ。で、時間帯によっては、反対側のホームを使う時もあるけれど、そこまで頻繁じゃないとか。まぁ住んでいる人は、どの時間の列車が反対側ホームを使うかどうかなんて、事前に調べるでしょ。あと考えられるのは、直接反対側のホームにアクセスするルートがあったりして、駅員さんがサポートして入るとか、色々とあるんじゃないの?」
なるほど。確かに基本的に単線というのは分かる。待ってる間に通った列車が、私が乗ってきた列車の向きとは反対に向いていたから。最初見た時にぎょっとしたわ。
調べてみたところ、鉄道駅におけるバリアフリー設備(点字ブロック、エレベーターなども含む)は、一日の平均利用者が3,000名以上だと対応されるようだった。3,000名?この駅の利用者なんて一日百人超えるのかしら?レベル。そりゃぁ費用対効果が悪すぎる。しかも、列車の時間さえ見ておけば対応可能だからね。
現時点では反対側ホームに行くのが難しいというだけの話になっているけれども、数十年後には、この駅に列車は止まらないだろうし、もしかすると列車も走っていないかもしれない。
バリアフリーなどの対応は、利用者数によって優先順位が決まる。地方都市に住んでいて、若い人もまだまだいるエリアでは、駅にエレベーターがないなんてことはあり得ない。でも田舎に行くほど、高齢者には住みにくい環境になっていく。
そういう意味で、移住するなら地方都市(ある程度の人口規模があり、自家用車を保有せずとも生活が成り立つエリア)一択だなと思うのである。
限界集落に住むなら、老後資金は金融資産(現金や個人年金等)で貯めておく必要があるということを肝に銘じる必要がある。田舎の戸建は売っても二束三文なので、現金がなければ、高齢になってから地方都市に移り住む選択肢すら断たれるのだ。
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