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お金持ちのゴミは少ないらしい

 先日、こんな記事を読んだ。

すっごい面白いなぁと思いつつ読み進めたんだけど、読み終わった時に色々と脳裏に雑多な思いが溢れ出してしまった。

なんか.........もやっとするのだ。

なぜ自分がこんなに「腑に落ちた感がない」と思うのか、その理由が知りたくなった。

記事を読んで、私が理解したことをまとめてみた。ゴミ以外の話は省く。

1、最高級クラスの高級住宅地は圧倒的にゴミが少ない。この傾向は昔っからである。

2、高級住宅地をさらに3つにランク分けしてみると、そこにもゴミ排出において一定の法則があることを見出した。

3、下ランクのゴミ:スーパーのレジ袋も百貨店の紙袋も散見される。生ごみの出し方を知らない庶民っぽい人もいる。食品ロスは少なくない。剪定された葉や雑草もある(庭がある?)。

4、中ランクのゴミ:高額な美容液(瓶?)、ウォーターサーバー用の大型ペットボトルなどのゴミもある。クレーマーもいる。ゴミ排出用のポリバケツが汚れていることも(お手伝いさんはいない?)。

5、上ランクのゴミ:過度にゴミが少ない。不必要な生活用品のゴミはない。缶や瓶もあまり多くない。クラッシュボックス(圧縮ゴミ箱)専用袋を使う人が一定数いる。ゴミ袋自体に割高なものを使っている。

まとめると.........なんか、分かったようで分からないような話なのだ。

前提としてのゴミの定義もないし(資源ゴミや可燃ゴミの話がごっちゃになっている)、ゴミの集積システムについての言及もない。勝手に「戸建住宅地」に限定してみたとしても、一箇所の集積所に出されるゴミの量を比べた場合、敷地面積が大きい家が並ぶエリアならば、その集積地に出されるゴミは1軒分〜数軒分だけかもしれないし、敷地面積が小さい戸建の並ぶエリアであれば、一つの集積所にはより多くの世帯分が集まっている可能性もある。一軒当たりの排出量の平均値が数字で出されているなら納得もできるが、そういう記述はない。一袋辺りの大きさを比べているのかもしれないが、明示されていないので不明である。

私は、動画でこの芸人さんの話を聞いてみたことがあったのだが、人間洞察に長けていて実に面白いなぁと思ったので、彼の記事にケチをつけたい訳では決してないのだ。

海外にいた頃、超弩級のお金持ちが住むエリアも、その反対のエリアのゴミ集積所も見たことがある。ゴミの多くは「購入したもの」に規定されるので、例えば香港の集合住宅のように「ゴミはバックドアの外にいつ捨ててもいい」システムであれば、高級住宅街であっても、物凄い量のゴミが集まってくるのだ。

日本で生活圏内を散歩していると、時々ゴミを出している人を見かけることがあるが、明かに低所得層と思われるアパートで高齢女性が出しているゴミが少なくてびっくりしたこともあるし、大きなゴミ袋でどどーんと出されている場合もあることを知っている。

うちのエリアでは、ゴミは有料ゴミ袋を使う。つまり資源ゴミをきっちり分別すればするほど、コストのかかる可燃ごみは圧倒的に減らすことができる。キチンと分別して頻繁に出すだけではなく、排出の頻度を減らしてゴミをまとめることでコストを下げることもできる。そうなると一回分の排出量は多くなる。つまり、低所得層のゴミが多いということも、言えそうで言えなかったりするのだ。

そして高級住宅街のうち、アッパー層については、多くの場合お手伝いさんがいると思われる。お手伝いさんはプロなので、ゴミの分別もきっちりするし、その日ごとにゴミを小さくまとめているはずである。食品ロスを大量に出せばプロとして失格であろう。そして私の知る高額所得者は、例外なく外食好きである。毎日の夕食が外食であれば、家庭内で出るゴミも少ないはずである。

ここで、オーストラリアの話を思い出した。オーストラリアのゴミの話ではなくて、キッチンの話である。

海外でアパートを借りようとすると、意外と日本人はテナントとして歓迎されることが多い。お部屋をキレイに使うし、圧倒的にオーナーとのトラブルが少なく(あまり強く要求しないし)、賃料の支払いも滞りない傾向があるからだ。

なのに豪州では「日本人はキッチンを汚すから貸したくない」と言われたことがあったので、ものすごく驚いたのだ。その後、確かにゲストとして呼ばれて出かけていったお宅のキッチンが、あちらもこちらもびっくりするほどキレイなので、「オーストラリア人はキッチンをキレイに使うのね」といたく感動したものだ。キレイなキッチンを見る度に、「確かに日本人の私は、あそこまでキレイにキープできないなぁ」なんて思ったりもしていたのだが、意外なところでカラクリが分かってしまった。

オーストラリア人の多くは、料理をしない...........orz

いや、料理をしないというよりも、焼き料理はオーブンか庭のBBQグリルを使うので、キッチンは、野菜や果物やパンをカットするだけの場所だったりするそうだ。本気で料理をするアジア人に貸すのを渋られて当然かと(汗)。

つまり、オーストラリアのご家庭のキッチンがキレイだという事実から、彼らが掃除好きであるという結論は導き出せないのだ。

話を日本の富裕層に戻すと、超富裕層は経営者だったりとそれなりの立場の人であると予想され、そうであれば会食する頻度も一般的な世帯よりも多いのかもしれない。

家でご飯を食べないなら、ゴミは少ない可能性がある。

つまり、富裕層のゴミが本当に少ないのかどうかについての数字がないことと、ゴミが本当に少なかったとしても、その理由についての言及が、筆者の想像の域を出ないことに、私はもやっとしたのだ。

ところで、私は自分の目で見て確信していることがあるのだ。

超弩級富裕層のお宅には、雑貨がない............orz

観葉植物、絵画や美術品、工芸品はあっても、雑貨はないというか。少なくともゲストの目に触れるところに、不必要なモノが置かれていることは決してない。安くて便利そうな雑貨を買い込んで、やっぱり使えなかったから捨てる.......というようなことはなさそうに見えた。

いずれにしても、社会的望ましさとして「ゴミが少ないことは良いことである」という命題には、私も異論はない。ゴミを減らすための努力を各人がすることには大賛成である。

結論:理由はどうあれ、お金持ち世帯はゴミ排出が少ない。それはおそらく不必要なものを安易にポンポン買って捨てたりしないだろうし、賞味期限をキチンと把握して食品ロスを減らしているし、心に余裕があってキチンと資源ゴミ等を分別しているからだろう。見習いたい。

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