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シングル賃貸アパートのキッチン設計がなってない

 うちの子供達は全員一人暮らし経験者で、(親が海外にいたので)一人で不動産会社に乗り込み、自分の名前で契約をした。実際に見に行ったわけではないのだが、彼らからアパート内の写真を受け取り、日本のシングル用の賃貸アパートがどんなものか、大体分かっているつもりだ。

 シングル用の賃貸アパートのキッチンの典型的なものは、こういうタイプである。

実際に暮らしてみたことがある方なら分かるだろうが、「どこにまな板を置いて作業するんだよ!」と毎回ツッコまないといけないほど、作業スペースが、ない。

そのため、子供達は、このワゴンを実際に購入した。

なぜ作業スペースがないのかというと、一個口のIHヒーターやガスコンロがビルトインされているからである!!!

さて。一人暮らしの人のうち、自炊をする人の割合はいかほど?

少なくとも「全く調理しない」「週に一回」「月に一回」が全体の4人に一人くらいの割合でいる。

つまり、キッチンとは、全員が毎日必ず使うトイレなどとは全く異なるポジションにある設備なのに、必須設備の様になっているのは何故?

調理しない人も、湯沸かしポットや電子レンジ(or レンジ・オーブン)くらいは使っているだろうから、水道栓とシンクは必要であろう。でもコンロは必須かしら?

だって、ポータブルのIHコンロが、この価格で購入できる。これなら別の場所に持っていってお鍋を囲むこともできるし、使わない時は棚に保管しておける。

IHコンロを置かないのであれば、シンク横のスペースは作業台として使える。

逆に、料理を毎日する人にとっても、大事なのはコンロがシンク横にあることではなく、作業スペースがあることの方である。

だから、これから賃貸アパートを建てて不動産投資をしようと思う方がいたら、前述のミニキッチンなんてつけずに、こういうモノの方が良い。これにプラスして換気扇と電源をつければOKである。

恐ろしいことに、日本のメーカーさんのシステムキッチンは、最初からIHコンロまたはガスコンロ用にワークトップに穴が開いているので、何もつけないというオプション自体が存在しないのである。

これでさえ、IHヒーターがビルトインされてしまっている!

ちなみに、サンワカンパニーさんのキッチンはステキだけど、賃料安め設定の賃貸アパートの設計上、こんな高価なキッチンをつけようと考えるオーナーさんは、いないかも。

我が家では、コンロなしのキッチンシステムを探して探して、最後に見つけたのがIKEAのSunnerstaで、今のところ大変に満足している。この価格なら、安い賃貸アパートに設置しても経済的なインパクトはないはず。

Sunnerstaキッチンは、こうやって使う。意外と頑丈である。そして、こんなに小さいのに、ちゃんと作業スペースがたっぷりとれるのである。IHコンロがビルトインされていないからだ。

そして何よりも、このキッチンで作業すると、めちゃくちゃ楽しい。日本の典型的なキッチンと違うので、テンションが上がる。

さて、この商品の目的が、何か分かるかしら?

ガスコンロの上において、そこを作業スペース化するためのツールである。

そして、我が家の様に、ホットクックやヘルシオオーブン、電気圧力鍋がメインの調理ツールであるご家庭にとっては、この台がすなわち、ホットクック置き場になっているかもしれない。

一般のご家庭でもこういう商品が出てくるほど、コンロよりも作業スペースが大事と考える人がいるのに、一人暮らしでほとんど自炊しない人もいる状況で、コンロをデフォ設置する意味がわからない。

日本のシステムキッチンメーカーさん、コンロをビルトインしないオプションも付け加えるべきですよ。キッチンにコンロが必須の時代はとうの昔に過ぎていたのに、それに気づかなかったのは、メーカー側の痛恨のミスかも。

メーカーさん、シングル用のミニキッチンの開発、よろしくです。

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