桃屋キムチの素が、キムチとは違う何かだけど、それはそれで美味くて便利
割と長い間、韓国に住んでいたので、「キムチなんて自分で漬けちゃったりするんでしょ?すごいなぁー。いいなぁ。教えて欲しいなぁ。」と言われたりもする。
作んねーよ!!
作ったりしないんだって、逆に!!
確かに、キムチの作り方は分かる。っていうか友人宅で「今度うちのオンニ(お姉さん)と一緒にキムチつけるから、バンリも来る?」と誘われて、ホイホイついていって、キムチ作りをお手伝いする次いでに、プロセスもレシピも全部メモって、出来上がったばかりの浅漬けキムチと白いご飯ホクホク食べて、お持ち帰りさせて頂くことが何回かあったので、プロセスも分かる。
私の友人たちは、みんな知的水準が高く裕福な人が多かったので、高級キムチを好きなだけ買おうと思えば買える人たちである。が、そんな彼女達が自宅でキムチをあえて作るのには理由がある。塩や唐辛子、アミや米粉に至るまで、厳選した素材を使うためだ。だからどこのおうちも胸を張って「うちのキムチが一番」と言う。それだけ素材にこだわっていれば、そりゃぁ美味いやろと思う。
で、そういう美味いキムチができると、特に外国人で自分でキムチを漬ける術を持たないであろう私に、気前よくプレゼントしてくれちゃうのだ。
日本人のちょっとした感覚だと、白菜キムチというのは、手間はかかっているけれども、原価はそんなでもないよね、と考えがちである。
否!
韓国の野菜は意外と高い。日本に帰ってきてスーパーに行って、野菜の価格に口あんぐりだったわ。旬の白菜であっても、日本みたいな価格では買えない。
そして、キムチというのはビニール袋に入れてホイと渡すものではなくて、必ず密封性の高い、巨大なプラスチック容器(かなり頑丈なやつ)にぎゅうぎゅうに詰められているのだ。
そんな手間もかかった高額なキムチをドーンと振舞ってくださるのであーる。太っ腹すぎる(涙)。
無類のキムチ好きの私。その巨大容器を冷蔵庫に保管して、少しずついただくのであーる。(ちなみに私は、その巨大容器を自分の容器に移し替えて、オリジナルの容器を洗って返すと同時に、もちろんお返しもするよん。)
私たちは外国人なので、電気製品&家具付きのアパートに住んだりもしたのだが、設置されている冷蔵庫が巨大で、かつ2つ付いていたりする。
一個は、自ずとキムチ専用になっていく。一つの冷蔵庫が、キムチでいっぱいになるのであーる。
つまりこの状況で、料理スキルがほとんどない私が、キムチを手作りするわけないやん!
うちの子供達は、面倒くさがり屋で料理の腕がアレなママの手作りではなく、あちこちから頂いた「我が家の逸品キムチ」をフツーに食べていて、それが韓国のキムチの味だと思っていた。スーパーで買ってきたヤツではなく。
キムチは、キムチとして食べるだけではない。子供達が好んだのは、キムチチャーハン、豚キムチ、キムチジョン(キムチ入りの韓国お好み焼き)などなど。ストレートに食べる以外にも色々と使っていたので、順調に消費されていったのである。
日本で一人暮らしを始めた長男のギンは、特にキムチ好きというわけではなかったのだが、日本で買ったキムチが、自分がいつも家で食べていたフツー(じゃねえんだが)のキムチの味と違うのに困り、あれこれと買いまくった挙句に、
ギン「なんか、日本のキムチって浅漬けなのか、微妙に美味しくないんだけど、なんか韓国で食べたのと同じような味のブランドってある?」
と聞いてきた。
私「とりあえず、宗家キムチだったら、韓国のスーパーで買えるのと同じ味では?」
と答えたのだが、キミが食べてたのって、韓国のスーパーでも買えない、最高級レベルの自家製キムチだからねっ!!!!塩からして違うんだよ、塩からして!!日本で食えると思うなよー、という感じである。
さて。
私も帰国してから色々なキムチを買ってみたけれど、日本のキムチは味付けに工夫が凝らされていて、韓国のキムチと同じではないけれど、それはそれで美味しいなと思うようになった。
屋上BBQをする時には、サンチュとキムチを買うのが常なのだが、今日はなぜかキムチを買うのを忘れてしまった。
ピンチ!!!
買いに行こうかどうしようかと悩んでいたのだが、家に「桃屋のキムチの素」があったことを思い出した。スーパーに行ったカナメが「キムチ鍋に使える云々」と書かれたPOPを見て買ってみたらしい。
キムチの素っていうからには、キムチも作れるだろうと思い、これを作ってみた。簡単にできてびっくり。
もちろん長い時間をかけて発酵させる本物のキムチと同じ味のわけはない。
が、これはこれで美味しいね、というのが家族一同の感想。
末っ子のバクは、韓国ラーメンが好きで、日本のラーメンも好きなのだが、どちらが好きかという質問はナンセンスだとよく言う。どちらも別物で別ジャンルだからだ。別のものを同じ土俵で語れないよ。
が。
「キムチがなーい。買いに行かないと!」から15分後くらいには、即席キムチができたという事実が、かなり私には衝撃的であったのだ。
焼肉をサンチュに包んで、ヤンニョンを添えて、そこにキムチも添えて食べたりするのだが、桃屋さんキムチで、特に大きな問題があったわけではない。
使えるやん!!
で、ふと思ったのだけど、こういう液体タイプのキムチの素、韓国にはないのよね........。
韓国は、ここ10年間位の間に、食品関係の商品開発力が度肝抜くレベルで上がったんだけど、なぜか「キムチの素」という商品を見かけた記憶がない。キムチを作るための「塩漬け済み白菜」はあちこちで売られているのに、である。
ネット通販を見てみたら出てきた。でもスーパーでどこでも買えるような状況ではなかったような(あったのかな?)。
これは私のイメージに近い。こういうのが商品化されていたのね。韓国に行けるようになったら、買ってみたい。
話を戻すが、桃屋のキムチの素は、私が韓国で食べていたキムチと同等のものができるわけでは決してないのだけれど、日本っぽい即席キムチを瞬時に作れるという意味では優れものである。そして、びっくりなのは、こちら。
めっちゃ美味しそうであーる。この様に、料理の味付けに使うというのが、もしや王道なのかな?キムチチャーハンも、キムチなしでできそう。これは我が家の調味料として定番入りかも。意外な使い方でおススメがあったら、是非是非お教えください!!