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【廃墟ビルリノベ】名もなき労働

 一時期「名もなき家事」というワードが話題になったことがあったな。

思うんだけど、家事以外もすべてそうなのよねぇ。

私もずっと在宅フリーランスだったから実感あるんだけど、「unpaid work」的な作業があるわけよ。

例えば、企業に属している財務会計担当の方なら、その作業には給与という名の報酬が支払われる。しかし、フリーランスの私が請求書を発行する作業にも、ある程度の時間がかかるのだが、それは特別にお金を生んだりはしない。

PC作業につきまとうアレコレ、例えばOSやソフトのアップデートやトラブル対応なども、組織の中の社内IT部門の人がやるならば、お給料がでる時間帯にできることだけど、フリーランスは違う。

プリンターがジャムれば対応をし、プリンター用紙が在庫切れを起こす前に発注し、確定申告の書類を作るのも、入金確認するのも、全部全部「名もなき無償労働」のように感じるのだ。

だから慣れてるもん!

リノベの作業にも、そういう「名もなき労働」というのが発生する。

壁紙を貼る、床素材を張る、ペンキを塗る等々の作業のためには、それぞれの道具を揃えたり、一日の作業が終わるとすべての道具を洗浄して、しかるべき場所に戻し、足りない素材を発注して受け取ったり、調達のためにホームセンターに何度も足を運んだり。作業着はそのまま洗濯機に放り込めず、ある程度の埃やゴミを取り払い、必要に応じて手で予備洗いをしたり、時には染み抜き剤を施したりもする。それからようやく洗濯機に入れられる状態になる。

どんな作業にも、それに付随する細々とした作業が発生する。そして、それをきちんとやっておかないと次の作業にも大きく大きく影響するのだ。

特に道具類がしかるべき場所に保管されていないと、それを探すだけで膨大な時間が奪われてしまう。

そして、そういうリノベに伴う名もなき労働というものは、なぜかほとんど私がやることになる........orz

ということを書くと、うちのダンナであるカナメが何もやってないみたいに見えるので彼の名誉のために書くと、すべての設計や多くのもの意思決定と、壁紙貼りについてはほとんど彼がやっている。それ以外の細々した作業の一切を私が処理することになるが、最終的な仕事のボリューム的には、カナメの方がかなり多いはず(知らんけど)。

と同時に、撤収作業が個人的に嫌いではないのだ。

使った道具をきれいに洗って明日に備えるようなことが、意外と好きなのである。

とはいえ、そんな気分になれるのも、時間に余裕があるからだ。

毎日バタバタと分刻みで動いていて、マルチタスクなんて当然、睡眠時間は毎日4時間、目覚ましの音が聞こえた瞬間にガバッと起きて台所に突撃するような日々ならば、さらにそれにプラスするような形での細々とした作業など、ウェルカムしようがない。

作業を発生させた人をなじりたくもなろう(汗)。

忙しいって「心を亡くす」と書くけど、本当にそうなのよね。

ということで、名もなき労働が槍玉に上がってしまう背景には、時間的余裕のある生活ができていないことが理由として大きいのだ。だからその作業を誰がやるかで揉めると、その担当やルールを決めることがソリューションのように思えるかもしれないけれど、そもそも時間的余裕を捻出するために別次元で工夫することの方が、遠回りに思えても意外と的確なソリューションだったりする

韓国でお世話になったお姉さまは、学校教師なのだが、毎日の様にダンナ様とどちらが掃除をするかで揉めていたそうな。常に部屋が何となく雑然としていて、それが元でイライラすることも多かったとか。それが週3回アジュンマ(お手伝いのおばさん)に掃除(特に水回り)をお願いするようになって、一気に解決したらしい。

「なんでこんなことが思いつかなかったのかと思うくらい、完璧に解決できてしまって。水回りの掃除はしなくていいと思うと、こんなに心に余裕ができるなんて思わなかったわ。今までの夫婦喧嘩は、ほとんど家事に関することだったから、もう喧嘩する理由がなくなって.......。」

といたく感動されていたなぁ。

世の中の人たちにとっての「名もなき家事」とはこういうのね。

実は、私自身は、こういうちょっとした作業は全く苦にならないのだけど、どちらかというとメインの家事(料理、洗濯、掃除)のクオリティが地に堕ちているというか……….orz(汗)。

まぁ誰しも得手不得手ってあるよね!!


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