3.6 天井を打ち抜くというアイデア

 海外暮らしが長く、かつ海外で住んだ家はすべて天井が高かった。そしてマレーシア旅行中のステイ先の一つがジム付きワンルームマンションで、そこが非常に快適であったのだが、部屋は広くはないものの天井は非常に高く、ステイした私たちにとっても満足度が高かった。

カナメと私にとって「天井が高いというのは善」なのである。

とは言え、実家は古い時代に建てられたので、もともとの天井はかなり低い。寝室の入り口にあるドアも「なぜにこんなに低いのだ」とツッコミたくなるほど、イマドキのサイズ感とは異なって小ぶりだ。(このドアも引き戸にしたいとも思っている。)天井の高さを変えるのもコストだと分かっているが、この天井を取ると、その上の世界がどうなっているのか、見当もつかないけど(たぶん配線やら色々なものがあるのだと思うのだが....)、それを取れば天井が高くなることだけは分かる。

ミズキさんにも「天井を抜くとどんな感じになりますかね。そういうことってできるんですか?」と尋ねたところ、

「できるできる。最近は多いね。若い人はみんな天井高くするよ。コンクリートの打ちっぱなしとかよくあるある。」

とのことであった。天井を抜くのは簡単っぽいな。

私「でも、天井をとると、長年見えてなかった上の壁がホコリまみれで、(補修が)大変なんじゃないですか?」

と聞いてみたところ、

「いや、逆に(外から色々なものが入らないから)キレイなもんだよ。意外とね。」

とのことだった。

コンクリートの打ちっぱなしの家とか、やっぱり一度は考えるよな....

 リノベを考え始めてから、カナメと行く先々の色々なところ(カフェやレストラン、変わった建築物など)を見てまわったのだが、やはりコンクリート打ちっぱなしスタイルはurban(都会的)な雰囲気が漂う。

 都会に住んでいれば、家の中は、落ち着いた雰囲気であることが望ましい気がする。外界が刺激に満ちていて日々ドキドキさせられる。新しいカフェができたら、そこに脱日常を求めてしまう。でも家に帰ったら「コタツでみかん」でいい、と私なら思う。

でもさ。田舎だぜ、田舎。カフェなんてないし。遠い昔に行ったことがある記憶の彼方には確かにある「喫茶店」以外に呼びようのない「珈琲飲めるところ」ならある。アットホーム極まりない。次に行ったら確実に顔覚えられているはずである。アノニマス感ゼロな。

シアトル系とか、そんなのあるはずないやんっ!!!!

ここに来て、久しぶりに「カフェオーレ」なるものを飲んだがな(汗)。そもそもエスプレッソマシン置いているお店がない.......orz

というお土地柄で、家に帰ったらコタツにみかんじゃ、日常に次ぐ日常、urban感など、どこにもない。

故に。

どこにもない脱日常感を、できれば自宅のどこかで感じ取りたいという気持ちがどんどん高まってくるのを感じた。過去30年近く行動を共にしてきたカナメにとっても、今までの生活圏内には「都会的な空間」がいつもすぐそこにあった。今はないけど(汗)。だから家の中にちょっとしたイケてる空間を無性に作りたくなってしまった。

家中の天井を抜くのだ。

コンクリートむき出しの脱日常の空間を作るのだ。

珈琲を淹れながら、JAZZを聴くのだ、ナルバリッチを聴くのだっ!!PTXのMVを観るのだ!

家の中に、Starbucksリザーブを作ってみせる!!!

このあたりから、私たちのリノベに対する方向性が明確になった。そう。家の中に都会のカフェ風空間を作り、そこを仕事場にしよう。絶対に実現してみせるぞ!

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