3.4 苦しい苦しい間取りとの戦い
トイレの位置が動かせない上に、排水系はできるだけ近くに集めた方がいいことがわかった。給水はなんとでもなるらしいが、排水をうまく流れるようにするには、排水管に傾斜が必要で、排水管を長くすればするほど床下内に高さが必要になる。もちろん床をすべて剥がして、今よりも高めに床をつけ直すのであれば、排水設備はどこにでも動かせる。
ということまで分かった。これだけでも前進前進。
数パターンの選択肢の中で、あれこれと議論を白熱させていた私とカナメ。すぐに決まると思ったのに、なぜか決定打が出ずに数日過ごしてしまった(汗)。
そんなこんなでダラダラしているうちに、ミズキさんが設定してくれた解体業者さんの作業の日がどんどん近づいてきた。その日までに大体の間取りは決めておかなければならない。なぜなら解体作業が一日で終わらず二回に分かれてしまうと、またまたコストがかさんでしまうからである。
解体業者さんの作業が終わると、廃棄物と化した建築資材その他もトラックで運び出してもらうので、その際に片付けで出た大型の家具や大量の資源ゴミを含めたゴミ類なども一気に引き取っていただく予定になっている。間取り図ができていないので作業は遅らせてもらいたい気持ちもあったが、大量のゴミが一気に片付くなら今すぐきていただきたいという気持ちもある。
自宅SOHOの長かった私なので、自分の仕事場が確保できないのではと思うと気が気ではなかった。ワンルームにすると決めた場所にキッチンとAV機器エリア(リビング機能のスペース)と水まわりを配置したら、もうスペースは残されていない。
玄関スペースに驚くほどキレイな状態で残されている押し入れのおかげで、収納の問題は一気に片付いたのであるが、いかんせんデスクは置けない。
っていうかさ。
玄関を入ってすぐに水まわりと押し入れがあり、押し入れの前のエリアは廊下と化すしかない状態で、言わばデットスペース。廊下なんて作りたくないけれど、水まわりと押し入れにはさまれたエリアは、リビング&ダイニングにアクセスするための通路としか機能し得ない。だって狭すぎるんだもん。
そこで根本的な問題に気づいてしまったのだが、その巨大な押し入れに、いったい何入れるの?
元々は大量の布団、座布団、寝具、家族のアルバム、そのほか諸々の家族の思い出のものが詰め込まれていたスペースである。日本の押し入れは布団が入れられるサイズに最適化されている。そして二段&天袋の構成になっている。
カナメはそこをクローゼットとゴルフ用品を入れる収納庫にしようと思っていたのだが、押し入れを上下二段に分けている板部分だけを外すことはできない。つまり、押し入れに関してはそのまま残すか、すべて潰すかの二択だったので、状態もすこぶる良いし「残す」選択をしたわけだ。
その結果、押し入れ前にできたデッドスペースが気になって仕方がない。狭い家に通路なんか作ってどうする。そして私のオフィス空間はどこよっ!!!!
この時代に布団サイズの押し入れっていらないよね?
身の丈に合ったモノの量で余生は暮らしたいと思っていたのに。
カナメだって、廊下なんて居住のための機能性ゼロだからいらないって言ってたやん。
「押し入れをつぶして、私のオフィスが欲しい。モノは最大限廃棄して収納庫の問題はなんとかするから、とりあえず押し入れは無くしちゃおう!」
と言ってみた。
「そしたらさ、押し入れなくしたら、玄関前のスペースが6畳くらいになるから、そこに一部の水まわりを持ってきて、残った場所はデッドスペースじゃなくてエリアとして活かせるやん!」
と畳みかけた。
カナメはめちゃくちゃ抵抗するかと思ったのだが、あっけないほどに
「それ、いいよね。うん、そうしよう。キレイだから使えるかなと思っただけなんだよね。高校生の頃にこのビルをオヤジが建てたんだけど、その時からこの押し入れなんで作ったんやろ、って思っててん。しかも引き戸の壁紙が全くもってオレの好みじゃない。壁紙変えたら何とかなるかと思ったんだけど。そもそもゴルフバッグは置けないし。大量にあるスーツもリタイアしたから2、3着あればいいし。」
ということで押し入れ撤去が確定した。
そうなると。ざっくりと6畳の3部屋分、約18畳のエリア、しかもL字型スペースをどう使うかを考えなければ。
キッチン、リビング、オフィス機能をどう配置するかだ。
ちなみに我が家のざっくりとした元々の間取り図はこれ。
ここからデカい押し入れを撤去すると、次のようになる。
元々あった簡易キッチン(ガス栓につながったポータブルの一口コンロと水道栓&シンクのみ)は撤去するので間取り図からも削除。
1)動かせないトイレ以外をワンルームにする。
2)水まわりを集める。
3)オフィスエリアも確保する。
さてさて。みなさんならばどう配置するだろうか。制限ありの中で自由に配置できるとしたら。
私たちはお風呂に浸からなくても死なないと思うタイプなのでシャワーユニットだけにしたが(別階にめちゃ古いが浴槽はある)、お風呂を大きく取りたい方もいるだろうし、自宅で隠れ家レストランを開業したいと思うならキッチンとダイニングの設備に凝るだろうし、バイク好きなら玄関近くのスペースはバイクの駐輪場にしてもいい。音楽好きなら壁一面にCDの収納棚を作りたいかも。
そう考えると、中古リノベにおける制限なんてそんなに大きなことではないかもしれない。
そう。自由に好きに配置していいのだ。これは真面目に考えないとだな。
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