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キミに農薬を撒きたい

 朝からこういう光景を見ると、ちょっと血圧が上がる。

【閲覧注意】大したことないけど、あちこちに虫さんがいる......。ありがたくない黒い置き土産も.......orz

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数日前に、ニーム&木酢液をたっぷりと噴霧したつもりだが。

この手の対策は、即効性があるわけではないし、卵には効かない。物理的に取り除くしか対処法はない。ちなみにスプレーを定期的に続けていると、いつの間にか虫の数が少なくなってくるということは大いにある。だから私も続けているのだが。

いかんせん即効性がないと、心が折れることもある.........orz

私「完全なる無農薬有機栽培なんて、実際には不可能だと思うんですけど。」

と少し語気を強めながら、カナメに向かって言った。

こんな小さいプランター内でもアタフタとしているのに、広大な土地に大量の株を植えている状態で、虫の襲撃に耐えられるわけがないと思ったからだ。

何事もなかったかのように、トマトの葉に殺虫殺菌剤のスプレーを散布しながらカナメが言う。

カナメ「オレ、別に(無農薬を)求めてるわけじゃないけど。そりゃ、薬品漬けの野菜がいいとは思わないし、美味しい方がいいけど。何事もバランスでしょ。」

トマトの葉の色が悪くなり原因を調べたら、うどんこ病になっていたらしく。彼がスプレーしていたのがこれ。

その後、そのトマトさんは一気に元気を取り戻して青々とした葉をつけるようになったみたい。

カナメ「うーん。もちろん薬品が効いているとは思うんだけど、色の変わった葉を全部落としたから、それが良かったのかな。」

目に見えて状況が改善するってすごい。即効性があるのって素晴らしい。

上空から全ての植物に農薬を撒いてしまいたい。そしてヤツら(害虫)を平伏させてみたい。

参ったと言わせたい。

もう二度とこちらへは末代までお邪魔しませんという確約を得たい。

こんな小さいミリ〜数センチの彼らに、なんで私が負けるのかわけがわからない。だが数で来られると、もう手に負えないのだ。

例えばだ。

人体のどこかの臓器に細菌感染が起こり、高熱が出たとしよう。

なのに抗生剤を投与することなく、キミの免疫力を高めれば治るのだ、普段からそれに気をつけていれば病気になることなどなかったのだとネチネチ言われて放置されたら、

死ぬだけやん!!!!

それが植物の場合は、そんな中で生き残った子だけが子孫を残し、その遺伝子だけが受け継がれる。その環境で生き残れなかった子は枯れて終わるだけ。過酷な環境でも生き残る雑草がすごいというのは、彼らが全員一人も欠けることなくずっと生き残り続けているわけではなく、その中に環境に適応して生き残ってる強運に恵まれた子がたまたまいたっていう話で、その背後には膨大な屍が横たわっているのだよっ!!!

多分に生存者バイアスかかってるからっ!

農薬の、何がそんなに悪いのさっ。

農薬はカラダに悪い?

要するに最終的な暴露量を低いレベルで抑えればいいってことでは?

私なんぞラットちゃんがコロリしちゃうようなコーヒーを毎日ガバガバ飲んでるもんねっ。そんな私が、チラりと撒かれた殺虫剤でコロリなんて行かないよね。

まぁ確かに土壌環境的には、微生物に影響ありだろうけれど、彼らは栄養と湿度が与えられると、ものすごい勢いで増えることもできるから、それは何とかなるのではないかと思ったりして。

農家の皆さま方は、個々それぞれに保有する土地と与えられた気候に応じて、その中で試行錯誤をして最適解を見出してらっしゃるんだなぁと思うと........

農業って難易度高っ!!!!!

変数が多すぎる!!!!!

しかもアンコントローラブル(uncontrollable)!!

各種コストはかかっても、コントロール可能な水耕栽培の野菜工場に可能性を見出しちゃうよねっ。

コストの問題も、研究開発が進むと固定費も安価になっていくかも。しかも台風や長雨の影響で農作物が高騰しているシーズンなら、逆に安上がりかも知れず。

反対に意外なリスクもあるよね。現時点でも高い電気代がさらに上がることは十分に考えられるし、停電になるリスクもゼロじゃない。

うーん。

LED照明のない状態で、屋内で窓から差し込む柔らかな日差しの中で水耕栽培をやってみた(やろうとした)結果、どうしても植物は「十分な日光を求めて徒長しがちになる」ことを理解した。窓から差し込む光は、人間が考える以上に、彼らが必要とする日光の絶対量には足りないということなのだろう。

だから最もシンプルな方法としては、屋外で育てつつも防虫ネットをかけるか、屋内で育てつつLED照明をつけたり、ガラス越しであっても十分に日光が差し込む窓際で育てるという、広く一般的に知られているようなことが王道中の王道なのだろうなぁと思うのだ。

ここでもう一つ、ガーデニングにおける大きな因子があって。

食物の収穫という目的のためだけなら、防虫ネットを張ることは理にかなっている。でもガーデニングの醍醐味は、結果だけではないというか。

水をあげると葉が瑞々しく光ったり、太陽の下で緑が生き生きしているように見えたりすることで、何とも言えない充実感と癒しを感じられるのだ。

その緑を堪能することなく、防虫ネットを張って視界に入らない状態にすることに、どうしても納得がいかないのである。

そして私は、毎日毎日、虫や病気と闘いつつ玉砕したり、有頂天になったりしつつも、我が家の屋上テラスの環境におけるガーデニングの最適解を今後も何年も考え続けるのだろう。

以下の動画だが、同じ有機肥料を入れたところ、別の品種の野菜の8割が同じ味に感じたという話は衝撃的だった。何が正解かは、自分で決めなきゃだ。

色々な考え方があるし、色々な可能性がある。地球上はまだまだ分からないことだらけよ。

そういえば、香港に住んでいる時に、野菜の農薬問題についてどう対処しているのか、周囲の香港人に聞きまくったことがあったんだけど、みんな「長時間水につけておく」と口を揃えて言っていたので驚いたことがあった。

私は日本人なので、一時帰国時に「安心やさい」を大量に購入してしばらく使っていたが、そのうちに面倒になって「しっかり洗って茹でこぼせばいいのでは?」と思うようになってしまった(汗)。その後、無事に無農薬有機栽培野菜の配送サービスに加入した。その農場に見学に行ったこともあったけれど、単に田舎の環境をエンジョイしてただけで、具体的な農法について詳細を聞かなかったのは痛恨のミスだわ。

無農薬有機栽培の農場に、見学に行ってみたい。

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