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電気代から考えるコンパクトハウスのススメ

 昨冬の電気代ったらエグかったよね……..。

実は、ここにも西日本と東日本の大きな差があるのである。

韓国の冬はオンドルという床暖房システムがあるので、室内は真夏のように暖かいのだが、あのシステムは電気ではなく、床下に這わせたガス給湯システム(ボイラー)による温水菅によるものなので、電気代がかかるわけではない。ガス代はすごいけど(汗)。

が。

ニッポンの床暖房の多くは、おそらく電気システムで、もちろん電気代がモロにかかってくる。そしてそれは、全室暖房というよりも、個々の部屋でオンオフするものの様なので、床暖房があったとしても家の中全体が常に一定温度に保たれているわけでもなさそうである。つまり、エアコンを代替できるものではないのかもしれない。

一方、韓国のオンドル暖房は、それに加えてエアコンも使うことはまずない。暖房といえばオンドルだけで事足りるのだ。ちなみに韓国の電気代は、多く使うほどに指数的に料金が上がる(滝汗)。でもなぜか子供が3人以上いる家庭の電気代は割引されるシステムがあり恩恵を受けた。これも自分で申し込みをしないと適用されない。

さてさて、国内の話に戻そう。

こういう状況では、断熱性と気密性を高くした上での全館空調システム(家庭用エアコン一台で全室をまかなう)が電気代が安く済みそうである。

(余談だが、全館空調システムの意外と知られていないデメリットが「匂いが全室に行きわる」ということ。匂いに敏感な私としては、もう絶対に無理なやつ。逃げられないなんて…..orz)

でもさ。

それもこれも、大きさ(居住面積と室内の容積)という因子が絡む。

一人暮らしをしているときの光熱費は、月額総額が1万円にも満たないものだろうが、これが2LDK以上になった途端にいきなり大台を一気に超える。電気代というものは、部屋の広さに応じてある程度は比例する傾向がある。

大きな家に住みたい!

多くの人にとって、それは純粋な夢だろうとは思うが、実際はその家の大きさに応じた光熱費が日々のしかかってくるのだ。

子供を育てている間は、その広い家はとてもとても価値のあるものである。が、そんな子供達も当然のことながら自立していき、老後は多くの人が少人数家庭に落ち着く。

子供世代と同居しているわけでなければ、ほどなく家庭収入のほとんどが年金という時期がやってくる。

増えない年金、高くなる物価、とんでもなく高騰する光熱費

こうなると、コンパクトハウス(狭小住宅)そのものが、光熱費を節約するための大きなソリューションになり得るのだ。

そして日本の中にも、実は大きな格差があるのだ。電気代が高いエリアと比較的マシなエリアが存在している。

ところで、田舎あるあるなんだけど、母屋の隣に子供夫婦用のコンパクトハウスを建ててあげるのだが、子供たちが大きくなってくると、母屋に子供夫婦と孫、コンパクトハウス側に親世帯が住む(スイッチする)ということをする人が多い。

老夫婦にとって大きな家は不要だし、新しく建てた家の方が機密性が高くてエアコンの効きも良く、日中ずっと家にいる高齢者の方が光熱費がかさむので、それは良いソリューションらしい。

確かに、高齢になったらコンパクトハウスの方が、いろいろと都合が良いというのは事実(若夫婦の心中がどうなのかは分からないけれど(汗))。

つまり、なんでもかんでもデカい家が解でもないし、高齢になったら家を売って駅近の小さなマンションに移るトレンドなんてずいぶん前からあるから、みんな考えることは同じなのよね。

つまり、家族サイズによって自由に大きさを変えられる家が良くて、そうなると持ち家が常に解とも限らない。

確実に人口が減って、空き家率が毎年上がるような国なんだから、あわてて巨額投じて焦って住宅ローンを組む必要はないかと。

でもさ。まさかとは思うけどさ、日本も富裕層移民を受け入れるようになったとすると、一気に東京が香港シンガポール化する未来もゼロとは言えない。そうなると無理してでも東京の一等地に住宅を買っていた人は、「韓国のカンナム(江南:高級住宅エリア)にたまたま家を持っていた人」と同じような「勝ち組」になっちゃうかもしれないからなぁ。

未来は誰にもわからないしね。

ただ言えることは、光熱費がここまで高騰している今、広い家のランニングコストは相当に上がるということを念頭に置いておいた方がいいかもね。


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