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最初の第一歩


視覚障害者の訓練は大雑把に分けて2種類。
生活訓練は全般。
それは見えない、見えにくい状態で
日常生活を今まで視覚に頼ってたのをやめて、
視覚障害の状態にあわせてスムーズに生きていけるようなるため。

まず、見えていたら毎日こなしてることを、
家でできるようになったら、その先に職業訓練があると僕は思う。
寝食、料理、かいもの、掃除、着替え、スムーズな移動、読み書きと記録。
それらが一人でできないと、せっかく就職できても企業に迷惑かけてしまう。
クビにするのも難しいので、結局何もしなくていいから時間まで座ってて下さいね。という自分にも企業にもプラスにならないことになって、やりがいも、生き甲斐も失ってしまう。

生きていくには、働いて収入を得ることはもちろん、
社会参加も社会貢献もある。
仕事ができなければ、社会福祉の制度である生活保護を受けて生きていけるけど、ずっと何も出来ないでいると、自分が社会の荷物みたいに思えてくる。
社会との関わりはなく、たんに動物的に生きているだけ。
しかし、見えなくても現存能力や他の感覚を生かすことができれば、
スキルを活かして楽しんで暮らすこともできる。

世の中には、興味を持てないことも含めて、知らないことがたくさんあって、日々新しい情報が入手できるようなっている。
ネットや動画のように、最近はテレビやラジオ以外にも、
多くの情報媒体があふれていて、
真相がわからないことも、生きている間に全て見聞きすることは不可能。
命はひとつ、流れていく時間は止められず、生まれてから決まった時間しか存在することができない。

僕の場合は小学校に入学して弱視がみつかり、親がめんどくさくなって通院を途中やめにした結果、なんで弱視になってるのか原因もわからないまま、低空飛行で中学に進みメガネ使用者になった。強度近視と斜視と乱視。普通学校でなんとか高校まで行き、普通に専門学校に行き、社会人になった。
進路は悩んだけど、精密な視力が影響するような職種でなかったから、問題はなかった。ただ、アルバイトで精密機械の検査の仕事は3日でクビになったけど。笑

30代になって球後視神経炎になった。
町にある眼科から網膜剥離が見つかって、とりあえず光凝固手術でひっけて、大きい病院へ紹介され、さらに大学病院に紹介され、ようやく色んな病名がわかった。中には無色素型の網膜色素変性症というのも見つかった。
プレドニンというステロイドを1日1錠ずつ増やし、最高30錠まで飲んで、また30日かけて減らしていく。それも効かなかった。何日かあけて、週二回くらいだったか?点滴も通った。それもダメだった。
医師は目の場合、いったんやられてしまった神経は治らない。そこで、治療は終わった。後日、町医者に戻って、視覚障害者として生きることになった。


当然、鬱になった。未来も悲観しかできなかった。
初めての視覚障害者センターでは、困りごとや悩みを聞くというかんじでなく、仕事にいきなり入った。視覚障害者は鍼灸マッサージしか生きる道はない。
当時はそんな感じで、白杖を使うことも、点字を学ぶこともなしに、盲学校に入り失敗した。今思えば、今よりずっと見えていたのだから、ロービジョンの訓練を受ければよかったのにと思う。眼科は治すところで、当時のリハビリテーション医療への道は開かれてなかった。

視力が悪かったり、全く光がない世界にいても、健常者と同じ世界で生きていかなければならない。生きていくためには、健常者のしていることになるべく追いつくようにしなければならない社会に生きるということだ。
既存にあるほとんどのものは健常者が便利に使える物であって、視覚障害者のほとんどは、そこにあるものをなんとか工夫して使えるようにする。
階段、エスカレーター、でこぼこ道、工事中。物言わぬ壁が障害物リレーのように立ちはだかる。
目からはいってくる80パーセントと言われる情報も入らない。情報障害でもある。溢れる情報も、残り20パーセントをうめるというか、追いつこうとするのが、視覚障害者情報機器だ。

《視覚障害者情報機器》を使ってみた 
最近、読んでくれる読書機「読むべえ」の体験会に行ってきた。
本や墨字で書いたものをスキャンして、読み上げてくれるもの。
しかし、全ての読みが完璧ではないので、クラウドでさらに感度を上げる機能をダウンロードすることが望ましい。それは1ページスキャンするごとに料金がかかる。
参加者が1番自分で見たいものの中には、預金通帳があった。
福山雅治さんのファンクラブの会報という方もいた。

僕の場合は、音声で見たいところをすぐ探せる感じではなかったので、ヘルパーさんに説明してもらった方がいいなとおもう。流石に通帳は難しいだろうけど。
僕の今の状態では使えないと判断した。
そこで、それをカバーできそうなのが、写真にあるブレイルメモ。
これはインターネットの情報を読み上げながら点字にもしてくれる。
音声で聞き取れないことも、点字で再確認できる。
自分で打ち込んだメモも、音声でも点字でも確認できる。
もっとも便利なのは紙を使わないこと。
点字の書いた紙はおもくてかさばる。それが、これを持ち運びするだけで済むからだ。Kindleみたいな感じで点字図書館からダウンロードできる。
ここは健常者より進んでいるとさえ思うところだ。
ただ、機能がたくさんあると、覚えることも増えるのが難点だけど。

こんな感じで、色々視覚障害者の情報を発信していきたいと思っています。
13日から書いているんですが、既に6日かかってます。笑
視覚障害があっても、いろんなことはできます。
ただ、時間がいっぱいかかります。
それでも、頑張ってやっていけば、少しは早くなってきます。
健常者だったときのようにできないけれど。

さて、今日も歩行訓練に行ってきます。
今日から雨になりそうですが、雨の訓練も必要です。
行ってきます。




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