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ゲイの恋愛話

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恋愛にまつわるエピソードです。
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言葉のいとおしさ(ゲイの恋①)

今日はちょっとキラキラした話。 めんどくさい彼氏ではない元カレの話です。 こんなことがあった。 見つけてしまった 友達と、あるクラブイベントに行ったときのこと。 一人フロアで踊ってたとき、ふと隣で踊っている彼をみつけて。 「うわ、イケメン!」 一目惚れなんてありえない派だったのに、すっかり一目惚れ。 そこから彼の近くを離れられなくなってしまったのだが、かと言って話かける勇気もない。 ほかに術もないので、無駄に彼の正面に踊り出てみたり、無駄にぶつかってみたり、無駄に足

肌のいとおしさ(ゲイの恋②)

前回の①のつづき。 見えないゴール 実際に会う前までは毎日メールの往復があった。 でも、会ってしまうと何を書いていいのかわからなくなってしまった。 何の目的で会うのか、ゴールはどこなのか。 それでも、少しでも気にかけて欲しくてメールを送り続けた。 一度だけしか会っていなくお互いをなにも知らない。 けど、彼からの返信に明らかにトキめいていた。 乙女っぷりが自分でも気持ち悪い。 ある日、「ごはん行こうよ」とメールを送った。 社交辞令の「ごはん行こうよ」ではなく、本気の「ご

別離 -最後の幸せ-(ゲイの恋③)

前回の話の続き。 (この記事でも補足しておくが、ここで書いている彼は「めんどくさい彼氏」とは別の人物である。) 手おくれ 夢のような夜から3年あまりが過ぎた頃。 彼に会うことは義務になってしまっていた。 会いたいから会うのではなく、「付き合っているんだから会っておかないと」という気持ち。 多分、それは彼もそう。 お互い干渉せず束縛もせず、それがいい関係だと思いこんでいた。 でも見方を変えてみると、衝突することを避けていたんだと思う。 相手に対する疑問や不満を自分の中で消

めんどくさい彼氏(ゲイカップルの話)

年下の元カレの話です。 元カレのことを面倒くさいとか言っちゃいけないんだけどね。 だいぶ前のことだし、もう笑い話ですよ。 こんなことがあった。 俺の職場と彼の職場が歩いて10分くらいの距離で。 お互いの職場から同じくらいの距離にある「TCAT(東京シティエアターミナル)」のロビーで仕事帰りに待ち合わせをして、「今日はこんなことがあったよ」「次の休みはどこに行こうか」なんて、会ってウダウダするのが楽しみだった。 まだ付き合いたての頃のカップルにありがちな光景ね。 付き合い

めんどくさい彼氏 その2(ゲイカップルの話)

元カレがこの記事を読んでいないこと前提で書いている。 笑い話にしてすまん。けど笑い話だ。 ということで、前回書いた元カレとのエピソード続編。 こんなことがあった。 大学進学で上京した息子に実家の親御さんが会いにくるというのはよくある話だ。 彼の実家は割と裕福で、「息子にいつでも会いに行けるように」と、彼が住む部屋とは別に家族用の広いマンションを大学近くに購入していた。 大学を卒業した後は、社会人になった彼の住居として使わせようとしていたらしい。 しかし、就職した彼は会社

めんどくさい彼氏 その3(ゲイカップルの話)

前回、前々回の話は記事の下にリンクを貼ったので、興味をもっていただけたらそちらもぜひ。 今回はその彼と行った旅行の話。 移動 海外ビーチリゾートへのパッケージ旅行。 出発地は羽田ではなく成田だった。 前回「その2」で書いたように、当時の俺たちの生活拠点は次の3つ。 1. 俺んち 2. 彼の会社の寮 3. 彼の週末用マンション 一緒に前泊して成田空港へ向かう計画だったんだけど、成田までのアクセスがいちばん良いのは彼の寮だった。でも、そこに俺が泊まるわけにはいかないので

追わない恋愛は相手を傷つける(ゲイの恋愛)

追いかける恋してますか? 掲示板で知り合った5歳年下の彼。 二丁目でフラフラしているところに偶然連絡があり、「こっちも二丁目にいるから会いましょう!」というノリで初対面。そこで後日のデートの約束をした。 泊りがけで行くほどの場所でもないのに泊りがけで八景島デート。 キリっとした眉で眼力強めな感じなのに、やんちゃ風でよく笑う姿はとても可愛かった。 横浜のホテルにチェックインし、コトを済ませベッドでウダウダしていると、「ねぇ、俺と付き合おうよ!」と屈託のない笑顔で言ってきた