田舎の車販売店で営業マンだった私が、NYにいるハナシ 24
これまでのハナシはこちら。
NYで、やっとの思いで実現したカフェでの個展。
展示期間は、1ヶ月。
その期間が過ぎた後、確か1週間後には、帰国便に乗っているスケジュールでした。
だから、とてつもなくギリギリで叶った夢だったんですよね。
その間も、変わらずに、スタジオでフルタイムのインターン。
様々な経験をしながら、
日々、勤務で体力を使いきり、
宿に戻っては、意識を失ったように寝るという毎日に戻りました。笑
でもね、展示をした後、頭に浮かんだ言葉があって、
それは、
「負けたな。」
というもの。
いきなりNYで展示なんてできるはずがないと言われつつ、
実際に、夢も叶ったし、
インターンだって、毎日しっかりやっていました。
じゃ、なんで、「負けたな。」なんて思ったのか。
売れなかったんですよ。
当時、全くなにも起こらなかったんです。
展示期間中、
時々、お店に顔を出しては、様子を伺っていた時もありました。
でもね、「観て」ないんですよ。
誰も。
「見る」けど、「観てない」。
その光景から「負け」を受け入れざるを得ませんでした。
ただ、
ずっと山形で絵を描いてきた自分が、NYへ渡り、
まさか、展示まで実現するというのは、
あの当時の自分にとって、信じられないことで、
それを、現実にすることができた自分の中には、1つの達成感がありました。
だから、展示が終わった後の気分は、とっても清々しかったです。
帰国に向けた足取りも軽くて、
なんだか、1つの区切りがついた感覚でした。
スタジオのボスから、こっちでやらないかと誘っても頂きましたが、
あの時の自分には、なにか他にやるべき事があるような気がしていて、そのお誘いを断り、山形に戻る決心をしました。
今思えば、その決断が、大正解だったと言えます。
なぜなら、そこから経験していく事、1つ1つが、自分にとって、作品にとって、成長するために、とっても大切なものだったからです。
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