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新商品の”魅せ方”を考える。「サンパック」vol.2

前回の『週刊GRAPH』で取り上げた、サンパックの足裏マッサージャー、「フットグルーマーグラン」

商品とパッケージのリニューアルを皮切りに、現在もサンパック商品の一部のデザインにGRAPHが関わっています。


今回取り上げるのは、リニューアルではなく、「新商品」の販売時に、GRAPHがお手伝いしたこと。

東京オフィス プロジェクトマネージャーの高島功さんに話を伺いました!



商品ができたあとも、やることは多い。店頭に並ぶまでの道のりとは


今回取り上げるのは「ハナオ ウォーキングフォーマー」。

素足に装着することで浮き指を改善し、美しい姿勢をサポートするアイテムです。

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▲「ハナオ ウォーキングフォーマー」は2色展開。左右の足の親指と人差し指の間に装着します。やわらかくてぴったりフィットし、気持ちいいんです。

※画像はサンパック公式サイトより


新商品として開発されたこの商品。GRAPHでは最終的な商品の色味バランスのディレクションと、パッケージを任されることになりました。


最初は商品本体の色のディレクションに着手。

『フットグルーマーグラン』と同様に、蛍光イエローを目指すことになりました。


最初に届いたシリコン素材の色見本がこちら。

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高島:「蛍光イエロー100%で出せる色を知りたくて、いただいたサンプルです。これで『ここまでは色が出せる』ということが明確になったので、この色を基準にして、少しずつ調整していきました。

ハナオウォーキングフォーマーは、装着することで正しいボディバランスを整えてくれる商品です。体の軽さ、動きやすさを感じさせるために、より透明感や浮遊感、軽さが欲しいと考えていました。

蛍光イエロー100%だと色が濃く、重い印象でしたので、いくつか色味を試作してもらったんです」

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▲試作品。右端が黄色100%。左にいくほど薄く、透明感のある色に。


もう1色のほうの商品試作では、GRAPHとも関係性が深い吉川紙商事さんが開発した用紙「ノイエグレー」を色見本として送り、シリコンゴムで同じ色味を目指したりもしたそう。

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▲うっすらと繊細な青みを持つ用紙「ノイエグレー」の色をシリコンで再現することに挑戦。最終的にはグレー味のない、クリアな色が採用されました。


商品が開発されてからも、最終的に世の中に出る前に、さまざまな”見え方”の調整を行っていたのですね。


パッケージはさまざまなバランスを考慮して開発

商品の色調整と同時並行で、パッケージの試作も進めました。

まずはサンパック側で、パッケージのファーストサンプルがつくられました。

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▲ファーストサンプル。悪くないように思います。


高島:「商品本体の色選定でもそうですが、パッケージでも、”浮遊感・軽さ”をキーワードにしたいと思っていました。

そこで、もう少し商品が”浮いて見える”ようにできないかと、パッケージを再考しました」

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▲「浮いて見えるパッケージ」を追求した、セカンドサンプル。たしかに、ファーストサンプルより”浮いて”は見える!


商品を固定するブリスターパックの形も、いろいろ検討しました。

“「ブリスターパック」とは・・・板状プラスチックをバキュームフォームなどで成型し囲み込み台紙に接着した物や、スライド式着脱可能な包装のこと。日用雑貨や菓子、薬剤などで使用される”。 by Wikipedia

(ちなみにブリスターとは、英語で”水ぶくれ”という意味なのだそうです)


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▲商品を固定する方法・形っていろいろあるのですね。左上がファーストサンプル。右がセカンドサンプル。左下が、最終形のブリスターです。


高島:「セカンドサンプルでは、商品が浮いて見えるようにはなったのですが、商品自体が斜めになってしまう問題がありました。

また、ブリスターが商品をグイッと押し込むような形だったため、商品本体のシリコンが傷ついてしまう可能性があり、それも避けなければなりません。見た目ももう少しすっきりさせたいと思いました。

また、パッケージの厚みや大きさも再検討しています。

というのも、ハナオウォーキングフォーマーは上代が3,960円。科学的エビデンスをもった機能的な商品であるとはいえ、1,000円台の類似品がある中では高価格な印象です。

商品自体は小さいのですが、あまりにコンパクトなパッケージだと、価格イメージとの乖離が大きくなってしまいます

もちろん、パッケージを豪華にすればいいということでもありませんが、“安っぽく見えない”大きさとデザインである、ということは重要でした。

さらに、販売後のことを考えると、郵送しやすい大きさであることも求められました」


クリックポストや定形外郵便などでは厚さは3cmまでと決められているので、納品書等を同封した状態でその厚さに収まるのが効率がよさそうです。


さて、もろもろの調整を乗り越え、完成した最終版パッケージがこちら。台紙がライムグリーンになり、商品本体のイエローと響き合っています。イメージさせる価格帯や、健康的なイメージのバランスもとれています。

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▲「フットグルーマーグラン」の記事でも紹介したように、こちらも、メディカルなイメージやテクノロジーを駆使した未来的なイメージを備えています。


ちなみにセカンドサンプルでは厚みは4.5cmを超えていたものの、最終形パッケージの厚みは2.5cm。郵送のしやすさもクリアしました。

ブリスターもぴったりと商品が収まる形になり、全体的にすっきりと洗練された印象になりました。


このほかにも、温感ボディローラー「ドルミーレ」のパッケージもGRAPHで手掛けています。

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▲本体を電気で温めて、適温の状態にして形や首をマッサージすると、より快適な睡眠が得られるという「ドルミーレ」。メタル紙の台紙や緑の箔押しなど、他の商品デザインのイメージを踏襲しています。


現在も、サンパックでは新商品の開発が進められています。

既存商品のパッケージリニューアル等も今後計画されているということなので、市場に出るのが楽しみです。

また新しい商品が出た時には、『週刊GRAPH』でもお知らせします!














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