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「ビリビリ衛星」打ち上げ計画 背後には「吉林1号」も

要点:
① 衛星打ち上げで科学系コンテンツの強化を狙う
② 中国初の商用衛星を研究開発する、長光衛星と協力
③長光衛星は、中国最大の商用衛星網「吉林1号」を手がける
——

 イーロン・マスクの設立したSpaceXが、民間企業として人類史上初の有人宇宙飛行に成功したころ、中国では動画配信サイトが衛星打ち上げの計画を発表していた。

 中国大手動画配信サイトの「嗶哩嗶哩」(Bilibili、以下、ビリビリ)は1日、「ビリビリ動画衛星」(以下ビリビリ衛星)と名付けた衛星を6月下旬に打ち上げると発表した。ビリビリ衛星で集めた映像や写真などのデータは、ビリビリの科学系コンテンツに使用される。具体的には、科学技術や地球、歴史、教育など幅広いコンテンツがある。

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ビリビリ衛星の打ち上げは公式サイトで生配信される

 ビリビリは中国版「ニコニコ動画」とも言われ、主に若者の間で人気がある動画サイトだ。1日あたりのアクティブユーザー数は5,000万人以上に上る。近年では、携帯ゲームや電子商取引(イーコマース、EC)にも進出している。今年4月には、ソニーが430億円をビリビリに出資し、ゲームやアニメなどで協業をする方針だ。

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ビリビリ衛星打ち上げ発表に多くのコメントが寄せられた

 同サイトは、日本のドラマやアニメが見られるとして、中国人だけでなく在中日本人にも重宝されるなど、日本のコンテンツを多く配信する。

 中国日報によると、ビリビリ衛星は3D画像処理機能を搭載しており、精度の高い地面観測が可能だ。オーロラや月、土星なども観測できる。より質の高い映像や画像を用いて、科学系コンテンツを見られるようになるだろう。

 今回の衛星打ち上げには、「長光衛星技術有限公司」(以下、長光衛星)の衛星が使用される。長光衛星は2014年12月に吉林省政府などの出資により設立された、商用衛星を研究開発する中国初の会社だ。以前、Weekly Chinaで紹介したライブコマース界のスター、薇婭(ウェイ・ヤー)氏が4,000万人民元(約6億円)で販売したロケットも同社のものである。

吉林1号

「吉林1号」のイメージ図 長光衛星ホームページより

 長光衛星は、中国の商用衛星事業の幕開けとなった「吉林1号」の衛星を手がけたことでも知られる。「吉林1号」は138個の衛星を用いたプロジェクトで、土地観測や交通機能の監視、スマートシティ建設などに活用される。現時点で、16個の衛星を打ち上げた。

 「吉林1号」の衛星と連携して、ビリビリ衛星はデータの採取を行う予定だ。これにより、情報収集能力を一段とアップさせる。

 計画を発表した6月1日が、中国の「こどもの日」であることにちなんで、ビリビリは「こどもの日に、全ての好奇心を持つ人に特別な贈り物を」とし、「B站(ビリビリの通称)と一緒に世界を探検しよう」とした。

 ビリビリ衛星の打ち上げは、ビリビリ公式サイトで生配信される。

文/田村 康剛

Weekly China
June 4th, 2020


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