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日刊アルカディア

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毎週刊行日である土曜日の19:00以外に、投稿する場合にこちらにも追加します。
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#おとぎ話

頑張ってる背中から背負い投げ

頑張ってる背中から背負い投げ

昔々、広大な王国に一人の青年が住んでいました。名前はリオ。
リオは村一番の努力家で、誰もが彼の真面目さと忍耐力を称賛していました。
しかし、彼の真面目さゆえに、多くの村人たちからからかわれることもありました。

リオには夢がありました。
それは、村の平和を守るために立派な騎士になることでした。
毎日早朝から夕暮れまで、リオは剣術や馬術を練習し、強くなるために全力を尽くしていました。

そんなある日

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【書物】倒壊導誅膝蹴区(とうかいどうちゅうひざげりく)

【書物】倒壊導誅膝蹴区(とうかいどうちゅうひざげりく)

むかしむかし、ある国に「導誅」という街がありました。導誅は崖がちな山々に囲まれ、住民たちは日々平穏に暮らしていました。

ある日、この導誅を訪れた若い旅人がいました。
彼の名前はリョウで、勇敢で好奇心旺盛な性格を持っていました。
リョウはこの崖の上には何があるのだろう、と好奇心の赴くままに探索することにしました。

リョウが崖の上に足を踏み入れると、そこには驚くべき光景が広がっていました。崖の上に

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【書物】けもののこども

【書物】けもののこども

ある森の奥深くに、ティガという小さな獣人族が住んでいました。
ティガは幼い頃に、ヒューマン種との間に起きた戦争で親を失っており、孤独な生活を送っていました。

「お父さん、お母さん……ティガはもう疲れたよ……」

ヒューマン種が台頭するその時代。
ティガは行く先々でいじめや迫害を受け、彼にはいつも居場所がなかったのです。

「どうしてみんなティガをいじめるの? ティガは悪いことしてないのに……」

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「重い荷物をマフラーにしたら、空中回転」

「重い荷物をマフラーにしたら、空中回転」

むかしむかし、ある小さな村に、荷物運びの仕事をしている青年がいました。
彼の名前はケンタロウで、いつも笑顔で明るい性格で村の人々から愛されていました。

ある日、ケンタロウは村の商人から、遠くの町へ大量の荷物を届ける仕事を依頼されました。
彼は嬉しくなりましたが、荷物はとても重く、運ぶのが大変でした。
それでも、ケンタロウは強い意志を持ち、荷物を背負って旅に出ることにしました。

旅の途中、ケンタ

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【書物】臭い王様

【書物】臭い王様

むかしむかし、ある王国に「臭い王様」と呼ばれる王様がいました。
彼はとても臭かったのですが、それを自覚している様子はなく、日々の生活を楽しんでいました。

王様の臭いは王国中に知れ渡っており、王国の人々は彼から一定の距離を保って暮らしていました。
しかし、臭い王様は自身の臭いを気にせず、いつも笑顔で王国を歩き回り、民衆との交流を楽しんでいました。

ある日、王国に美しい花の香りが漂い始めました。

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