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支援の現場から①子どもが親を「嫌い」と言うとき

今回から支援現場のお話を書いていこうと思います。

個人情報の問題がありますので、少々内容が事実と異なることもありますが、できるだけ事実にそってお伝えしていきたいと思います。

2年ほど前になりますが、あるシングルマザーの支援を主に行っている方々と勉強会を行う機会がありました。シングルマザーの支援をされている方々(以下支援者とします)は10人ほど、ウィーズからは光本と私の2人、ほかに法曹関係者の方が2人参加しておりました。

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※イメージ図 (注)実際は大人です。

勉強会の終盤、法曹関係者の方への質疑の最中にある支援者の方から次のような質問がありました。

「ある女性が離婚のことで相談に来たのですが、息子さん(5歳か6歳)が私のところに来て【ママなんてきらい】と言ってきて対応に困ってしまいました。どうしたらよかったのでしょう?」

なんと!その質問ならウィーズにしてください!と言いたかったところですが、質問は法曹関係者の方へ向けられたものでしたので黙っておりました……。

このケースで考えられることは3つあります。

1・この男の子は何度も親の争いをみてもう見たくないと思っている

2・母が男の子に父の悪口を頻繁に言っている可能性がある

3・男の子は両親に離婚してほしくないと思っている

おそらく上記の3つのうちどれかは正解です。

なぜ上記の3つなのかについては、ウィーズが行っている「面会交流支援」で携わっている子どもたちにエビデンスがあります。これにつきましてはまた別の機会に書きたいと思います。

さて上記の1~3の3つに共通している子どもの気持ちは何だと思いますか?

………。男の子は「両親のことが好きである」ということです。

きっと「両親に仲良くしてほしい」と思っているでしょう。

幼少期の子どもはボキャブラリーがないので、何とかして自分の知っている言葉で自分の気持ちを表現しようとします。

本当は嫌いではないのに訴える言葉がわからないのです。ですから「きらい」という言葉で表現します。

子どもが親を嫌いになる、ということはよほどのことがなければありません。たとえ虐待を受けても親のことが嫌いになれないという子どもはたくさんいます。

話を元に戻しましょう。ではこの男の子に言葉をかけてあげるならどんな言葉がいいでしょうか?

「パパとママになかよくしてほしいのかな?」

「パパとママになかよくしてほしいよね」

「どうしてママがきらいなのかお話してくれる?」

などがあげられます。

上記のうち2つは質問をしていますから答えが返ってくるでしょう。

その答えに対して特別な回答は必要ありません。「そうだよね、つらいよね」とか「ママにお話しておくね」と返すだけでも子どもは救われます。

抱えてしまっている気持ちを吐き出させてあげることがとても重要なんですね。

子どもに接することに慣れていないと、今回のようなときに焦ってしまいます。私もウィーズ立ち上げ当初はそうでした。

「何か明確な対処法があるのかもしれない」「なんて答えればいいんだろう」「どう対応すれば正しいのだろう」などなど考えてしまうのです。

必要なことは子どもに向き合ってあげることです。ほんの少しでもいいので話を聞いてあげることが大切です。これは子どもに限らず大人にも必要なことですよね。

このことも支援を通じて子どもたちから学びました。

今後も子どもたちから学んだことを少しづつご紹介していきますので、皆さんのお役に立てたらうれしく思います。

今回もお読みいただきありがとうございました。


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