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エールが込められたドレスカバーの話。

衣裳店から譲り受けたウェディングドレスを保管する上で、一つ問題があった。
それは、ドレスカバーがボロボロだったこと。ドレスに年季が入っている分、ドレスカバーも全て破れかけていた。

一見キレイに見えて、実は破れかかっているドレスカバーたち。

でもドレスカバーは、そこそこの値段がする。
そんなとき、ブライダルの部署でお世話になった上司の顔が浮かんだ。

その上司は、いつも私を勇気づけてくれてた。
「廃棄ウェディングドレスの再活用」を会社に提案し、あっけなく却下されたときは、「その夢、叶うよ!」と励ましてくれた。
その後、私自身が部署を異動し、ウェディングドレスに目を背けていたため、上司と話す機会もなくなった。

早速、上司に連絡すると「ちょうど処分するドレスカバーがあるから、こっそりだったら渡せるよ!」とすぐに返信が来た。

嬉しさを抑えきれず、でも社内の人にバレないように、受け取りに行った。

「こっそりなら渡せるよ!」という言葉とは裏腹、ドレスカバーがぎっしりと詰まった大きな紙袋が用意されていた。

紙袋が破けないようにテープで補強され、運びやすいように取っ手が施されていた。

「頑張ってね!あ、もう十分頑張っているから・・・倒れないでね!」と上司は笑顔で私を見送ってくれた。

受け取った優しさが、廃棄ウェディングドレスを輝かせる。
心が熱くなり、涙を堪えながらデスクワークに戻った。

帰りがけ、うっかり社内の人に出会ってしまった。
「大きな紙袋を抱えて、どうしたの?」

その問いかけに対し、咄嗟に出た答えは・・・
「夢を運んでいるんです!」

その言葉に驚いたのは私自身だった。
そうか、私はドレスカバーではなく、夢を運んでいたんだ!と。

夢の運び屋、、まだまだスタートしたばかり。
皆さまのおかげで、今日もまた一歩進みました!
いつもありがとうございます!!

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