もはやアート!繊細な絵で魅せる魔法ファンタジー漫画
こんにちは。
Yusaの漫画喫茶へようこそ。
今回紹介する漫画は、表紙を一目見ただけで、グッと引き込まれ、絵の繊細さに虜になった白浜鴎先生の『とんがり帽子のアトリエ』という作品です。
私は、アクション系の漫画が好きで、戦闘ものの作品を手にすることが多いのですが、この作品は絵に惹かれ読み始めました。
この記事を読んだら、きっと読みたくなるはず……!
白浜鴎先生はすごい画力の持ち主
東京藝術大学デザイン科を卒業後、フリーのイラストレーターとしても活躍している漫画家。アメリカンコミックスの表紙も手掛ける経歴を持つ。
女性ならではの柔らかく繊細な絵が特徴的。
原画展を開催するほど、画力が高く、多くの人に指示されています。
まったく新しい魔法ファンタジー
本作品は、魔法使いに憧れる少女があることをきっかけに魔法使いを目指すことになり、冒険をしながら成長していくという正統派ファンタジーのお話です。
しかし今までの魔法の世界のイメージとはまったく異なります。
それは、魔法を「唱える」のではなく「描く」ということ。
この新しい世界観も引き込まれる魅力のひとつだと思います。
また登場するキャラクターも、一人ひとり個性があって魅力的です。
その中でも主人公の「ココ」は、とても明るい性格の女の子で、前向きかつ努力家です。魔法に対する情熱は人一倍強い性格。
魔法そのものはもちろん、魔法で作られる世界がとても大好きで、「本当に魔法がすきなんだなぁ」と伝わってきます。その描写がとてもかわいいので癒されます。
繊細な絵で魅せる世界
私が本作品をおすすめする一番の理由は「絵」にあります。
表紙からも伝わってくる繊細な絵のタッチ。白浜先生の画力がここまでは!と言わんばかりに表現されており、惚れ惚れしてしまいます。
まず皆さんに感じていただきたいのは、1本1本細かく描かれた線が織りなす幻想的な世界。
普通漫画を描くときには、トーンと呼ばれる様々な模様や塗りつぶしの加工が施されたシールを使うのですが、この作品はトーンをあまり使用せず実線で描かれていることが多いのです。
景色の木々や髪の毛1本1本、衣装の装飾や石畳の街並みもとても緻密に描かれているので、より魔法の世界という幻想的で不思議な世界観を表現できているのだと思います。
もう一つ魅力的なポイントがあります。それは白浜先生の漫画テクニックです。
漫画はコマ割りされており、コマごとに場面が変わることも珍しくありません。そんな中白浜先生は、いくつかのコマがつながっているかのように表現することができます。
たとえば、ココが梯子を降りるシーンがあります。
このときコマは3カットあるのですが、そのシーンはコマとコマの間隔を狭くして、絵が前のコマと繋がるように描いてあります。
そのため実際に、ココが梯子を降りているかのように見えるといった描写です。
今までコマがつながっているように見えるといった表現は、みたことがありませんでした。
まさに白浜先生ならではのテクニックが存分に引き出されている作品だと思います。
おわりに
この作品は、読めば読むほど引き込まれる魅力がたくさん詰まった作品となっています。
「絵で魅せる漫画」と言っても過言ではないほどの繊細な絵のタッチ。
もちろん内容もとっても面白いので、ぜひ実際にお手にとってご覧ください。
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