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米アラスカ航空がシェルとSAF関連の包括提携を結ぶ

米国のシアトルに本拠を置くアラスカ航空はこのほど、シェル石油傘下の航空燃料供給会社シェル・アビエーションとSAF(持続可能な航空燃料)の開発・供給に関する包括的な提携契約を結んだと発表した。

アラスカ航空は、SAFの供給をこれまでバイオ航空燃料メーカーのGevoから受けているが、今回、これとは別にシェル石油グループとSAFに関する包括的な提携を行うことにしたもの。米の大手航空会社がSAFに関して新燃料供給のベンチャー企業とではなく、伝統的な石油会社とSAFの共同開発研究に入る例は珍しい。

発表によれば、アラスカ航空とシェルはSAFの生産、調達と使用だけでなく、協力してSAFの技術開発・SAFのためのインフラ整備、さらに投資を促進するための課題に取り組むとしている。その結果として、SAFをより多くの市場に、より多くの量で、より持続可能なコストで提供するために必要な技術やインフラ、炭素算定システムを確立したい考え。

アラスカ航空はShellとの提携でSAF市場の開発や長期的な燃料供給を促進する(出典:アラスカ航空)

当面はアラスカ航空の拠点ルートである太平洋岸北西部での燃料供給を可能にすることに重点を置き、アラスカ航空のロサンゼルスハブで最大1000万ガロンのニート(混合前の純粋な)SAFをシェル側が供​​給していく。

「アラスカ航空は2040年までにCO2排出ネットゼロに向けた行程を設定しており、SAFこそがその過程に段階的な変化をもたらす最大の要因となる」と同社の広報担当は語り、さらに、「大手石油メーカーであるシェル・グループの燃料インフラに関する専門知識を活用できるため、SAFへのアクセスをより多くの市場で促進・加速し、わが社の環境目標を達成することができる」と自信を見せている。

また、シェル・アビエーションの担当重役も「航空の持続可能な未来を築くには、エコシステム全体からのサポートが必要。今回のアラスカ航空との深いレベルのコラボは、この分野の技術とサプライチェーンの整備によって業界を前進させるのに役立つ」と強調している。

2023年4月5日掲載


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