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Peachが関空でGSE遠隔操作の実証実験、関西エリア初の試みで人手不足に対応

Peach Aviationは4月3日〜13日の期間、関西国際空港でGSEの遠隔操作に関する実証実験を実施した。パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)/長瀬産業/関西エアポートと4社協力で行ったもので、遠隔操作によるランプエリア内の車両走行の実証は関西エリアの空港では初の試みとなる。

実証実験に使用された遠隔操作の牽引車TractEasy

今回の実証実験は、オペレーターがエアロプラザ(関西国際空港)にあるPeachオフィスから、パナソニックHDが開発した遠隔管制システム「X-Area Remote」を用いて牽引車TractEasy(長瀬産業所有)を遠隔で操作し、GSE(Ground Support Equipment、航空機地上支援機材の総称で牽引車もGSEのひとつにあたる)置場から飛行機の側までCOMBO(航空機への電力および空調の両方を同時に供給が行える非自走式車両)を運搬したもの。

車両外部にはセンサーが取り付けられている

遠隔操作を行うエアロプラザのPeachのオフィスでは、公衆モバイル回線(4G/5G)を使用してハンドルとペダルを操作して行い、画面に映し出される車両周辺の映像やAIを用いた物体検知情報を確認しながら、ターミナル2のランプエリア内の走行をコントロールする。遠隔操作の車両外部には複数のセンサーが取り付けられており、安全停止する装置も備えられている。

遠隔管制システムを用いて操作を行う

Peachは、「将来的には受託手荷物の搬送に遠隔操作車両を使用することを目標とし、コロナ禍の影響や人口減少に伴う地上作業の人員不足への対応や受託手荷物の搬送および返却までの待ち時間の短縮による顧客サービスの充実を図る」としている。また、EV車両の導入によりオペレーションにおける脱炭素化を実現する。

人手不足への対応や脱炭素化の推進は物流業界全体の最重要課題とも言え、例えば海上コンテナ輸送では、欧州の主要港湾などで港湾ターミナル内のコンテナの移動や輸送を自動で行っている施設が増えている。今回の関空の実証実験だけでなく、こうした空港における作業の自動化や無人化が拡大していくと予測される。

2023年4月18日掲載


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