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安田倉庫がロボットソリューションで生産性向上とサステナブルな物流を構築

安田倉庫は、革新的なロボットソリューションを導入することで、生産性の向上と 作業員とロボットが協働する持続可能な倉庫内オペレーションを構築している。

同社は2021年に「DX事業推進室」を立ち上げ、以降、“物流現場DX”を推進し、労働力不足などの物流課題の解決に向けた自動化ソリューションの積極的な活用に取り組んでいる。これまで、AMR(Autonomous Mobile Robot:自律走行搬送ロボット)、AGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)、次世代型ロボットソーター、無人フォークリフトなどの自動化ソリューションを導入することで物流オペレーションの省人化・省力化を継続的に進めているところ。
今回は同社が実際に倉庫内で導入しているロボットソリューションを紹介しよう。

1.ピッキングアシストAMR
厚木営業所では、ラピュタロボティクスが提供する「ラピュタPA-AMR」を導入。これにより、ピッキング作業における搬送工程の自動化と歩行時間の削減、手ぶらピッキングによる作業スタッフの身体的負担軽減を実現した。
また、ラピュタPA-AMRから得られる物流データを活用して、作業スタッフの生産性を可視化し、分析する持続的な改善活動も行われており、同AMRのパフォーマンスを最大限発揮するレイアウト修正などの施策が行われた結果、作業生産性は導入前と比較して約80%向上しているという。

作業員と協働するピッキングアシストAMR

2.低床型自律走行搬送ロボット
東雲営業所では、立山マシンが提供する「低床型自律走行搬送ロボット」の導入により、重量500kgを超えるカゴ台車の搬送作業を自動化した。
また、ロボット単体の活用だけでなく、RFID(Radio Frequency Identification: 電波を用いてRFタグのデータを非接触で読み書きするシステム)ソリューションを組み合わせて活用することより、トラックヤードへの納品方面別の自動仕分け搬送作業を実現。この結果、作業生産性は約2倍に向上し、さらに方面別仕分け作業によりトラックドライバーが引取り製品を探索する時間を削減できるとしている。

カゴ台車を把持して搬送するロボット

3.次世代型ロボットソーター(t-Sort)
グループの北海安田倉庫は、プラスオートメーションが提供する次世代型ロボッ トソーター「t-Sort」を導入し、迅速かつ正確な仕分け作業を実現している。t-Sortと従来型の固定式ソーターとの併用によって、作業生産性は約2倍に向上した。
また、t-Sortは従来の固定式ソーターと比較して、ロボット台数増減による処理能力の調整や導入後のレイアウト変更・移設が可能である点において高い柔軟性を持ち、省スペース化を実現している。

自動仕分けを行う次世代型ロボットソーター

4.無人フォークリフト
東雲営業所は、ラピュタロボティクスが提供する「ラピュタ自動フォークリフト」の導入で倉庫オペレーションの標準化・平準化・省人化を実現している。
無人フォークリフトの主な作業は定点間搬送であり、上下階へ貨物を搬送する垂直搬送機との自動信号連携を行うことで、出荷時のトラックバースへの貨物搬出や、入荷時のトラックバースから垂直搬送機への搬入の際の無人作業を実現した。
従来人手が必要であった貨物の定点間搬送の自動化によって、人口減少社会における事業継続性の担保のほか、メディカル製品の検査・修理・流通加工など、より付加価値の高い業務に人材をシフトすることでメディカル物流サービスの拡充と顧客へ提供可能なソリューションの強化を図っていくとした。

貨物を搬送する無人フォークリフト

安田倉庫はこうしたロボットソリューション導入により、作業生産性の向上のほか、熟練者に依存することのない作業の標準化を推進していき、省力化によるスタッフの働きやすい職場環境づくりといった持続可能な物流構築を実現している。

2023年11月13日掲載

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