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CMA CGMが仏メディアへの出資を拡大、経営多角化戦略で

仏船社CMA CGMは5月25日、デジタルメディアを運営する仏La Tribuneの株式100%を、同社既存株主のHIMAグループから取得すると発表した。従業員代表団体の協議と必要な規制当局の承認を前提としている。

出典:CMA CGMウェブサイト

定航船社として知られてきたCMAは近年、基幹事業である海運の強化と並行して、各国の物流企業あるいは企業の物流事業部門などを次々と傘下に収めたほか、2021年には航空貨物輸送市場にも参入するなど、物流の多角的展開を加速させてきた。

これに代表される経営“多角化”戦略の一環として今回、メディアLa Tribuneの買収に着手するもの。

La Tribuneは仏/アフリカに17拠点を置き、テクノロジーや気候変動、責任投資(包括的なサステナブル投資戦略)など、経済上での重要問題を主なコンテンツとしている。

CMA CGMではLa Tribuneについて、「すでに完全なるデジタルメディアへと移行しており、ビジネス・金融領域でのオンラインメディアとして最大手といえる。アクセス数は21年から22年にかけて37%増加(865万アクセス)しているなど好調」と説明した。

CMA CGMは昨22年以降、仏のメディアへの出資を拡大してプレゼンス向上を図ってきていた。22年には同国メディアLa ProvenceおよびCorse Matinの2社を買収しているほか、テレビ局のM6グループにも一部出資。さらに、ことし4月にはオンラインメディアのBrutの株主にもなっている。

CMA CGMは「La TribuneのDX(デジタル・トランスフォーメーション)における専門知識や、イベント開催の実績などから、(すでに買収した)La ProvenceおよびCorse Matinに並ぶ存在となるだろう。また、CMA CGMが拠点を置くマルセイユ地域での存在感も高まる」としている。

2023年6月6日掲載

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