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移住に困らない英語力はどのくらい?~英語力が求められる場面トップ5と勉強法~


今回の投稿はニュージーランドにお住まいの加藤さんから寄稿頂いた英語のマナビカタです。

海外赴任や留学に向けて英語を勉強している方も大勢いると思います。そんな方々にとても参考になる記事です。

実際に英語圏に住むとなると、どういった場面で英語力が問われるのか、そしてどんな勉強をすれば生活に困らない英語力が身につくのか。。。私たちの英語の学習とはちょっと視点のことなる、リアルな生活の場面から英語学習について教えていただきました。

是非、参考にしてください。

はじめに

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皆さんこんにちは、ニュージーランド(以下NZと表記します。)在住7年目の加藤海里といいます。この記事では、私が海外移住して気づいた「英語力が求められる場面」についてお伝えしていきます。

日本にいるときに想定していた必要な英語力と、実際に現地で生活していく上で感じたギャップや、日常会話を上達させるための勉強方法などについてもご説明していきますので、ぜひ最後までお読みください。

筆者の経歴&英語歴
・20年近く前に地方の国立大学を卒業後、小学校教師として働く。
・2013年に家族でNZに移住。
・高校在学中に英検2級取得・大学在籍時にTOEFL520点・NZ移住後IELTS overall 6.0 ・2019年にPTE59点を取得(現地の大学入学資格相当)
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NOTEプロフィール
※英語に関する各種お仕事受付可能です。

英語に関しては、中学・高校と得意教科で大学では英語科に進学したものの、留学経験もなければその後は小学校の教師として働いてきました。
そのため、「生きた英語」を活用する機会はNZに引っ越すまでほぼありませんでした。一番最近に取得したスコアから振り返ると、現在の英語力は、現地の大学入学資格相当かと思います。


海外移住のリアル! 英語力が求められる場面トップ5は?

「海外で英語力が求められる場面」について、皆さんどのような場面を想像しますか? みなさんの想定と現実は少し違っているかもしれません。ランキング形式でお伝えしていきます。

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5位 目的がはっきりしているときの会話
ここでいう目的がはっきりしているというのは、病院や学校入学の手続きなどの、「日常生活で必然性がある」場です。来る前はこのような会話が成り立つかを心配していましたが、思っていたよりもこの手の会話は難しくありません。
といいますのも、こちらもある程度相手に聞かれる質問を想定していますし、逆に質問したいことも事前に準備することができるからです。
相手から出てくる単語が自分の語彙になかったとしても、会話の流れからある程度予想することができるため、このケースで困ることはほとんどありませんでした。

4位 初めての相手との会話
初対面の人と話すことは、海外で生活しているとよくあります。日本より人と人との距離が近い分、電車やカフェで出会った人と会話が弾むなんてことは珍しくありません。

初対面の人と話すことは二つの話しやすさがあります。
まず、自分のこと(出身国や職業、なぜ移住したかなど‥)を話すネタがたくさんあるので沈黙になりづらいというよさがあります。もう一つは自分について話すことがなくなっても、相手の状況を質問したりすることができるので会話が発展しやすいのです。

また、初対面の相手ですので、自分のことについて深く語ったり、専門的な話をしたりすることはあまりありません。ですので難しい単語や文法を駆使しなくても会話がつながる点では、あまり難しいものではないのです。

3位 英語が堪能な日本人とネイティブを交えた会話
これは人によるかもしれませんが、英語に自信のないときは特に、自分より英語が話せる日本人の人と一緒だと難しさを感じることが多いのではないかと思います。

その理由として、一つ目は「プライドが邪魔をする」ことが挙げられます。相手が何とも思っていなくても、「この文法間違っているかも… 発音おかしいと思われないかな?」などと感じて英語が出てきづらくなるということが、私の場合よくありました。また、その日本人の方の英語が堪能であればあるほど、会話が盛り上がっているときに、どこで自分が参加すればよいかきっかけがつかめないというのが二つ目の理由です。


2位 予期せぬ相手からの電話
ここからは私が実際に苦労した経験をもつ場面です。想定していない(誰だかわからない)相手からの電話はとても神経がそがれます。なぜかというと、

① 電話の会話はそもそも難しい(声がくぐもるため聞き取りづらい上に、表情やジェスチャーが使えないので頼れる情報が少なく、予想しづらい)
② 誰からの電話かをよく理解しないまま会話が進むと、会話全体を勘違いすることがある。

これらが理由として挙げられると思います。
私の経験を挙げると、ある電気会社からプロモーションの電話を受け取ったことがあったのですが、社名の部分を勘違いしてしまい、別のサービスと思ったまま話し続けたため、全く会話が成立しないことがありました。

1位 ネイティブ同士の雑談
一位は皆さんの予想と同じではないでしょうか。ネイティブ同士の雑談は、早口な上に知らない言葉があふれているため、まず「聞き取ること」が非常に難しいです。特に私の移住したNZでは英語話者の中でもダントツに早口な人が多い上に、若干のなまりやスラングもあるため、パーティなどでは今でも緊張します。なぜ雑談が難しいかというと、

・会話の内容を理解したときには次の話題にうつっていることもある
・周りのテンポに合わせないと、会話を盛り下げてしまう危惧がある(場の空気を重視する日本人には特に難しい)

これら五つのランキングから言えることは、「聞く」量が多くなればなるほど、会話は難しくなるということです。スピーキングと共にリスニング力を鍛えることは会話の上ではとても大切です。

ちなみに、海外移住する際の目安としては、第四位くらいまでの力があれば、日常生活ではそこまで困らないのではないかと思います。最低限のやり取りができるようになっているからです。
しかし、可能であればより上位のレベルまでこなせるようになっていると、移住の心理的ハードルはぐっと下がりますし、友達作りなどもスムーズにできて海外生活を楽しめると思います。

会話が得意になるための対策方法って?

では、今後海外移住予定の人が実践的な英語力を身に着けるにはどのような勉強がよいのか、私のおすすめの学習方法をご紹介していきます。

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1 日常的な語彙を増やす
大学入試まで英語を学習してきた方は、ある程度の語彙があるはずです。しかし、実際に移住してみるとそれらの「受験英語」と、日常で使う英語はイコールではないということを実感しました。

私の経験なのですが、友人と話をしているときにgaze(じっと見つめる)という単語を使ったことがあるのですが、ネイティブの友人には、「その単語はちょっと文語的というか日常では使わないからstareを使った方がいいよ。」とアドバイスをされました。

他にも、「catch up」「hop on」「keen on」など、それぞれの単語は難しくないのに意味がわからないという言葉に最初のうちはよく出会いました。ですので語彙を増やす際には、「日常会話」で出てくる言葉に特化した単語帳を活用しましょう。

私のおすすめの単語帳は、YoutuberでもあるAtsuさんが執筆されたDistinctionⅠという単語帳です。
日常で使われる単語がバランスよく網羅されている上に、発音や暗記方法などについても学ぶことができます。いろいろなシリーズが出ていますので、レベルや目的に沿ったものを活用されるとよいでしょう。

駐在など仕事で英語を使う予定の人は、専門的な語彙が必要とされます。現在はネットでTEDやYoutubeを聞いたりすることもできますし、専門的な洋書を購入することもできますので、専門的な語彙を増やしていきましょう。

2 オンラインレッスンでインタラクティブな英語に慣れる
オンラインレッスンで英会話のやり取りに慣れるということもとても大切です。「聞く」と「話す」双方向のコミュニケーションに事前に慣れておけば、海外に出た時に対面で話すときのハードルはぐっと下がります。

気を付けていただきたいのが、発音もできるだけ意識して会話してみましょう。「単語は知っているのに、正しく発音ができないために意味が通じない」という事態を避けられます。

よく、「発音は気にしなくて大丈夫」という人もいますが、海外に出る場合は逆です。正しく発音ができることで会話が成立し、英語で話すことに自信をもつことにつながるので、できるだけ意識してみましょう。

3 独り言英会話
これは、特別な道具がなくても今すぐ今日からできる練習方法です。一人の時間のときに、英語でつぶやく癖をつくってみましょう。できれば声に出すことが発音も意識できるのでベストではありますが、出さなくても効果はあります。この方法のよい点は二つあります。

① 英語で話すことで、文法・単語共に自分が苦手なものを把握することができる。
② 使えるフレーズを増やし、発話の瞬発力を上げることができる。

実際に私は中学校の時にオーストラリアに行ってホームスティをしたことがあるのですが、帰国後もしばらく英語で話す癖が抜けず、脳内で独り言会話を続けていました。

頭の柔軟な時期にこの訓練をしたことで、英語で考えて話す英語脳の基礎ができたと思います。この訓練を行うことで、いちいち頭の中で文を作らなくても、日本語のときと同じように構文がさっと出てくるようになります。

最後に

いかがでしたでしょうか。実際に移住すると意外な場面で英語に困ることも多いでんです。でも、あらかじめ勉強しておけば、より良い海外生活、英語生活をスタートできるはずです!
何事も、「もっとあのとき、ああしておけば‥」と後悔することは簡単です。けれど、よく例えられるように英語は筋トレと同じで、毎日続けていけば必ず効果が出ます。今日からでも、少しずつ一緒に取り組んでみませんか。これから英語を勉強するひとも、海外移住や赴任がきまっている人も、私の経験が少しでも参考にされば嬉しいです。

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