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#7 「伝えたい」は緊張する

先日、とある仕事をしたときに、若手の男性が

「学生のときは緊張しなかったけど、社会人になって人前で話すのが緊張する」

という話しをしていました。

その男性と周りのひとの会話を聞きながら、自分も人前で話しをするときに緊張するときとしないとき、両方あるなと思いました。

人前で話すときに緊張しないようにするために、

事前準備をしっかりする、練習する、とか

大勢の前の場合は、うなづきながら良く聞いてくれる人を見つけて、その人をターゲットに話せ、とか

いろいろ対策らしいものはあります。聴衆をイモだかカボチャだかに見立てろとかもそうですね。

ですが、入念に対策をすれば緊張しないかと言われるとそうでもない。いや、むしろ入念に練習すればするほど本番で緊張してしまったこともあります。

ただ、私自身は、緊張しながらも人前で話すことが嫌いではないので、「なぜだろう」と思いつつも、深く考えるほど悩んではいませんでした。


しかし最近になって、「伝えたい」と思うから緊張するのかな・・と思うようになりました。

気づくきっかけは、図らずもこのnoteで雑感を書き始めたこと。


私はこのnote以外に、自分のブログ、スタジオのサイト、会社のサイトで、サイトに合わせたテーマで記事を書いています。自分のブログは、テーマというほどのものはない雑記ブログですが、自分が困ったことや悩んだことなど、その解決方法も含めて書いてます。

2年くらい細々と継続していますが、記事を書くのがどうも慣れない、というか、書きあがった文章を見て「伝えたいことはこういうことじゃないのに・・」と思うことが何度もあります。


それに比べると、先週から始めたこのnoteだと、なんだかスムーズに書ける。

その違いは、結局、自分のサイトで書いている文章は「伝えたい」という気持ちが強すぎて、「文章が緊張している」状態なのかもしれません。

実際、このnoteは、「ちゃんと書こう」というよりは、自分が思っていることをストレートに書こうという意識でやっています。


人前で話すことに話を戻すと、大勢の前で何かを話すときに限らず、たとえば、スタジオに初めて体験に来るお客さんとのやりとりでも、緊張するときとしないときがあります。

緊張するときは、お客さんから予約をいただく段階のやりとりがメールの場合で、そのメールに事細かにお客さんの現状の悩みが書いてあるときです。

つまり、その悩みになんとか応えたい、ちゃんと伝わるだろうか・・と考えれば考えるほど不安になりレッスン前は緊張してしまいます。

予約段階で名前と連絡先しか知らないお客さんは、レッスン中の対話の中でお客さんのリクエストを探るしかないですし、予約が電話の場合はある程度、人柄というか、「一度話をしている」安心感が伴うので、事前に緊張することはありません。


私は基本的に何でも「ちゃんとしたい」という気持ちがベースにあるので(あくまで私基準の「ちゃんと」ですが)、やること為すこと何でも構えがちです。それがかえって堅苦しさを招いたり、自分で自分を緊張に追い込んだりしているんだということをなんとなく自覚してきて、最近は肩の力を抜くようにしています。

一言でいえば、「ええかっこしい」。

私みたいなタイプは「伝えたい」という気持ちは潔く捨てて、「まず、伝える、届ける」くらいな気持ちでいいんじゃないかな、と思っています。相手の反応は最初から考えない。


母国語同士の会話って、絶対通じると思いがちですけど実際はそうじゃないんですよね。独立して特に感じるのは、話が通じる・通じないは、話し手と受け手のそれまで触れてきた価値観や環境に依る場合もあるし、お互いにその違いを理解できないと伝わらないことも多い。会社員のときは、きっと環境も価値観も、それなりに合うひとの中で仕事ができていたのだと思います。

結局のところ「類は友を呼ぶ」ってやつですね。


もし気に入っていただけましたら、次回の更新もぜひ楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。