試合:セルフトークはポジティブなほうが良いのか?(第45号2023/11/5)

こんにちは。インストラクターChiakiです。
今回のテーマは試合中のセルフトークについてです。

試合や本番中に自分自身に話しかけている選手がどれくらいいるのか明確にはわかりませんが、対戦相手のいる試合形式の競技だけでなく、試技や演技を伴う競技の選手たちも、自分に対してなにかしらの言葉を頭のなかで発しているのではないかなと想像しています。

かんたんなところでは、たとえば「次、がんばれ」「まだいける」「あきらめるな」とか。
意識的であれ、無意識であれ、試合中に何も考えていないということはないでしょうから、きっと自分を励ますような言葉を心のなかで言っていると思います。

では、その言葉は、ポジティブであったほうがよいのでしょうか?それともネガティブでもよいのでしょうか?

テニスの試合中のセルフトークを研究している論文をいくつか確認したところ、ポジティブ・ネガティブどちらのタイプもあるという結果だったようです。

テニスの試合でのポジティブトークはたとえば
「このままのペースで1ポイントずつ集中」
「多くの観客の前でプレーできるなんてうれしい」
「調子の悪いところは他で補えばいい、やる気を出せ」
という感じで、一方のネガティブトークでは
「みっともないプレーをして下手だと思われたらいやだな」
「なにをやっても裏目に出てしまう、ついていない」
「どこが悪いのか、どうしたらいいのかわからない」
という感じの内容で、それぞれ多数上げられていました。
なんとなく、ポジティブ・ネガティブの違いはわかりますよね。

もう少し細かく見ていくと、別の論文では、ポジティブトークを多く使っていた選手でも、割合としては負けてしまうケースが7割くらいの選手にあった、という結果もあるようです。

と、聞くと、試合中のセルフトークはポジティブだとかえって空回りしてしまうのでは・・と推測してしまいがちですが、さらに別の論文での考察では、結論として「セルフトークまで含めて準備できていたかどうか」が勝敗のカギというような示唆がありました。
つまり、トークのポジ・ネガの内容というより、試合中のシミュレーション、ピンチの場面で自分にどういう励ましを向けるのか?そこまで含めて準備をしておくことが大切のようです。

たしかに、イメージトレーニングというと試合の流れや身体の動き、動作をイメージする、ということで終わってしまうことが多いかもしれません。
不利な場面を想像して、そのときの自分へかける言葉、その言葉によってどうやって気持ちを切り替えたり、一旦落ち着きを取り戻したりすればよいか?
そこまで考えられると、より、自信をもって本番に臨めそうですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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