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書籍の薦め方アンチパターン3選

はじめに

読書好きの方なら誰しも、好きな本に出会った時に周囲の友人や家族、同僚、後輩に薦めたくなるのではないでしょうか。
その際、経験上あまり効果を発揮しなかった薦めた方3つを紹介します。
最後に、これらを踏まえてオススメの方法を紹介します。

1. 無理強いをしない

行動を他人に薦めることはできますが、薦められた人が行動するか否かはその人次第。
無理強いしたところで学びになりづらく、反発に繋がります。

子どもの頃、親や周囲の大人から「◯◯しなさい」と言われたことは、どうしても反発したくなっていたはずです。
勉強も、周りから強制された科目は学ぶ気が起きず頭にも入らず、しかし自分で興味を持った分野は時間を忘れて勉強に没頭することがあった方も多いはず。

アドラー心理学解説のベストセラー"嫌われる勇気"でも、以下の通り語られています。

哲人 勉強することは子どもの課題です。そこに対して親が「勉強しなさい」と命じるのは、他者の課題に対して、いわば土足で踏み込むような行為です。これでは衝突を避けることはできないでしょう。われわれは「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを分離していく必要があるのです。

https://diamond.jp/articles/-/226815

ですので、強制的に読ませるのはあまりオススメをしません。

2. やたらとプレゼントしない

「オススメの本だから!」と言って、やたらと本を買ってプレゼントするのも、有効に働かないケースが多いです。

理由は簡単で、身銭を切っておらずありがたみを感じづらいためです。
例えば、自ら稼いだお金の使いみちは1円単位で切り詰めるのに、会社の経費や街中の公共物は、個人差はあるにせよある程度ぞんざいになる方が多いはずです。

そのためプレゼントとしてもらった本は、経験上読まれずに積まれることが多いです。
プレゼントした人が強く尊敬されている場合は効果的かもしれませんが、そういったケースは稀だと思うので、再現性に欠けます。
プレゼントが一概にダメというわけではないですが、自ら身銭を切って読書をする仲間を増やすためにも、あまり本を配りすぎるのもオススメしません。

3. 相手のニーズを無視しない

自分の中で「これは名著!」と言えるほどの本に出会うと、ついついやってしまいがちなのがコレ。
相手のニーズや抱える課題感、知識や経験量を無視して、自分の物差しで測った本を紹介してしまうケースです。

実際私のケースだと、新卒1年目に"7つの習慣"を薦められた記憶があります。当時は読書習慣が無く活字慣れしておらず、1年目だと社会経験もまともに積んでいない状態。
読破はしましたが当時は何も得ることができませんでした。
しかし社会人5〜6年目に"7つの習慣"を再度読んだところ、当時とは比べ物にならない学びを得ることができました。

例えば、あなたが腹痛の時に胃腸薬が効いたからといって、頭痛で悩む病人に症状を聞かずに胃腸薬を薦めても効き目は無いでしょう。
ですので、本を薦めた相手が少なくともその分野に興味があるのか、読書慣れ度合いや知識・経験に対してあまりにも難解すぎないかは、頭の片隅に置いておいた方が良いです。

ベストマッチの推薦しかしてはいけないことは全然無いですが、あまりにもミスマッチな推薦ばかりしていると、相手からもありがた迷惑に感じられてしまうかもしれません。

終わりに

じゃあ結論どうすれば良いのか?で言うと、2つ紹介しておきます。

まず、そもそも読書習慣が無い相手に対して。
これは天の岩戸作戦の如く、無理に引っ張り込むのではなく、読書によってこんな知識を得た、学びによってメリットがあったということを喧伝すると良いかと思います。
時間と根気が必要ですが、それを支えてくれる仲間が周囲にいると、なお良いでしょう。

次に、読書に少し興味を持っている、あるいは読書習慣のある相手に対して。
これはアンチパターン3点目で書いたようにニーズに沿って、相手のことを想って対話をすると良いのではないでしょうか。
最近読んだ本を薦めるにしても、「こういう学びがあった」「これはこの観点からもあなたに合うと思う」という、相手側に立ったメリットを提示すると良いかと思います。

以上です。
いろいろ書きましたがあまり難しく考えず、相手側に立って対話できれば気にすることは無いでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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