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早朝の歌舞伎町

たまたま早朝の新宿に放り出されたので
始発まで一服できる場所がないかと探す。

まあこのご時世なので期待はしなかった。
時間潰しをするだけなので散歩でもいい。
そんな気持ちでふらふら繁華街へ向かう。

人影は疎らではあるが早朝とは思えない。
とは言え流石に営業している店舗はない。

営業していそうな店店も近づいてみると
どこも店仕舞いをしている様子が伺える。

某感染症対策を差し引いても時間が悪い。

店前で群を成す人々の多いこと多いこと。
どこへも流れ着くことのない人々が溜る。

全員が律儀に正しくマスク着用している。
そういう理性が逆に薄気味悪く思える程
時代に取り残された朝が新宿にはあった。

静かに静かに営業している喫茶店で休む。
しかし脳内の至るところに罪悪感が残る。
凶悪犯罪でもしているような心地に沈む。

いつまでも明けない夜に出会った朝の話、
空は厚い雲に覆われて沈んだ社会を描く。

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