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ChillTime☆私の英会話力とパートナー

はじめに
 チル(くつろぐ、落ち着く、まったりする)なエッセイを始めました。
 いつもはおめかししている文章なのですが、こちらは普段着のようなものです。毎週金曜日に投稿しているエッセイとは別に、不定期でときどきやわらかいストーリーを上げます。併せてコメント欄もオープンにしています。
 どうぞよろしくお願いいたします。

私のパートナーはオーストラリア人です。

彼はほとんど日本語ができないので、2人の会話は常に英語です。出会ってから今年で15年目になるでしょうか。

と、ここまで聞くと私は英会話が流暢だと思われる方が多いかと思いますが、とんでもないことです。

私も皆さんと同じで、義務教育で3年間、高校で3年間、そして予備校で1年間、合計7年間も学校で英語教育を受けました。ちょっと特別なことと言えば、これまで勤めた職場は、インターンシッププログラムの学生を受け入れることもあったし、同僚らも外国人が多くて社内公用語が英語という職場もありました。

ところがです、私の英会話力はとてつもなく低いんです。よくやってこられたと思います。

英語の上達方法に英会話のできる彼氏彼女を作ることと言う人がいますが、100%肯定できません。お付き合い相手になってしまうと、話し癖とか、アクセント、イントネーションとかを察してくれてしまうので、私の英会話力は伸びなくなってしまいました。

One to One(1対1)のリスニングとスピーキングなら、まだ何とかなりますが、English speakerの数が増えれば増えるほど、私は借りてきた猫のようにおとなしくなります。

要因として、私はなかなか英単熟語が憶えられないので、いちじるしく語彙力が低いせいでもあります。その少ない語彙力を駆使して、どのタイミングで会話の中に入ればいいのかわからなくなるので、自ずと無口になります。みんなの会話のテンポを失速させてしまっては申し訳なく、空気を推し量るということが禍(わざわい)してしまう典型的な日本人です。

一方、日本語を使う場とあれば、どちらかと言うと弁が立つ方だと思います。大勢の前でのプレゼンテーションも、顔の見えない電話のやり取りでも、難なく話せます。議論の場でも、臆することなく自分の意見は言える方です。むしろ、言い過ぎて、やり込めて、会社のエライ人を怒らせることもあるくらいです。

ではなぜパートナーと15年も続いているのか(補足ですが、当然のこと言葉が通じ合っている者同士では珍しくない年数です。我々はさほど言葉が通じてないのに、この年数も保っているという驚きがあります)。

それは、私が〈余計なことを言わない〉からだと思うのです。いや、言い方を変えると、〈余計なことが言えない〉のです。

言えないのは、先述したように私の英会話力が未熟過ぎるからなのですが、私のパートナーはこれを〈好都合〉と考えているようです。

とはいえ、私には言いたいことが山ほどあります。将来の墓のこと、故障ばかりする車のこと...。日本語ならぺらぺらと言えるのに、英語だと途端にスローになってしまうのです。私が英会話を努力しているのに、パートナーが日本語を憶えようとしないことにも腹が立つので、「なぜ、あなたが日本語を憶えた方がいいか」を伝えたいけど、説得することができないのです。

結果、疲れます。

ところが、パートナーが、英語をまったく話せない私の母と話をするとき、彼が知っている日本語を一所懸命駆使して話しているのを見ました。十分な日本語ではないにせよ、「あれ?!話せるじゃない!」と思うのと同時に、私の母への思い遣りを感じました。

どうして私と日本語を話さないのか、彼は私といるときは、〈リラックスしたい〉のだとわかったのです。

初めて出会った日は、外国人が大勢いる飲み会で、私のパートナーはその中でもよくしゃべっている人という印象であり、いつもどおり私はおとなしく酎ハイをすすっていただけです。ところが、2回目の飲み会で、他にも英会話がスムースな女の子はたくさんいたのに、彼から連絡先を訊いてきてくれたことに驚きました。

そこから15年、2人で過ごすとき、ほとんど話しているのは私です。特に同意を求めるでもなく、練習がてら話しているといった手合いなので、彼はよく聴くこともあれば聴いてくれないこともあります。私もどうしても聴いて欲しいというわけでもありません。

そういう時間を過ごしていてますますわかってきたことですが、私のパートナーは外ではとても気を使う人なので、彼が私に求めているのは〈くつろぎ〉、あるいは〈やすらぎ〉なのだろうということです。

これは恋人間、夫婦間には、重要なことなのかもしれません。

聞いたことはありませんか?イギリスの神学者トーマス・フラーの言葉なのですが、

結婚前には両目を大きく開いて見よ。結婚してからは片目を閉じよ。

結婚する前は両目を開けて、相手を良く見極めなさいということです。恋する2人は、本来嫌なことさえ目に入らず、何もかも愛おしく感じてしまうほど燃え上がっているので、少し冷静になって相手との相性をよく見ましょうというのです。

一方、結婚したら片目を閉じよとは、相手に欠点があったとしても、少々のことは目をつぶってあげなさいということです。結婚に限らず、一緒に暮らすということは、結局は今までの生活環境や生活リズムの異なる他人同士が同じリズムで生活しようとするわけですから、いろんな不満やイヤなことが起きるでしょう。しかし、それをいちいち言い出したらキリがなく、長続きなどしませんよということです。

私のパートナーはよく働く人です。といっても、がつがつと出世を求めて、寝る間を惜しんで働いているわけではありません。ずる休みをせず、文句を言わず、同じ仕事を何年も続けられる根気強い人です。洋服や装飾物などのファッションに関心がなく、趣味はフィッシングとBBQ(笑)くらいです。私たちはスキューバダイビングのライセンスを持っているので、以前は一緒に潜りにも行きましたが、収入と支出のバランスを考えるようになった彼の趣味からは外れたようです。

私は、自分の父とは正反対の相手を求めていたので、こつこつと仕事を続けられること、身の丈に合ったお金の使い方ができる堅実さというのは、十分な条件でした。

パートナーの気に食わないところはいろいろとあるものの、もう見ないことにしています。
将来のことを考えると、ビザのことや保険のこと、万が一どちらかが大病を患ったときなど、もろもろの問題に備えて、パートナーにも日本語を学んでもらいたいのですが、彼も暗記が得意ではないので、あまり強く言っていません。

相手にぶつぶつと文句を言うくらいなら、まずは自分からやっていこうと考えをあらため、現在も時間があれば〈DUO3.0(本当に実践で使える英単語集といわれています)〉を使ってリスニングと復唱にいそしみ、IELTS対策に臨んでいます。

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↑私のホンモノの私物です笑。

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