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旅の回顧録☆おサルさんに気をつけて!

今日はゆる〜いお話です。

バックパック1個での旅では圧倒的にインドが興味深いので、実際は台湾から始まったのだけど、このお話から先にします。

私が訪れたのは2000年5月のインド。カルカッタ(コルカタ)から夜行列車でやって来た、ガンジス河のほとりの土地バラナシ(ヴァーラーナシー)は世界中からバックパッカーがやってくる聖地と言われていて、安いゲストハウスがひしめいています。

私が着いたのは早朝でした。

宿泊するのは、沖縄から台湾行きの客船で出会ったSちゃんに教えてもらったゲストハウス。彼女はインド旅を経験済みで、そのゲストハウスの宿主への手紙を預かっていたので、行かねばならないミッションもありました。こうなると、私は自分がサバイバルゲームの戦闘員になっているような気持ちになっていました笑。

これが何と、1泊約600円です!インドルピーでいくらだったか忘れたのですが、その数字だけは憶えています。ところが、これを安いと思ったらまだまだ上がありましたよ。またおいおいお話していきますね。

ここに荷物を置いて、すぐにガンジス河周辺を散策し、ボートにも乗りました。火葬場では人が焼かれ、遺灰はガンジス河に流されているようでした(今日は〈死〉に関することには言及しません)。

食事は、日本人からしたらどこまでもカレーだらけだけど、タフな胃腸で、スパイスの好きな私には、観光客のいないローカルフードの店は驚くほど安くて楽しさしかありませんでした。主にターリーと言われる、日本でも見られる銀のおぼん1枚に、ダールという豆のカレーとごはん、あるいはチャパティというパンとピクルスが乗っているセットを食べていました。確かローカル価格で50~100円くらいだったような、これなら予算30万円の旅でも行けそうではありませんか?

ベッドはそんなふかふかじゃない、せんべい布団のようなマットレスが敷かれていたけど、まずまず不潔ではなさそうでしたよ笑。

ただ、いかんせん暑い。日中はもちろんだけど、夜中も暑い。あるのはゆるーく回る扇風機だけ。私は窓を放って網戸だけにし、ゲストハウス周辺でみつけた古本屋で遠藤周作の深い河を手に入れ、とにかく暑かったので、午後は部屋でごろ寝してそれを読んでいたのですが、唐突に野生のサルが網戸を開け、部屋に置いていたバナナもオレンジも持って行ってしまいました怖。

宿主から注意するよう言われていたけど、まさか、まさかの出来事でした。驚いたし、怖かったので、その夜は窓を閉めて寝ました。

ところが、今度はお察しのとおり暑い。飲み水はどこでもミネラルウォーターが売っているので大量に買い込んでいましたが、ごくごく飲んでも暑さはしのげない。

そこで私がしたのは、服を着たままシャワーを浴びることでした。頭からびしゃびしゃに浴びて、また横になりました。

でも、これがすぐ乾いてしまうんです。熱中症になるんじゃないか?イヤな予感がしました。明日もここに泊まるのはムリだな。

宿主にSちゃんからの手紙を渡すミッションもクリアしたし、明日は、ここより涼しいと言われているサルナート(サーナス)へ移動することにしました。実はSちゃんからもう1通手紙を預かっていて、サルナートのあるお坊さんにも渡して欲しいということだったのです。

サルナート行きのバス停で待っていると、道ばたでキュウリを売っている青年をみつけました。ここはミネラルウォーターの方が値段が高いので、喉を潤すのにインド人はキュウリをかじるのです。これはいい!

私も早速いただきましたが、今までの人生で、1番美味しいキュウリだったのじゃないかというほど、瑞々しく、爽やかに喉を潤してくれました。

さて、バスに揺られてサルナートへ着きました。ここはお釈迦様が、初めて説法をした土地として知られています。そのためか、あらゆる国の仏教寺院が建っているので、観光としてもみどころです。

日本の寺院は日本らしく、ミャンマーの寺院はミャンマーらしく、でも私のミッションはタイの寺院のお坊さんにお手紙を渡すことでした。

実は、あいにくそのお坊さんはタイに出かけていて、代わりに対応してくださったお坊さんが、金はいらないから寺に泊まりなさいと言う。女性が1人でゲストハウスに寝泊りするのは怖くないですか、と言ってくれたのです。

しかも、食事までついているのです。当然ながら、インドでの仏教寺院は厳格で、肉類は一切ありません。それでもまったくよかった、私はお言葉に甘えました。

そこにはサルはおらず、ベッドは簡易的ではあったものの、毎日よく眠れました。

もちろん、お礼に寺や庭の掃除をし、お坊さんたちと一緒にお釈迦様の像にてのひらを合わせ、生きていることへの感謝をしました。

ときどき夜は外で涼みながら、西ベンガル州ダージリン県出身のお坊さんの実家のお話を聞いたり、仏教の輪廻転生についてのお話も聴きました。ダージリンではお茶だけでなく、ワインも作っているのだそうです。

まるで、私は浦島太郎のようでした。一体、何日間いたでしょうか。

私はあまり長居をしてはいけないと考え、お布施としていくらかのお金を置いて、ネパールへ向かうことにしました。

お坊さんたちは気をつけてね、と温かく見送ってくれました。

さて、インドの興味深いお話はまだありますが、長くなったので、また後日。

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