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≪イベントレポート≫4/18 SUN. 公開対話 Vol.4

We are Buddies代表の加藤愛梨です。1月からスタートしたこの企画ですが、もうあっという間に、第4回!今日のゲストのひとりは、We are Buddies 保護者チームの1人であり、ダウン症がある長男ニコくんを育てるシングルマザー都議会議員としても大活躍中の、龍円あいりさんです。国や東京都の政策なども色々見て来られている中で、実際に参加してみて感じることもお話してくださり、とても色濃い時間となりました。

ゲストご紹介

まずは、バディの平塚雅人さん。30代男性です。人と自然の織りなす豊かさを、都内の直売所でお届けしています。農家と消費者、農地と消費者を繋ぐ活動をライフワークにされています。

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1977年生まれ、44歳 スウェーデン・ウプサラ市出身 ダウン症がある長男(7歳)のシングルマザーであり都議会議員の、龍円あいりさん!

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スペシャルニーズがあるお子さん×バディ

We are Buddiesは、専門家の集団ではありません。なので、スペシャルニーズがあるお子さん当事者よりも、そのご兄弟にご参加いただくことが多いです。ただ、線引きは難しいという中で、We are Buddiesとして、はじめて受け入れたスペシャルニーズがあるお子さんが、ニコくんでした。それ以降、発達障がいの特徴をもったお子さんにお参加いただく機会も出てきて、ニコくんと龍円さんのおかげで、We are Buddiesに参加いただけるお子さんの幅が広がりました

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まさとさんとニコくんのバディは、半年ほど前に始まりました。えいっ!と流れにのってスタートしたところがありましたが、まさとさんは、スペシャルニーズのあるお子さんはもちろん、子どもとのかかわりもあまり経験がありませんでした。バディとして、保護者として、不安も大きかったんじゃないかなぁと想像していましたが、改めて聞いてみました。

「気負い」がまったくなかった、まさとさん

「ニコを誰かに預けると言うことに関しての心配はほとんどなかったのですが、スペシャルニーズがある子どもと関わりたいという大人って、本当にいるのかな?いるとしたら、どんな人なんだろう?と、想像ができない部分が多かったです。」と、龍円さん。たしかに、そうですよね。一方でまさとさんは、「自分が子どもっぽいからですかね?あんまり不安とかはなかったです。スペシャルニーズがあるニコくんは、どんな風に世界を見ているんだろう?と、好奇心がすごくありました。どうなるかわからない部分もありましたが、飛び込んでみよう!という気持ちでした。」とのこと。

そんなまさとさんと最初にあったときの印象を聞いてみました。「ニコが小学校に入学するときも、ダウン症の子が入学するとなったら、先生たちもすごくオロオロされていて。ダウン症のお子さんと、どう接すればいいんですか?!というような感じで。でも、まさとさんは、いい意味で、そういう気負いのようなものが何もなくて。(笑)まさとさんが、何も考えないできました~、という雰囲気で来てくれて、とてもありがたかったです。」

それぞれの目に映る世界を、紹介していく

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そんな出会いでしたが、まさとさんとニコくんがどんな風に遊んでるかを、まさとさんに聞いてみました。「公園で、バドミントンとかをやってます!自分は体育会系なところがあるので、バドミントン=勝負ごとと思っていたところがあったけど、ニコくんにとっては、そんなものはまったくどうでもよくて(笑)、ラケットと羽で、どんどん新しい遊びを作って行けちゃうんです。遊びって、こんな感じでいいんだな、と思うようになりました。自分の中にある既成概念が、覆されていきました。」

「あと、木登りもしたよね!」と、龍円さん。「木登りなんて、自分はできないのですが、まさとさんが木登りする姿をみてから、ニコも木登りが大好きになって。木=登るものという認識になっています。まさとさんと出会ったことで、ニコの遊びの範囲が広がりました。」まさとさんとニコくんは、それぞれの目に映る世界を紹介し合いながら、多角的に世界をみるようになっていっているんだなぁ。お話を聞いていて、そんな風に感じました。

何者でもない、ただのお友達

ニコくんの保護者としてニコくんとまさとさんの様子をみていて、どんな風に感じられているのでしょうか、龍円さんにきいてみます。

「ニコの周りには、療育の先生・教育学校の先生やスタッフ・ベビーシッターさんなど大人がたくさんいます。ただ、皆さんは、ニコのために『何かをしてあげる人』なんですよね。まさとさんは、何かしてあげなきゃいけないというものが何もない人なので、だからこそフラットに関わってくれていて。ニコにお友達ができたなぁという感じ。だからニコはまさとさんのことが大好きなんだと思います。そんなお友達と関係性をつくる中でニコが成長していく様子をみるのが、とても嬉しいです。」

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We are Buddiesは、インクルーシブ?!

素敵なお話ばかりでずっと聞いていたくなりました。せっかくなので、都議会議員としてインクルーシブ社会の実現のために活動されている龍円さんからみて、この活動がどういうものに見えるのか、少し俯瞰的に見てどう感じるかを聞いてみました。

「私はインクルーシブな社会になってほしいと思って政治に携わっています。インクルーシブな社会は、みんなが、自分もみんなの仲間だよ~と思える社会だと思うんですね。そのためには、子ども時代から変える必要があると考えて、障がいのある子もない子もみんなが一緒に楽しく遊べるインクルーシブ公園というものを世田谷区の砧公園内につくりました。そういう公園が都内各地・全国に広がりつつあります。遊びながら『みんなが仲間になること』について自然と学んでもらえたらいいなと思っています。学校ではインクルーシブ教育を進めています。それから都営地下鉄には子連れでも安心して移動できるように『子育て応援スペース』のある車両を作りました。『誰かが参加できない』という環境を、一つ一つ『誰でも参加できる』に変えていきたいと思っています。」

そんな中で、We are Buddiesはどう見えているのでしょうか?
We are Buddiesはとてもインクルーシブな取り組みだなぁと思いました。子どもと関わりが少ない世代の皆さんにも、子どものいる世界に関わってもらえると思うんです。日本だと、高校卒業から自分が親になるまでの間くらいに『あまり子どもと関わりがない』期間を経験する人が多いと思うんですよね。私もそうでしたが。日本って、子どものいる人たちと、子どもが周りにいない人たちとの間に、見えない分断があるような気がしているんですよね。そこをWe are Buddiesがつなぐことで、双方にとって良いことだらけだし、なんといっても子どもたちにとって素敵な変化が生まれるはずです。私自身、子どもの頃、親より若いお姉さんやお兄さんたちと遊んでもらうことがとても楽しくて、キラキラとした嬉しい記憶になっています。子どもの成長にとっても最高に良い経験になると思います。」

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We are Buddiesの活動を始めて、子育て世帯とそうでない世帯の分断を目にすることが増えました。一方で、この活動が、その分断をなくしていくための活動にもなっている実感があります。龍円さんからも、それに近しいコメントをいただきました。「それから子育てって、自分が親になるまでどんなものなのか私は全く想像がつかなかったんですよね。だから子育てしたいという気持ちもあまりなくて、高齢出産となる35歳を過ぎてからようやく親になってみたいと考えるようになりました。もしも私にバディとして子どもと遊ぶ機会が日常的にあったりしたら、若い時からもっと子どもたちに関わる活動に参加したり、親になることにポジティブな気持ちを持ったかもなと思います。We are Buddiesは『子ども』たちが、もっともっと社会の仲間になれる素敵な取り組みだと思います。」

おわりに

幅広い視点から、素敵なお話をたくさん伺えました。本当にありがとうございましたー!!ご参加いただいた方も、ありがとうございました^^

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