ハイコミッション保険営業は実質マルチ

以前P社からヘッドハンティングという名目で勧誘を受けた際に聞いたビジネスモデルについて書いてみます。どの程度書いていいことなのかわかりませんが、秘密保持誓約書も書いてないですし、あくまでも口頭のやり取りを自分なりに記憶ベースで書き起こしただけなので問題ないと思います。
なお個人的な好き嫌いで保険に入ることに否定的に見えるように書いてしまっていますが、保険商品自体はリスクとリターンは見合ったものなので、ご自身の判断で保険に加入することを否定する意図はありません。


ことのはじまり

ある日知らない人から電話がかかってきました。どうも自分を優秀な人と誰かに聞いたのでぜひヘッドハンティングしたいとのことでした。自分もこんな記事を書いている末端Noteユーザーかつ底辺サラリーマンなので、自分を優秀?聞いた時点で胡散臭さ全開です。ただ、それでも1mmうれしかったのと当時働いていた会社の業績がイマイチだったのでノコノコ話を聞きに行ってみました。場所は南北線の四字熟語の地名の駅でした。

勧誘の内容

話はだいぶ前のことだったので内容は正直覚えてませんが、とりあえず某有名ラグビーチームのキャプテンだった人が相手でした。営業チームのリーダーみたいな立場だということです。
・あなたは優秀だけどそれに見合った給料はもらえていない。
・うちに来れば頑張りに応じて青天井で報酬がもらえる。
・営業目標を達成すれば余った時間は自分の余暇として使える。
みたいな感じでした。あと、保険入って良かった!生涯のサポート役になれます的な感動ムービーも見せられましたが、特に心は動きませんでした。

一人前にやっていくレベルの顧客数は?

説明してくれた人に聞いてみました。個人の契約だとだいたい400人くらいが目安らしいです。法人の顧客がGETできればもう少し少なくていいらしいですが、400人を2年間でというと1年で200人で1週間4人の契約?そんなの末端Noteユーザーの人間力(当時はNoteありませんでしたが)では到底不可能に思えたのでここで完全に心が折れてました。ただ、ビジネスモデルをもう少し聞いてみたかったので折れた心は隠して話を掘り下げてみました。

衝撃の報酬体系

個人顧客が400人程度いれば年収二千万は固いとのことでした。自分は理系なのですかさず脳内の計算機を起動しました。チーン!
一人当たり年間5万円の収入?保険ってそんなに手数料入るんだっけ?そう思った自分はもう少し掘り下げて聞いてみましたが、どうも400人から5万円ずつで2000万ではありませんでした。そもそも働き始めて即400人の顧客がいるわけではないですから当然ですね。なんと保険契約した場合、2年間はその個人顧客が払った保険料のうち50パーセントが保険営業員の手数料として給料になるとのことでした。ちなみに自分は同時期に同社の保険営業を受けており、だいたい月額6万円の保険をゴリ押しされていました。入ってくれた人の年収によりますけど。自分が契約したら年間36万ゲットだぜ!ってなるならゴリゴリするのも当然だろうな~。
ここでまた自分の脳内計算機が警告を発しました。え?じゃあ2年後ってどうしたらいいの?説明してくれた人が言うには「新しく紹介してもらう人とかその人の家庭状況が変わったことで商品の入れ替えとかするので収入は維持できる」とのことでした。だからって数千万の収入維持できるとは思わないけど....。

ネットの噂を調べてみる

考えをまとめてまた来週話しましょう的なことになったので家に帰って即ネットの噂を調べました。すると以下のような口コミが....
・入社したらとりあえず電話帳の中にある電話番号全てにかけさせられる
・営業目標達成できなかったら所長に別室で長時間詰められる
まあよくある話ですね。とりあえず自分は末端Noteユーザーなので上記のような状況になることが容易に想像つきました。

ビジネスモデルについて話をまとめる

基本的には新規顧客を取り続けるか法人契約を取ることが収入を得る唯一の方法になります。そこで好成績を上げると営業リーダーとか所長になることができるようですが、そこでは新規で営業員を雇ってハイコミッション労働させる必要があります。それ考えると最初の2年の保険料って8割くらいが社員報酬になってるのでは....?なんか話がマルチの一般会員と上級会員みたいな構造になっていることが見て取れます。実際自分もヘッドハンティングを断る際に「知り合い30人紹介して」って言われましたし。
※断りました。

キャリアパスについて話をまとめる

瞬間風速ではもうかりますが、永久に新規顧客を得ることはほとんどの人にはできません。なので自分が想像するハイコミッション営業のキャリアパスは以下になります。もちろん以下のキャリアパスを選択できるのは上位20%かそれ以上の成績を上げた人たちで、それ以下の人たちは早々にドロップアウトしていきます。

①営業リーダーや所長になって部下として営業員を雇って保険営業させる。
②収入さがってもいいので細々と新規開拓等で生き延びる。
③辞める。

①はマルチそのものですね。意外と多いのが③だと思います。真面目に考えれば①が長続きするかどうかは運次第ですし、営業成績と人脈を生かして起業したり何チャラコンサルしたりするんでしょう。一生涯のサポートはどこ行った?ってなりますけど。自分に営業かけてきたやつも抜群の好成績を残したのちに③の選択肢を選んでいました。ちなみに①の道を選んだ所長は「俺は2年以上同じ車に乗ったことが無い」という印象的なコメントを残していました。そこに痺れる憧れるぅ!と思うかどうかはあなた次第ですが...。

なぜ自分をヘッドハンティングしてきたか?

これについては想像ですが、勧誘する相手が有能な営業員であるかどうかはそれほど気にしてはいないと思います。もちろん一人前に稼いでくれれば大成功ですが、ドロップアウトするメンバーでもドロップアウトするまでに契約した分が儲けになるので契約者ゼロとかでない限り赤字にはなりにくいのかなと思います。

最後に

自分としては色々書きましたが別に保険営業した人や保険営業の勧誘を受けた人を非難するつもりはありません。お金を儲けることは別に悪いことではありませんし。ただ、一生の相談相手というのがどの程度の実現性のあるものなのか、払った保険料のうちどの程度が報酬になっているのかは知ってもらってもいいのかなと思ってこの記事を書いてみました。
補足としてメリット・デメリットについて考えた記事も作成したのでそちらも読んでいただけると嬉しいです。

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