見出し画像

ホワイトデー、わたしは花束がほしいと思ってしまった。


理想を抱きすぎるのをやめてほしい、と言われたことがある。

妄想癖のある私に、それを終わらせるというのはある意味ひとつの暴力だ。でも、それが誰かを悩ませる種になるのなら、止めないといけない。

いや、夢を見ることは良いことだ。

理想と現実の隙間を見て、肩を落とすことが、きっと彼をそう思わせた理由だろう。その隙間を埋める努力をしないといけないのに、その前にそれを押し付けることは本当に良くないと思う。

どんなときにそう思ったの?と聞くと、
彼の反応が思っていたのと違っていて、少し曇った表情をした時だそうだ。

ええ、それだけでそう言われなあかんのって思ったけど、本人がそう思うなら仕方ない。


さて、ここからが本題。

3月14日はホワイトデーだった。

その前日までの3日間を彼と一緒に過ごした。遠距離で久々に会えたカップルそのものだった。ただ、心のどこかではホワイトデーを期待していた。

前日の13日、お皿洗いをしている時、彼が隣に来て、「本当は今日お菓子作ろうと思っててん。」と言った。

なんだ、ちゃんと考えてたんだ。予定が合わなくて叶えられなかったけど、思ってくれたんだと思った。
その気持だけで正直お腹いっぱいで、充分しあわせだと思っていた。
夜行バスにゆらゆらと揺られ、その気持ちのまま実家に帰った。

当日、朝から夕方までバイトで、帰り道は本屋に立ち寄って帰った。
スパイスカレーの本を購入。最近、スパイスを買い揃えたこともあり、高揚感に包まれた。

今日は素敵な一日だなぁ。

そう思って過ごしていたのも束の間だった。

なんとなく、Instagramを開いてみると、多くの彼氏を持つ友達が、ホワイトデーの様子のストーリーをあげていた。

花束をあげる人もいれば、SHIROの香水、お菓子をあげている人。一緒にディナーに行く人。

それぞれのホワイトデーのカタチがあった。

微笑ましく思った。かわいいなぁ、大切にされてんやなぁって。でも、気がつくと自分の状況と比較していた。

やっぱり何か欲しかったな(笑)
何か一言でも。ハッピーホワイトデー?とか。

わたしの唯一のホワイトデー。

誰かの広告塔になるつもりもない。
でも心のどこかで期待していた。

明日か明後日には何かあるかも、ともう少しだけ期待を膨らませつつ。
自分から何か欲しいって言うことが、ちょっとおこがましいと思ったから、今は少しほっとく。
それでも何もないようであれば、寂しいと弱音をこぼすことにした。


これが理想を抱きすぎたヒトのひとつの結果らしい。

【後日談】
その2日後、お返しが届きました。
ありがとう。
最近手が荒れて痛いって話を覚えてくれてて、しかもオスマンサスの香りが好きっていうのも覚えてくれてました。不貞腐れてごめんね。とっても嬉しかったです。

noteは私の心の拠り所です。私の居場所に遊びに来ませんか。