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2021 Ronde van Vlaanderen プレビュー

無事に開催されるようで良かったです。

自転車雑貨専門店 Wednesday Bicycle Happy!! です。
ネットショップとして自転車の新しい文化的な価値観を発信しています。


モニュメントと呼ばれる世界5大クラシックレースの一つ、ロンド・ファン・フランデレンが4月4日(日)に開催されます。

フランスでは再びロックダウンが実施され、パリ~ルーベが10月に延期されることが発表されましたが、ベルギーで行われるロンドは無事に開催することが出来そうです。


フランドル地方のミュール(壁)と呼ばれる激坂を上りまくるこのレース。
クラシックの王様とも呼ばれるレースです。

自転車ロードレースが特に盛んなベルギーのフランドル地方は観客の熱気がすごく、例年なら特に有名な坂には人だかりができ、フラマン旗と言われる黄色地に黒い獅子の紋章の描かれた旗が無数に振られています。

今年は観客が集まることを避けるため、コースマップが発表されない徹底ぶり
いつものような盛り上がりは難しいかもしれないですね。


1907年から続くこのロンド・ファン・フラーンデレン、一番の魅力は激坂です。

例年通りのコースなら、走行距離270km前後の長いコースの中に、全部で20弱の激坂が設定されています。

中には石畳の激坂もあり、選手を非常に苦しめます。

プロトンからはどんどん選手が絞り込まれ、最後まで先頭集団で展開した選手が優勝を引き寄せるというレースです。


激坂の中でも勝負どころになりそうな坂がいくつかあります。

まずはもっとも有名な坂、ミュール・カペルミュール(ミュール・ファン・ヘラールツベルヘン)
登坂距離1.1km、獲得標高差110m、平均勾配9.3%、最大勾配19.8%のまさに激坂です。

丘の上の教会に向かう坂はロンド・ファン・フラーンデレンの象徴とも言えるミュールで、鈴なりの観客が沿道に集まって声援を送る様子と丘の上の教会の画が印象的。


コッペンベルフは登坂距離600m、獲得標高差77m、平均勾配11.6%最大勾配22%

1987年には逃げていたオランダ人選手、ヤスパー・スキビーがこの坂でスピードを失い落車したところ、後続のコミッセールカーに轢かれてしまうという事故が発生し、しばらく使われない時期があったという曰く付きの激坂です。


タイエンベルフもセレクションのかかる激坂です。
登坂距離800m、獲得標高差90m、平均勾配7.2%、最大勾配18%

オムループ・ヘットニュース・ブラットやE3ビンクバンククラシックでも使われる定番のミュールで、パリ~ルーベとロンドをあわせて7勝したトム・ボーネンが好んでアタックした坂として知られています。


近年ではフィニッシュ前の勝負所になるオーデ・クワレモント

登坂距離2.2km、獲得標高差111m、平均勾配4.2%、最大勾配11%
この坂もE3や、以前はドワルス・ドール・フラーンデレンなどでも使われていた定番の登りです。

ところでこの「オーデ」は英語のoldということで旧クワレモントという意味ですが、昔はニュー・クワレモントという坂を使っていたそうです。

1974年にニュー・クワレモントに並行して走るオーデ・クワレモントが発見され、よりガタガタの道だからということでロンドのコースに組み込まれるようになったという話は、ベルギー人のサイクルロードレースに対する愉快な考え方を象徴しているように思えますね。


オーデ・クワレモントとセットで登ることが多いパテルベルフ

登坂距離400m、獲得標高差80m、平均勾配12.5%、最大勾配20%という激坂で決定的な勝負のアタックがかかることが多いです。


ここに挙げたミュールはいずれも石畳の激坂で、ロンド・ファン・フラーンデレンの象徴的なミュールです。

レースを見る際にはこれらの坂の前後を、ぜひ見逃さないようにしたいですね。


昨年はマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)がモニュメント初制覇を果たしたこのレース、今年の優勝候補はどんな選手でしょうか。

前哨戦と呼ばれるレースがいくつかあります。


E3サクソバンククラシックではカスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ)が優勝


スプリンターズクラシックと呼ばれるヘント~ウェヴェルヘムはワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィズマ)が勝利


ドワルズ・ドール・フランデレンではディラン・ファンバーレ(イネオス・グレナディアーズ)が50㎞余りを独走勝利


ファンアールトは引き続き好調な様子です。

半面マチュー・ファンデルプールは、ドワルス・ドール・フランデレンでは追走で力尽き58位でフィニッシュしています。

3強の一角ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)は、今年必ずしも好調とは言えない様子ですし、ウルフパック(オオカミの群れ)の二つ名の通りドゥクーニンクは誰が優勝しても構わないというチームなので、アスグリーンやイブ・ランパールトの勝利の可能性もあるでしょう。

その他の選手ですと、このレースで過去に優勝経験があり、安定して好成績を残しているアレクサンドル・クリストフ(UAEチームエミレーツ)、同様にスプリントに強いマイケル・マシューズ(バイクエクスチェンジ)、ボルタ・ア・カタルーニャで復活の勝利を挙げたペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)などは注目です。


レースは終盤の登りを活かして数名の小集団、もしくは独走で逃げ込みを図り、最後はスプリントというのが近年の必勝パターンです。
今年のスプリントでの充実ぶりを見ると、トラブルがなければファンアールトが最右翼なのかなと思います。
とは言え、ミラノ~サンレモのような展開がないとも限りません。
どんなことが起こるかわからないのがサイクルロードレ―スですからね。


第105回ロンド・ファン・フランデレン4月4日(日)16時55分からGCN+でライブ配信されます!

スタートから見続けるとより楽しさの多いレースです。
ぜひ序盤はまったりと、終盤はしっかりとご覧いただきたいと思います!


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