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落語「普段の袴」 落語を人生で2回しか見たことない男がライブ感重視で超解釈してみた

浅草の東洋館に落語を見に行きました。
夜の部開始から仲入りまでの5時~6時半、実に9人分の演目を観劇して、
最も印象に残った噺の紹介です。

落語 「普段の袴」

※以下は、普段の袴を以下のサイトを参考にしつつ、自信の記憶を頼りに読んでいる人が落語を聞いているような気分になれるような文体を意識して書いたネタの書き起こしです。より正確な内容を知りたい方は、以下URLをご参考ください。

参考:https://hajime-17.blog.jp/archives/1994669.html
   http://ginjo.fc2web.com/240fudannohakama/fudannohakama.htm


普段の袴 超解釈(ライブ感重視)

物語の舞台はあるお侍が墓参りの帰りによった茶屋。
お侍が茶屋で煙草の煙をくゆらせ一服していると、ある掛軸が目に留まる。軸に悠然と佇むは、一羽の鶴。なんと素晴らしい、名のある作に違いないと茶屋の主人に尋ねると主人が言うことには「さすがお侍様お目が高い。」掛け軸は、まさしく名のある作。江戸南画の大家、谷文晁の作だという話。
人間という生き物は、何かを目にして感に入ると、もっぱら首を縦に振るのが道理。文晁の作が感に入りお侍様が力強く首を縦に振るもんだから、持ってた煙草の火種が袴にポツリと落っこちた。
これは大変、袴に火が付いてしまうと慌てる主人に、お侍様こう一言。「これはいささか普段の袴である。」

この話が、侍の機転とその動じぬ態度の潔さを示す話しで終わっていれば、世話ないが、これで終わらぬが噺の世界。

ご多分に漏れず、この様子を見ていた与太郎が一人。さあさ、落語ってやつはここからが面白い。
与太郎、お侍の振る舞いがあまりにかっけえもんだから、お侍の真似しようってんで袴を取りに長屋へ戻る。自分の袴なんて持ってねえもんだから、大家に借りるは良いものの、なんと間抜けなことに着物を着るのを忘れちまう。それに気づかず、上に印半纏、下には袴となんとも素っ頓狂な服装で、与太郎は茶屋へと向かう。茶屋の主人、変な格好の与太郎を訝しがるも、与太郎そ知らぬ顔で無理やり茶屋に腰掛ける。
与太郎はお侍のやった通りキセルを取り出して、軸を眺めて絵を誉める。主人、これも客商売、軸の良さなんて分かんねえような顔の与太郎にも、同じ台詞をかけてやる。「いかにもお目が高い、これはあの谷文晁の作でございます。」さて、それを受けて与太郎が言うことには、「おいおい主、おい主、馬鹿を言っちゃあいけねえよ。軸におわすは、文鳥じゃなくて鶴だろう。」
ぽかんと口の開いた主人をよそに、さあさ、話は大詰めだ。煙草の火種を落とすべく与太郎はキセルを振るわ振る。ところが火種が落ちてこねえ。ボロいキセルなもんで、ヤニが詰まって火種が落ちてきやがらぬ。詰まったキセルに癪を起こし、力任せにキセルを振るもんだから、ポーンと火種が飛び出した。宙を舞った火種が与太郎の頭の上にポツリ。これは大変と慌てる主人に、与太郎一言、「これはいささか普段の頭だ。」

噺家紹介

三笑亭夢丸
1983年生まれの落語家。2015年に二代目三笑亭夢丸を襲名すると同時に真打へ昇進。

出典:公益社団法人落語芸術協会 公式HPより
https://www.geikyo.com/profile/profile_detail.php?id=81


まとめ

個人的には、三笑亭夢丸さんの演った「普段の袴」が、2/6の夜の部の寄席で最も面白かったです。
一緒に行った友達のG君も同じ感想でした。
溌剌とした語り口と、話のテンポ、ネタの分かり易さが、若者受けしやすい噺家さんだと思いました。
また、これも個人的な感想ですが、お笑い芸人ハナコの岡部さんに激似でした。(写真右)

出典:WatanabeEntertainment 公式HPより
https://www.watanabepro.co.jp/mypage/4000074/


人生で落語を2回しか見たことのない私でも、三笑亭夢丸さんの「普段の袴」は痛烈に印象に残りました。

感染対策に気を付けつつ、たまには寄席に足を運んでみるのはいかがでしょうか。

ではまた。

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