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微塵切り・無残切り


 皆さん、こんにちは。そんなつもりは微塵もなかった木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 ええと。この話は、実はもっと後からする予定だったのですが、諸事情により、前倒しで発表させていただく事となりました。

 話のあらましを簡単に説明しますと、昔、漫画に載っていた「肉をコーラで煮込むと美味い!」ってネタを再現しようとした人物がいたのです。

 その人物とは吉村氏であり、格闘技・武術に関して非常に造詣の深い方でして、氏の発言は常からワタクシも注目しておりました。
 何の縁で繋がったのかはワタクシ自身も覚えておりませんが、ワタクシも格闘技や武術、武道が大好きなので、何かの折にフォローさせていただいたところ、フォローバックがあったように記憶しております。

 この吉村氏が「肉のコーラ煮」を作って失敗した、というツイートをしておられましたので、飲食業界に30年ほどいるワタクシ、かつ、自分でもクラフトコーラの制作に携わった事がありましたので、


 (´・∀・)」 ウチのコーラを使って、
 コーラ煮を作ってみませんか!?


 とお声掛けした訳なんですね。

 ワタクシが制作に携わったコーラ ↓


 んで、正直なところ、吉村氏が「かなり雑にコーラ煮を作ってる」って思ってたので、最初は「わざと雑に作っても美味しくなるかどうか」の実験だと思ってたんですよね。
 ところが、続くツイートや、2回目の調理工程、発言などに目を通してみると、どうやら失礼ながら、


 (´・Д・)」 料理に関しては、
 ド素人でらっしゃる模様。


 コレは正直に申し上げて予想外だったんですが、ワタクシも料理業界が長いので、ここで口出しをするか否かはかなりの悩みどころ。

 と言うのも、こーゆーのは料理に限りませんが、自分で色々やって、失敗した方が得るものは大きいからである。
 しかし、失敗続きで「つまらない」となっては元も子もない。
 行き詰まったり、悩んでいたなら手を差し伸べるべきだが、そうでもないのに、


 o(`ω´ )o なんで
 そんな事になるの!?
 正解はこうでしょ!!


 と、ただ正しい道だけを提示するのは「ただの押し付け」に過ぎず、むしろコレは当人のやる気を削ぐだけなのである。
 無論、武道も料理も「コレだけが正しい道だ」なんてモノは存在しない。
 当人の目的と到達点の問題もある。本人が「楽しければいい」なら横から口出しなんてしない方がいい。「上手になりたい」なら、アドバイスも意味を持ち始める。
 そして、その「上手」ってのが、プロを目指すのか、プロ級の高みを目指すのか、素人としては上手なのか、素人でいいのか。
 この見極めを間違ってしまえば、アドバイスはたちまち余計なお世話になる。

 まして、吉村氏は料理のプロを目指している訳でも何でもない。ただ、ネタ的な要素で始めたにも関わらず、本人曰く「料理が苦手」と言ってる割に、料理の面白さと奥深さに気付いてメキメキと吸収している節が感じられる。
 とは言え、自身にある「料理が苦手」という意識が、色んな意味で妨げになっている部分も見受けられてしまう。
 正直、何でも失敗した方がハタから見てて楽しい得るものは大きいし、チャレンジ精神は伸びるに任せた方がいい。
 口出しすべきかどうかは悩ましいが、どうにも基礎的な部分が足りていないのだ。
 武術で言えば、極端な話、受け身の基本が出来ていないのに、巴投げの練習をしようとしてる節が見受けられる。
 それではいかん。まず、受け身が出来るようになると楽しいし、怪我も減るし、上達も早くなるよ、と言いたい。口出しすべきか、伸びるに任せるか。

 いや、しかし吉村氏は常から「武術(に限らない全て)は基礎が大事」という事を仰っている。

 僭越ながら、ワタクシ如きが口出しするのはどうかと思ったが、根本的な部分で、どうやら参考にしたレシピが悪い事は明白なのだ。

 よし。少々気は引けるが、素人でも圧倒的にわかりやすいレシピを書いて、こちらを参考にしていただくとしよう。うむ。
 そんな訳でワタクシがレシピを書いて渡した訳なのです。そして、吉村氏が新たなレシピでコーラ煮に挑戦したところ、


 ( ・∇・) 今までと全然
 違う仕上がりになった!


 というコメントを頂き、ワタクシは、


 (´・∀・)」 有頂天よ。


 ついでに、捨てるには勿体ない、コーラ煮の余った煮汁の調理法なんかも紹介しちゃったりして。うんうん。ワタクシってば気が利くなあ。
 と言うところで事件が起きた。

 吉村氏に「玉ねぎをみじん切りにして」と指示したところ、


 (´°Д°)」 超ザク切りの
 玉ねぎの写真が、、、?



 (´・Д・)」 節子、それ
 みじん切りやない。
 乱切りや。


 さて。ここで微塵切り、と言うか、食材の切り方について説明させてもらおう。
 ハッキリ言おう。野菜や肉なんて、


 (´・Д・)」別に
 どう切ったって
 構いやしないのだ。


 味に大差はない。断言する。「大差はない」のだ。
 しかし、確実に「小差は出る」のである。料理の怖いところはコレだ。いや、料理に限らない。ほぼ全ての事に言える話だ。

 食材の下処理。切り方。火の通し方。味付け。寝かせ時間。それぞれは全体からすれば1%程度の差しか生まない。しかし、以上5点全てを蔑ろにすれば、味の差は5%になる。いいや、5%じゃ利かない。
 各食材毎にこれらの工程があるのだから、食材が増える毎に10%、15%と味に差が出てしまう。

 特に切り方。
 コイツは厄介だ。
 何しろ、切り方が違えば、火の通し時間も変わる。歯ごたえや舌触りも変わる。つまり、味が変わる。
 そして、特殊な意図がない限り、食材は同じ大きさに切り揃えなければならない。
 そりゃそうだ。片方が生のままで、片方が黒焦げでは美味しいはずがないのだから。

 武術も料理も同じ。この基礎を守ろうとする精神なくしては上達はしないのである。
 なお、このみじん切りに対し、幾人かが、


 みじん切りしてくれる道具があるよ!


 とアドバイスしていたが、ワタクシに言わせれば、


 (´・Д・)」 ダメなの、アレ。


 野菜を入れて、引っ張ったら中にある刃が回って、野菜が一瞬でみじん切りになる調理器具があるのですが、アレ、ダメなの。

 いや、調理工程のカットや、調理時間の短縮には素晴らしい道具だし、ワタクシはこの道具自体を否定するつもりはない。
 まして、玉ねぎなんてみじん切りにしたら涙も出ちゃうし。わかる、わかるよ。
 しかし、お好み焼き用のみじん切りキャベツに使うならともかく、玉ねぎのみじん切りにアレはダメなの。

 何もワタクシは昭和のスポ根的に「手でやれ!」「いいからやれ!」「とにかくやれ!」と言うつもりはない。

 何がダメかと言うと、あの道具だと玉ねぎの繊維を潰した挙句、玉ねぎの旨味が出ちまうからだ。

 先ほども言ったが、それで変わる味なんて1%にも満たない。しかし、みじん切りは他の料理にも使えるし、覚えていて損はない切り方だ。

 ってな訳で「みじん切りってレシピに書きましたよね?」ってコメントを入れたところ、


 (´・ω・) 何とか
 賽の目切りぐらいに
 なってませんかね?


 って吉村氏が言うので、


 (´°Д°)」 賽 の 目 に
 謝 り な さ い。


 って遣り取りになった次第です。
 しかし、事件はココに止まらなかったのである。

 ワタクシのかつての上司であるインド人(リアルにインド人かつリアルの知人)がしゃしゃり出てきて、吉村氏に対して、


 (´・∀・`) 手本もあるのに
 コレはおかしいやろ!
 ちゃんと社会出てる?


 と言う無礼極まりないコメントを投稿。
 ワタクシはそれを知ってマジ切れ。


 (´°Д°)」 おい!そこのインド人!
 お前こそ前の職場を辞めて、
 もう1年以上働いてない癖に、
 真摯に料理に向き合う人に対して、
 なんちゅう物言いや!
 リアルの知人として、
 リアルの知人だからこそ
 ちゃんと謝らんと許さんぞ!!


 と投稿し、ワタクシのマジ切れ具合を感じたのか、インド人は素直に謝罪。

 ワタクシからも、吉村氏に「リアルの知人が失礼極まりない発言をしちゃって申し訳ない」と謝罪を入れたところ、

 吉村氏から、


 (´・ω・) いえ、実を言うと、
 堪えたのは木賃さんの、


 賽 の 目 に 謝 りな さ い。


 ってコメントの方でして、、、。





 (´°Д°)」



 (´°Д°)」



 (´°Д°)」



 (´°Д°)」



 _| ̄|○ 申し訳御座いませんでした。



 平身低頭お詫び致す所存で御座います。


 一番危惧していた事を自分がやってたと言う酷い結末になってしまいましたが、コレが本当の結末にならないよう、気を付けていきたいと思っております。
 なお、記事にする上で少々面白おかしく脚色しておりますが、ホントに反省してます。ごめんなさい。

 ※ この記事は全て無料で読めますが、料理が得意な人も苦手な人も、投げ銭(¥100)をお願いします。
 なお、この先には向き不向きの話しか書かれてません。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。