見出し画像

僕たちはスネ夫である。


 皆さん、こんにちは。昔は痩せ型でした。木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 さて。ワタクシ、昨日はポジョンさんの奢りで映画を観るという贅沢をしてまいりました。
 して、ポジョンさんの選んだ映画は、「ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021」で、旧1985年版との比較も相まって、非常に楽しい映画鑑賞となりました。

 ちなみに、先週公開されたばかりなのにタイトルが「2021」なのは、続くコ ロ ナ騒ぎの影響による延期と思われます。
 ただ、民主政権にクーデターを起こし、惑星を支配した独裁者を、失脚した大統領とドラえもん、のび太が倒す、という物語なので、割と、


 ロ シ ア と 、
 ウ ク ラ イ ナ


 の情勢に近しいものがあり、笑えると言うか、笑えないと言うか、複雑な気持ちになってしまいました。

 また、本作のゲストヒロイン(のび太の浮気相手)には旧版にはいなかった「ピーナ」という新キャラクタが追加されていましたが、のび太との絡みはほぼゼロで、割と空気でした。
 旧版ではどちらかと言うとメインゲスト枠のパピという少年(実は大統領)が実質のヒロイン枠でしたが、今回はメインゲスト枠(友達枠)に収まっている感じ。
 マスコット枠(動物)であるロコロコもヒロインの器ではありません。

 だとすると、やはり本妻である、しずかちゃんが大活躍する訳ですよ。


 ヒーロー枠で。


 (´°Д°)」 いや、ホント。


 旧版でも、初陣で数十機の敵機を撃墜すると言うエーリヒ・ハルトマンばりの活躍を披露。
 それが本作では、初陣であるにも関わらず、


 数百機を撃墜。


 (´°Д°)」 鬼神かよ。


 しかも、生身の肉弾戦でも相手を圧倒するグラップラーっぷりを見せつけてくれます。


 ヒロインじゃなくて、
 完全にヒーロー。


 じゃあ、本作のヒロインは誰かと言うと、ネタじゃなく、割と本気で、


 スネ夫だと
 思うのです。


 さて。ここで少し話を変えますが、「人間、誰しもミドレンジャー」って説をご存知でしょうか?
 ワタクシも人から聞いて、「ああ、なるほど」と思ったんですが、「秘密戦隊ゴレンジャー」の登場人物と自分を比較して、誰に近いか、という話です。

 アカレンジャー…キミは、リーダーとしての決断力や判断力に優れ、正義感の優しさを持ち合わせた熱血漢であるか?
 アオレンジャー…キミは、キザでクールな2枚目。戦闘力も高く、知略にも長け、音楽を愛する文武芸術をこなす完璧超人か?
 キレンジャー…キミは、コメディリリーフで、ムードメーカー。ドジな三枚目でありながらも、実力はあり、皆を支える縁の下の力持ちか?
 モモレンジャー…キミは科学知識に富み、運動もこなし、血気にはやる仲間を抑える包容力を持った、皆から愛される紅一点か?

 NOだ。
 ほとんどの人間は、違う。


 おそらく、ほとんどの人間はそれ程に強い個性も、個性を裏付ける能力にも恵まれていないのだ。そして、持っている! と答えた人間の半分ぐらいは思い上がりによる勘違いだろう。残念だが、そーゆーモノだ。
 だとすると、

 我々のほとんどは、
 ミドレンジャーなのである。


 いや、実際のミドレンジャーは、メンバー最年少、美形だったり、動植物が好きだったり、マスコットキャラクタ的な個性を持つが、今ひとつ認知度が低い。
 そう。この「それなりに個性や能力はあるんだけどパッとしない感じ」こそがミドレンジャーの個性であり。それはまさに我々に近しい存在であると言えるだろう。

 わかるだろうか。
 更に話が飛んで申し訳ないが、コレはグルメ漫画の代表作である「美味しんぼ」にも言える。

 我々は、芸術と料理に人生を捧げながらも、強烈な才能と傲岸不遜な性格を持つ海原雄山か? NOだ。
 それに背を向けつつも、その背を追う、天才的な舌と知識を持つ山岡士郎か? NOだ。

 紅一点で鋭敏な舌を持ち、シャッキリポンとした謎の解説をする栗田ゆう子か? NOだ。

 天才的な腕前と、頑固でありながらも謙虚でひたむきな料理人、岡星精一か? 断じてNOなのだ。


 我々は、値段や格式に惑わされて、美味しくないものを美味しく感じたり、美味しいものを素直に認められない、


 富井副部長
 なのである。


 上司と見ればゴマをすり、部下と見れば意地悪をする、無知でセコい小心者。典型的な小狡い中間管理職キャラクタ。それが富井副部長なのである。

 ここで、「雄山や山岡じゃないのは認めるけど、富井副部長ほど酷くない」と思った人も多いことだろう。だが、違わない。

 多くの人間は少なからず、主観と客観でイメージが違うものなのである。

 部下に優しくしていたつもりが、


 (´・Д・)」 なんかキモい。


 とか思われてたり、

 ガミガミ言わず、暖かく見守っていたら、


 (´・Д・)」 無責任だなぁ。


 とか思われているモノなのである。

 実際の富井副部長は、連載が長いためか性格には変化があり、愛妻家だったり、部長代理にまで昇進してたり、割と優秀だが、そこまでちゃんと「美味しんぼ」を読んでる人は少数派なのである。
 ここまで書けばわかるだろうが、理解されない、認知されない部分も含めて、ミドレンジャーと同じ。コレこそが、我々そのものなのである。

 ここで話をドラえもんに戻そう。
 ドラえもんに例えた時、僕らはドラえもんか? 否。ジャイアンか? 否。しずかちゃんか? 否否。どうしようもないダメ人間であると同時に、世界を救うキーパーソンののび太か? 否否否。


 我々は他ならぬ、
 スネ夫なのである。


 いや、「スネ夫みたいに金持ちの家の子じゃないし、マザコンでもないし、さすがにスネ夫ほど小物じゃない!」てな事を思った人もいるだろう。だが、その考えこそがスネ夫なのである。
 我々は確かに、金持ちの家には生まれなかったのかも知れない。だが、ちょいとした小金が転がり込んだ瞬間、調子に乗った行動を取ってしまうのが人間なのだ。


 本当は嫌でもおべっかを使い、
 隙あらば自慢話を始める。


 我々は、友情や優しさ、善意から凶悪な敵と戦うのび太にはなれない。
 向こう見ずで、がむしゃらに戦えるジャイアンでもない。
 ひみつ道具を駆使して戦えるドラえもんである筈もない。

 我々はスネ夫なのである。


 のび太を仲間外れにして、ジャイアンに取り入り、調子に乗ったら有頂天。ピンチになると真っ先に弱音を吐く。その癖にプライドばかり高く、自慢と自慢話が大好き。
 我々は、そんなスネ夫なのである。


 そのスネ夫が、自らの弱さを認めてさらけ出し、


 大軍勢相手に戦える訳がない!
 勝てる筈がない! 戦いたくない!
 怖い! 隠れてよう! 逃げ出そう!


 と泣き言を漏らし、それでも生死を賭けた戦場に赴くスネ夫が、本作においての


 ヒロイン以外の
 なんだと言うのか。


 (´・Д・)」 そんな訳で当サイトでの、「のび太の宇宙小戦争」のヒロインはスネ夫であると定義させていただきます。
 あ。当然ですが、


 ヒーローは、
 しずかちゃん。


 当ページの支配者かつ独裁者はワタクシなので、異論は認めない。



 ※ この記事はすべて無料で読めますが、独裁者なので投げ銭(¥100)を要求する。
 なお、この先にはついでにもう一本観た「のび太の南極カチコチ大冒険」について書かれています。


ここから先は

81字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。