見出し画像

お前さん、フランス産 その③


 皆さん、こんにちは。やっと実食レポートにたどり着いた! 木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 はい。そんな訳で、


 おくのくんがフランス料理を
 ご馳走してくれるって言うから、
 いそいそ神戸まで行ったら、
 ゴリゴリのドカ盛りフレンチ!?


 の第3回。ようやく実食レポートです。

 前回はこちら。

 そんな訳で店内に入ると、気さくなシェフが出迎えつつ、


 ( ´ ▽ ` )ノ 今日は貸切なんで、
 どうぞゆっくりしてください!
 準備できてますんでー!


 (´・Д・)」 えっ?
 貸切、、、?


 そう。我々が到着したのは18:00で、店のオープンも18:00だ。他の客がいようはずもない。そして、どうやらこの日は我々の他に予約客はない模様。いや、それはわかるが、飛び込み来客はないのか? いや、予約のみの店なのか? わからんが、とりあえず「貸切」らしい。

 で。案内された席に座るが、ワタクシは頭上に「?」マークが点灯する。
 テーブルの上には、いくつものミネラルウォーターがペットボトルのまま並んでおり、それどころか、席にはフリーザーバッグも置かれたままなのだ。


 (;´・Д・)」 全然、
 準備完了してない。


 まあ、店はシェフがお一人で回しておられるようだから、色々行き届かないのは仕方ないとしても、、、ん?


 他のテーブルにも、ペットボトルとフリーザーバッグが置かれている、、、?


 (;´°Д°)」 ま、まさか、、、!?


 ペットボトルの水が、おそらくフリードリンクなのは理解したけど、ひょっとして、フリーザーバッグは、


 Σ(´°Д°)」 ドカ盛りした
 料理のお持ち帰り用!?


 テーブルには他にも、バゲット(フランスパン)が2本、無造作に置かれている。


 (´・Д・)」 1人1本かー。
 フランスパン1本かー。
 1本丸ままかー、そっかー。


 しかしワタクシ、ランチやドゥ・プラ(前菜+メイン料理)程度なら、一度に2店舗回るぐらいには大食いなのである。
 フランスパン1本ぐらいなら余裕で食えちゃう。
 むしろ、腹減りピークを過ぎた所為で、ちょっと食欲がなくなってるぐらいなので、


 (´・Д・)」 いただきます!


 とフランスパンをちぎって食べ始める。少し、胃を刺激して食欲を増進させないとな。
 んで、今のところペットボトルの水は必要ない。欲しいのは食欲を掻き立てる酒である。
 どうせワタクシとおくのくんの2人だ。ワイン1本ぐらいはペロッと空く。
 シェフがワインリストを持って来たので、飲むべきワインをおくのくんと相談する。
 ちなみに知らない人も多いだろうが、ワタクシの前職は「ワイン・バー」の店主なので、ワインにはちょっとだけ詳しい。

 なので、おくのくんは「お任せします」とチョイスをワタクシに譲った。
 とは言え、本日はワタクシがご馳走になる身だ。
 あまり高級なワインは選べない
し、選択が悩ましい。
 実は好きな銘柄のシャンパンもあったのだが、高価なのと、ドカ盛りの店らしいから、腹が膨れる炭酸は避けたい。
 そして、何と言っても「ジビエ(鳥獣系)料理」が売りの店らしいから、ここはやはり赤ワインだな。うん。
 ちょっとベタだけど、銘柄はコート・デュ・ローヌにしよう。値段も手頃だし。

 ※ コート・デュ・ローヌ…フランスワイン。ジビエに合わせるならこれを選んどけばハズレは少ない銘柄。


 で。運ばれて来たワインを飲みつつ、パンを齧りつつ、おくのくんと談笑していると、いよいよ料理が運ばれて来た。


 (´・Д・)」 前菜盛り合わせ。


 こんな感じ。



 特にシェフからの説明もなかったのと、10日ほど前の話なので記憶が間違っているかも知れないが、

 湯剥きプチトマト、ツブ貝旨煮、ゆで卵、鰹たたき、焼き茄子、タコブツ、生ハム、生ハムの下に帆立貝柱、ツブ貝刺身、湯剥きプチトマトの筈である。


 確かに、中々ボリューミーではある。てか、なんかメニューが居酒屋っぽいが、ここフランス料理店よね???
 いや、タコとか昼間の居酒屋で食った気もするが、それはまぁさておき。

 ツブ貝刺身とか帆立貝柱は何の加工もない「お造り」なんだけど、フランス料理???
 いや、まあヌーベル・キュイジーヌ(フランス料理における新しい料理。簡単に言うと、伝統的なスタイルからの脱却を意味する)だと思えば、理解出来なくもないが、


 (´・Д・)」 ゆで卵が無加工。


 瞬燻とかされてる訳でもない。コレはフランス料理なのか、、、?
 ちなみに肝心の味だが、全然悪くない。ツブ貝の刺身は特に美味かったが、フランス料理を食ってる気は全然してない。

 って前菜を食い終わらないうちに、





 (;´°A°)」 前菜が来た。




 前菜を食い終える前に 言っておくッ!

 おれは今 シェフのスタンドを ほんのちょっぴりだが 体験した

 い…いや… 体験したというよりは

 まったく理解を超えていたのだが………

 あ…ありのまま 今、起こった事を話すぜ!

 おれは フランス料理の席で前菜を食っていたと

 思ったら いつのまにか前菜が出て来た

 な… 何を言っているのか わからねーと思うが

 おれも 何をされたのか わからなかった…

 頭がどうにかなりそうだった…

 さっきのはオードブル(前菜)じゃなくて
 アミューズ(付き出し)だとか
 前菜盛り合わせが2皿出て来る
とか
 そんな、、、いや、


 (´・Д・)」 前菜盛り合わせが
 2皿出てくる店なんて
 初めて出くわしたわ!


 もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…


 てな訳で、2皿目は、トコブシ(withカラスミ)、生牡蠣、たぶん鰆。


 (´・Д・)」 、、、。


 (´・Д・)」 ってか、
 メニュー内容が、
 居酒屋と言うより、
 フレンチと言うより、


 (´°Д°)」漁師小屋。


 しかも、こんな海産物ラッシュで来ると思ってなかったから、


 (´°Д°)」 赤ワインが、
 ちっとも進まねえのよ。


 ( ˙-˙ )  赤ワインってね、ジビエとの相性は抜群だけど、生の海産物とは絶望的に相性が悪いの。
 そんな訳で、ワインが全然進まないし、口の中をクリアにする為には、パンを齧るか、水を飲むしかないのよね。うん。

 しかし、ワタクシは美味しいフランス料理を食べに来たのであって、パンや水で腹を膨らませに来たのではない。
 何とかパンと水とワインをチビチビやりながら誤魔化して、次の料理を待つ。

 前菜盛り合わせが2皿は予想外過ぎたが、とは言え、残すはポワソン(魚料理)とアントレ(肉料理)ぐらいだ。
 ワタクシの腹はまだ1/3も満たされていない。


 (´・∀・)」 余裕。


 前菜2皿を片付け、パンでワインを飲みつつ、10分ほど経過した頃、魚料理である、


 (´°Д°)」 カニが運ばれて来た。


 (´°Д°)」 カニが運ばれて来た。



 (´・Д・)」 いいかい、ユリアン。
 政治体制が腐敗しようとも、変わらない事がある。それは、フランス料理のコースには、ワタリガニが丸ごと1匹、必ず饗されるという事だ。それだけは忘れちゃいけない。


 (´°皿°)」 んな訳あるかい!


 フランス料理店で、湯掻いた丸ままのカニが、


 1人1匹。


 (´°皿°)」 おかしいだろ!?


 ちなみに、カニ(調理済み)の数え方は1匹ではなく、以下と同じく1杯だ。それでも1匹と書いたのには理由がある。


 (´°Д°)」 いっぱいいっぱい
 の一杯と紛らわしいからだ!


 なんやねんカニ丸ごと1匹て!?
 ココは漁師小屋か!?
 漁れたて新鮮市場か!?


 今までフランス料理に何度も行ってるが、茹でガニが丸ごと1匹出て来た経験は一度もないわ! しかもマジでプレーンなカニやで!?

 ※ ソースはカニ味噌とニシンを合わせた特製ソースでした。


 (´・Д・)」 や。まあ、普通に美味しいんだけどさ。

 そんな訳で、談笑していた筈のワタクシとおくのくんが、無言になってカニをほじり始める。
 何なんだ? この光景は?

 ちなみに、このカニが饗される直前、


 (´・Д・)」 料理が運ばれて来ると、食う方に夢中になって、会話が止まるよねー。


 ヽ(@∀@) 特に、カニとか。


 って会話をしてたらまさかのフラグ回収だよ!!

 そして、ここに来て問題が発生する。
 カニ身を食うだけなら、何も問題はなかった。しかし、カニ身をほじりながら食うという作業のため、顎を動かす回数が増えた上に、タイムロスが大きく、


 (´°Д°)」 満腹中枢が、
 「もう食べたよね?」
 ってサインを出し始めた。


 ワタクシは紛う事なき大食らいだが、時間が経過してしまうと食える量が激減するタイプなのである。
 そして、カニ味噌とニシンのソースが美味しかったから、


 (´°∀°)」 パンにつけて
 食べちゃうじゃ〜ん?


 (´・Д・)」 コレはいかん。


 胃の容量はまだ半分ぐらい残っているのだが、満腹感は2/3に到達しようとしている。

 だが、残すはメイン料理のみ。



 (´°皿°)」 我々は果たして、
 コース料理を制覇できるのか!?




 ━━━ 続く。

 (´・Д・)」 明日、堂々のクライマックス!


 ※ この記事はすべて無料で読めますが、フランス料理が好きな人も、そうでない人も、投げ銭(¥100)をお願いします。
 なお、この先にはワタクシの知られざる苦悩しか書かれてません。


ここから先は

718字

¥ 100

(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。