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天気の巫女は霊長類最強の夢を見るか


 皆さん、こんにちは。えっ? 3年以上前の話? 木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 はい。昨日は、ファンが多い作品に、レビューで酷評ってのはどうなの? というお話をお届けした訳ですが。はい。


 (´・Д・)」 ぶっちゃけワタクシ、本音の本音を言うと、文句しか出て来ないような人間なのよね。


 でね? ワタクシは、文句を言う最低限の礼儀として、


 (´°Д°)」 観てから言え。


 ってのがあるんですが、じゃ、


 (´・皿・)」 観てさえいれば
 何を言っても許されるのか?


 と言うと、そーゆー訳じゃないと思うのよね。

 んで、数人から新海誠の最新作「すずめの戸締り」を観ないの? って声を頂いてるんですが、


 (´°皿°)」 たぶん
 酷評しちゃうよ?


 それでも良いかどうか、あるいは、酷評されない自信がある作品なのかどうか、

 公開当時に観て書いた「天気の子」のレビューを、ほぼ手を加えず当時のまま公開する事にします。(誤字脱字・文字の強調や改行のみ手を加えてあります)

 そろそろ3年だし時効ってことで、コレを読んで、判断してもらいたいと思います。(twitterでは発表済)

 ファンで悪口は読みたくないって人はGO BACK。





 さて。
 「天気の子」を観てきた訳ですが、感想を述べる前に、いくつか、思い浮かべてもらいたいものがあります。ぼや〜とした感じで結構です。
 では、始めます。

 1.学園青春ドラマとか、少年たちの夏休みの冒険を描いた映画とか、そーゆーのの冒頭シーンで、少しだけ大人になった主人公が当時を振り返って、観客に語りかけるようなモノローグと、その背景で流れる、時間軸が過去とも現在とも未来とも言えない、何かをぼやかした「風景」

 2.刑事モノのドラマで、聞き込みの時に流れる短いカット集(この時は音声なしでBGMが流れ、手掛かりを得た瞬間にセリフとともにBGMが消える)。また、新人社員のサクセスストーリーなら、主人公がヘマとかドジとか失敗とか成功とかしながら、ちょっと成功するまでの短いカット集(この時は音声なしでBGMが以下略)。もしくは、ラノベのファンタジー物にありがちな、小さなクエストをこなしたり、失敗したり、村人と仲良くなったり、雑魚モンスターと戦ったり、宝物を見つけたり、仲間と喧嘩したり、宿に泊まったりする短いカット集(この時は音声なしで以下略)。

 3.ラノベのファンタジー物か、アニメ系RPGにありがちな、魔王を倒して、世界に平和が戻り、緑の草原と青い空、白い雲、そして光が射す。
その空の下で、魔物がいようといまいと、労働に勤しむ村人たち。
カメラが回転して、ヒロイン、もしくはモブの女の子が眩しそうに空を見上げるシーン的な。

 4.ベタなバディ刑事モノの映画で、相棒の刑事が殺された主人公が酒に酔って夜の街をふらつくシーン。もしくは、社会悪と戦う刑事が、政治的圧力から捜査班を外され、休暇を言い渡され、街をあてもなく彷徨うシーン。あるいは、凸凹コンビながらも、それなりにうまくやってた刑事のコンビが、考え方の違いから大きな喧嘩になり、誤解は解きたいけど、お互いなかなか自分からは解けないでいるシーン。

 5.ラノベのファンタジー物のクライマックス直前、とうとう復活した魔王が人間界への侵攻を開始する。暗雲たちこめ、嫌な風が吹き始め、子供が怯え、母親が窓を閉じる。
魔王はすぐそこに来ているが、この悪天候が魔王の所為だと気付いているのは勇者たち数人だけ。この夜が明けたら、、、最終決戦は近い、、、

 6.ラノベのファンタジー物で、主人公が異世界に飛ばされるシーン、逆さになった現世と異世界とをつなぐ重力がなさそうなゾーンで女神から使命を告げられるシーン。また、異世界に飛ばされた主人公が、野原や海岸で倒れている、、、そして、目覚めるシーン。

 7.昭和かよっていうラブコメ。

 さて。
 では、「天気の子」の感想です。

 上記①〜⑥を、バラバラに、何度も、⑦のストーリーに添うように繰り返してるだけです。
 いや、マジで。(´・Д・)」 違うところもチョットあるけど。

 ⑤が少なくて2回ぐらい、①は4回ぐらい。⑥も4回ぐらい。
 で、②、③、④が各々6回ぐらい。
 それを⑦のストーリーで繋いでる
感じ。

 まぁ、冷静に観てしまうとぶっちゃけつまらない。ただし、つまらなくないのだ。
 言わば、逆福本伸行なのである。
 福本伸行の絵は、絶望的に下手だが、物語が面白いから、面白い。いや、絵の下手ささえも面白さに変えてしまうのだ。
 「天気の子」はその逆である。
 話は三文小説だが、画が綺麗なので、綺麗なのだ。
 いや、画が圧倒的に綺麗なので、物語まで綺麗に見えてしまうのだ。
 先程想像していただいた①〜⑦がひたすら綺麗な映像で、ミュージシャンのPVとか、映画の予告編を見せられた時のように、つい、続けて観たい気にさせてしまうのだ。

 ん? 待てよコレ。どこかで観たことあるぞ?
 ああ。
 アレだ。
 スターウォーズのEP7だ。2時間もの間、ひたすら予告編が続くアレ。アレと一緒だ。
 予告編ってのは、観客を引き込む最高の数分だ。スターウォーズEP7はコレを2時間やった。ぶっちゃけ物語は「何も始まっていないまま終わり、EP8へと続く」のだ。実際、展開に困った結果、引っ張っただけじゃねーか!という気がしなくもないのだが、てか、多分そうなんだけど、残念な事にワクワクはしてしまったのである。
 フランス料理で言えば、「前菜しか出てこないままフルコースが終了した」感じ。豪華に、結構美味い前菜が9皿も出て来たんだよ! 微妙に文句が言いづらい。そんな感じ。

 「天気の子」は割とコレに近い。困った事に、前菜だけで、消化には良いのに消化不良を起こしてるEP7と違い、ちゃんと物語は完結してるのだ。フルコースとして、色んなモノが出てるのだ。
 ただし、全部、「お口直し」のフルコースなのである。
 EP7は全てが前菜だったが、天気の子は全てが「お口直し」なのである。
 お口直しと言えば、メインの肉料理が出てくる前の「氷菓子」などを指す。そう。コレは今までの料理から「さあ、今からメインの肉料理が来るぜ!」と期待感を煽り、その爽やかさと甘さで胃と舌をリセットする重要な役目である。
 例えば、レモンのシャーベット。
 そう。天気の子はコレが最初から最後まで続くのだ。普通、コレだったら客が暴れ出しかねない。だが、そうはならない。
 最初は、アミューズ。先付けと称して、甘いトマトを使った氷菓に、バジルのソース。横には小さくカットされたモッツァレラチーズが添えてある。

 続けて、オードブル。前菜としてクレソンが添えてある桃のシャーベットを、濃厚なフォンのジュレとともに。

 お次はスープだ。熟れた枇杷を凍らせて、シャーベットとスープの中間のような硬さと滑らかさに。しかし、ねっとり絡む濃厚な舌触りだ。冷たさに飽きないよう、こんがり焼いたスライスバゲットも添えてある。ちょっと塩気が効いてて、食べ続けられてしまう。

 何の解説かわからなくなってしまうのでこの辺で割愛するが、相当な技術力とアイデア、そして、味、構成力をもってして作られるシャーベットのフルコースなのである。

 「そんなのばっかり食えるかよ」とお思いの方もいるだろうが、それこそ「そんなのは嘘」である。
 だったらデザートバイキングなんか存在しない。
 天気の子は、デザートバイキングなんて雑なものではない。シャーベットのフルコースなのだ。

 ん? 甘いものが嫌いだから無理? うん。じゃあ観なくていい。辛いモノが無理で激辛料理に行く馬鹿はおらんだろう。
 天気の子は、童貞の中学生男子が厨二病を患ったまま完治には至ってないけど、「こうすればシャーベットのフルコースを最後まで食ってもらえるはず!」と、練りに練ったメニューなのだ。
 厨二病やラノベやライトファンタジー、というシャーベットが嫌いな奴にはオススメしない。
 いるだろ? そういう奴。
 うん。割と俺だ。
 自分の痛々しい妄想を思い出して、なんかもう、居たたまれなくなる。

 さて。長くなったのでそろそろ締めよう。
 天気の子は、一言で言えば、ボーイ・ミーツ・ガールである。


 ワタクシは恋愛モノを好まない。
 少年と少女、不思議な力、起きた奇跡、どうしても会いたい。


 恋愛モノは好まないのだが、ワタクシの愛読書である楳図かずおの「わたしは真悟」という恋愛漫画を、本棚から引っ張り出して、読んでみるとしよう。

 蛇足。

 言ってない部分とか色々。

 リーゼントはいらんやろ、リーゼントは。
 てか、刑事パートは全部削っても問題ないやろ。

 拳銃。キーアイテムかと思わせて全く使わない感じは、悪夢のファンタスティック4(リブート版)を思い起こさせた。まぁ、あれ程ではないけどな。

 降ってくる魚も特に要らんかったよね。

 まぁ、それを言ってしまうと拳銃パート、スカウトマンのパート、刑事パートあたり全部要らんよね。

 この時点で登場人物は1/3ぐらいカットできるよね。

 てか、ぶっちゃけてしまうと、おじさんも姉ちゃんもストーリーを進めるためのアイテムでしかなくて、割と要らない。

 猫が可愛くないのが許せない。猫好きとしては許せない。と、思ったらオチは良かった。けど、まあ、猫も要らない。
 前作の主人公はもっと要らない。前作のヒロインも、更に要らない。



 (´・Д・)」 感想2回目。


 天気の巫女は霊長類最強の夢を見るか。


 はい。皆さん、こんにちは。アレクサンダー・カレリンです。もちろん嘘です。
 さて。映画「天気の子」を観て、感想を書いた訳ですが、まだだ。まだ消化不良を起こしている。
 言い足りない。物足りない。心が叫びたがってるんだ。ってな訳で、格闘技ファンから見た「天気の子」の感想をひとつ。(ネタバレあり)

 ワタクシは格闘技好きである。実際に幾つかの格闘技を齧ったこともある。
 そんなワタクシが考える「路上の喧嘩における最強の技」とは何か? という永遠の命題。永遠の命題ではあるが、ワタクシはコレに、仮の答えを出している。

 答えは、タックルである。


 そう。誰にでも使えて、体重という破壊力を武器に、回避が難しい。張り付いてさえしまえば、相手の打撃力を半減させる。目立った外傷を作る事なく、また、こちらのダメージも少ない。うまく決まれば、大ダメージを与えられる。
 コレほど理想的な攻撃方法があろうか?

 無論、欠点はある。

 カウンター(特に、相手のヒザによる)で自爆する可能性が高い。
 綺麗に決まりすぎると、地面がアスファルトなので下手をすると相手を殺しかねない破壊力。回避は難しいが、体重が乗ってるので、回避されると立て直せない。

 欠点も、威力の裏返しばかりなのである。
 なので、決めるには相当の勇気がいる(特に相手のヒザ怖い)が、恐怖を捨てるほどに威力が高まる。それがタックルなのだ。

 さて。前振りはこの辺にしておこう。
 何しろコレは「天気の子」の感想なのだから。

 さて。映画をご覧になった方なら、そろそろお気付きだろう。



 タックル最強説に。



 タックル最強。


 観てない人のために言いますと、「天気の子」ではタックルが頻発する。


 女の子を助けなきゃ! → タックル。
 警察に捕まっちゃう! → タックル。
 警察から助けなきゃ! → タックル。


 タックルである。タックルさえあれば何でもできる。タックルが一番。
 そう。作中には「拳銃」というキー・アイテムも出てくる。いや、あんまりキーじゃないんだけど、出てくる。
 無論、弾丸入りだ。警察も持ってる。
 しかし、結局誰一人として拳銃は人を傷つける事がない。
 なので、この世界では拳銃よりタックルが怖い。
 その威力たるや、高校生男子に馬乗りになってる警察官を、小学生のタックルが倒すレベル。

 タックルっょぃ。タックル最強。吉田沙保里リスペクト。タックルは全てを解決する。
 コレに対抗できそうなのは、ヒロインのX-MENばりの雷撃ぐらいか? でもコレはタイムラグとか命中率とかアレな感じなので、やっぱりタックル最強。

 なので、この天気の子は、中二病恋愛映画の皮を被った「タックル啓蒙映画」なのだ。
 そうだ。きっとそうだ。
 冒頭の主人公の顔も怪我をしていたが、アレも大したことない傷だったから、打撃によるダメージだろう。
 最初の方で殴られた傷もすぐに回復してたし。逃走劇からの顔の傷とか、消えてたような気もするし。


 ・・・この世界、タックル以外軽視されすぎじゃね?


 この世界ではどうやら、主人公とヒロインとタックル以外は軽視される傾向にあるらしい。他の登場人物とか、伏線とか、物語とか。





 (´°Д°)」 こんな感想を書く奴なんですよワタクシ。


 (´・Д・)」 それでもワタクシの「すずめの戸締り」のレビューが読みたいと言う人は、投げ銭(¥100)か、サポートをお願いします。
 映画代に届いたら、観に行ってレビューする。
 なお、この先には新海作品に対する総合的なレビューが書かれています。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。