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我が愛しのスパイダーマン 3.アメイジング前編


 皆さん、こんにちは。アメイジング・木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 コレで3夜目となります、

 「スパイダーマン / ノーウェイホーム」を観たら死ぬほど面白過ぎたんだけど、ネタバレ感想を書く訳にもいかないし、かと言って感想を吐き出さないと苦しくて死んでしまう!

 (´・Д・)」そうだ!
 スパイダーマンと
 ワタクシ自身の
 なめそれを書こう!


 という事で、1夜目「地獄からの使者」編

 2夜目「サム・ライミ監督」編


 に続き、本日は「アメイジング・スパイダーマン」編をお送りしたいと思います。


 ここまでの経緯は1夜目、2夜目で書いた通り。誕生40年目にして、ようやく映画化されたスパイダーマンは、なんと大成功を収めるも、大人の事情によってその幕を閉じさせられてしまう。
 興行である以上、商業である以上、避けては通れぬ部分がある。それは仕方ない。アメコミに、アメコミ映画に、そして映画界に爆発的な記録を残しつつも、スパイダーマン3部作は終わりを告げた。

 そして、大人の事情によって、再開させられてしまうのである。

 3部作開始から、わずか10年。3部作終了から、たった5年の出来事だった。
 続編ではない。再始動と言うと誤解が生じる。リブートと言うべきか。いや、リメイク? それともリスタート? 作り直し? いやいや、やり直し?


 ピーター・パーカーは再び、
 放射能蜘蛛に噛まれ、
 ベンおじさんを死なせてしまい、
 スパイダーマンになる決意をする。


 (´°Д°)」 こやつ正気か?


 そもそもリメイク映画は失敗に終わるケースが圧倒的に多い。人気作品の続編よりも成功例は少ない。それを、前作の興奮がまだ冷めやらぬ所へブチ込むだと?

 しかも、新ピーター・パーカーに抜擢されたのはアンドリュー・ガーフィールド。
 甘いマスクをした優男
である。


 (´°Д°)」 ひ弱な非モテ科学オタク少年の設定はどうなった?


 この、新たなスパイダーマンこと「アメイジング・スパイダーマン」通称「アメスパ」は、公開前から暗雲が立ち込めていた。
 そもそも全6部作になるとされていた前作の残り3枠を流用する形でのリブートである。つまり、最初からパート1/3である事が明かされていた。
 しかも、この頃は既に「アイアンマン」「ソー」「キャプテン・アメリカ」らを主人公としたMCUことマーベル・シネマティック・ユニバースが展開。
 これまた、その初とも言える一大クロスオーバー作品となる「アベンジャーズ」が、ほぼ同時期に公開すると言う最悪のタイミングである。

 さて。ここからは少し、ワタクシ自身ではなく「世間」の「当時」のアメスパに対する評価を紹介しよう。


 ・【悲報】ベンおじさん、また殺される。
 ・【爆笑】ピーター少年、再び蜘蛛に噛まれる。
 ・【悲報】ピーター、男前に生まれ変わる。


 直近でリブートした事による、弊害や問題点が見事に露呈した。

 そう。ひょんな事から放射能蜘蛛に噛まれたピーター・パーカー少年は、自らの増長によってベンおじさんを死なせてしまう。「大いなる力には、大いなる責任が伴う」というベンおじさんの意志を継いで、ピーターはスパイダーマンとして人助けに生きる道を選ぶのだった。

 というモロに前3部作のまんまのストーリーを展開。そりゃ比較されますわな。

 無論、全てが同じな訳ではない。大まかな変更点は以下。

 ・ピーターの両親に秘密があったっぽい。
 ・ヒロインはMJから、グウェン・ステイシーに変更。
 ・オズコープ社は出るものの、親友ハリーは存在していない。
 ・ヴィラン(悪役)はリザード。
 ・ウェブシューター(蜘蛛糸発射装置)登場。


 順番に行こう。1つ目、ピーターの両親の話だが、これは新3部作のバックボーンとなる伏線で、どうやらパーカー夫妻が何か大きな陰謀に巻き込まれたらしい、というだけで本編には関わってこない。

 ヒロインは前作のメリージェーンから、原作初期の恋人グウェンに。
 ぶっちゃけ、前3部作のMJは脚本上、複数の男と付き合ってピーターを両天秤に掛けたため、ビッチ扱いされて不評であった。
 また、乗りこなしたいじゃじゃ馬感のある女優キルスティン・ダンストだったが、ピーターに共感する気弱なファンにも不評。
 それに対し、本作のグウェンはしっかりと芯を持ちながらも年相応に恋に振り回されたりする、可愛げあるティーンエイジャー。しかも演じるのはエマ・ストーンなので普通に可愛らしい。
 しかし、気弱で冴えないピーターに不釣り合いな可愛いガールフレンドという設定が、アンドリュー・ガーフィールドの所為で、


 ただの美男美女カップル。


 (´°Д°)」 ただのリア充。


 というアメコミ好きが嫌いそうな組み合わせになったのである。ピーターに感情移入できないという致命的な状況になったのである。

 そして、親友ハリーの不在。
 後述になるが、ハリーはこのアメイジング・スパイダーマンの世界にも登場する。そう。「アメイジング・スパイダーマン2」での登場だ。
 しかし前3部作で丁寧に描いた友情と誤解と復讐劇と違い、2で突然現れて「親友だ」とか言われても、「誰だオマエ?」である。

 ヴィランとなるリザードも同様である。前3部作ではピーターの指導者として欠かさず登場していたコナーズ博士との関係性があった。しかし、本作ではいきなり登場し、いきなり敵になる。

 おわかりいただけるだろうか。前3部作を観たものにとって本作は、


 (´・Д・)」 ま〜た同じ事をやってる、、、


 と、

 (´・Д・)」 前3部作の丁寧なドラマ作りがない。


 と、

 (´・Д・)」 前3部作で積み重ねた物語の厚みを、都合よく利用している。


 という前3部作ファンの反感を買う要素が多かったのである。主人公は男前だし、ヒロインは可愛いし。

 さて。ここからワタクシ個人の感想を入れていく事にしよう。
 正直、前3部作からの時間が近過ぎたので、心中穏やかでない部分があった事は間違いない。
 しかし、映画シリーズだけではなく、原作コミックスのファンでもあるワタクシは、その程度の事では動じなかった。そう。だって、


 アメコミの世界では、
 出版社の都合で
 リブートするなんて
 日常茶飯事だから。


 (´・Д・)」 ヘーキヘーキ。


 いや、平気かと言われると平気ではないリブートも多々あるが、要するに「慣れてる」から「耐性」は充分にあったのである。
 確かに、ハンサムなピーターには慣れないが、作画によって顔がコロコロ変わるアメコミの世界ではピーターが男前なのも「よくある話」だ。ポイントはそこじゃない。やはりドラマ作りの部分だ。
 前3作が1作1作踏みしめるように制作されたのに対し、その油揚げをさらうように、最初から「全3部作」とされたため、期待する形が変わってしまった部分もある。
 ドラマ作りに関しては、概ね前述の通りだ。
 「どうせ前作で知ってるよね」という甘えか、人物関係や人物像を丁寧に描かなかったのはマイナスである。そのクセ、ベンおじさんの死はしっかりと経るものだから、


 劇中では人物が悲しんでいるのに、
 観ているコッチはシラけている。


 という悪い空気になってしまったのである。
 ピーターの両親の話もこの作中では明かされないし、ドラマ作りは完全に失敗していたと言うのが偽らざる感想だ。

 だが、悪い事ばかりではない。
 前3部作で余すところなく魅せたアクションは、本作で「なるほど! そんな手があったか!」というスパイダー・アクションに進化している。特に学校での戦いが素晴らしい。ラストバトルはショボかったけど。

 だが、ワタクシはこの「アメイジング・スパイダーマン」を愛してやまない。

 この作品はたったひとつ、途轍もなく素晴らしいシーンをワタクシに見せてくれた。

 だからワタクシは、この作品を愛してやまない。


 しかしどうやら、文章が長くなり過ぎたようだ。それらについては、明日の「アメイジング後編」で語る事にしよう。


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 なお、この先には「アメスパの感想の感想」が書かれています。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。