シンプル・イズ・ベター
皆さん、こんにちは。あの名作ゲーム「地球防衛軍」も、最初はシンプル2000シリーズだったんだぜ? 木賃ふくよし(芸名)です。
さて。世の中でよく言われる、
(´°Д°)」 シンプル イズ ベスト
コレは事実か?
YesかNoで答えなさい。
シンプル(簡素)って事は、そーゆー事である。
そして、現実問題としては、YesとNoの間には、ってか、その外側にも、回答は存在するのである。
完全に肯定から、完全に否定までの間に、
シンプルな方がいいけど、何でもかんでも単純化が正しいとは言えない。とか、
いや、とにかくシンプルにすればいいなんてのは愚の骨頂だ。とか、
モノによるんじゃね?
なんて、実に無限とも言える段階が存在してしまうのである。
そして、結論を言ってしまうと、そんなのは、
(´・Д・)」 ケース
バイ ケースだろ。
って事になってしまうので、ぶっちゃけ「シンプル イズ (ザ) ベスト」なんてのは嘘なのだ。
世には「大きい事はいい事だ」なんて言葉があり、「小さい事はいい事だ」なんて言葉もある。(T&T)
しかし、「シンプル イズ ベスト」って言葉に対し、「コンプリケイテッド イズ ベスト」(複雑な事は至上だ)なんて事は滅多に聞かない。
コレは何故なのか。
まあ、ただ悪戯に複雑化させればいい、なんて事は基本的にない。しかし、ただ悪戯に単純化すればいいというものではないとも言えるので、コレは成り立たないだろう。逆だ。
つまり、複雑よりも単純の方にアドバンテージがあると考えるべきなのである。単純であることの利点。そう。
(´°口°)」 アホにも
わかりやすいから!
アホ、と言うとトゲがあるので言い直すと、誰にでもわかりやすい事は大事なことである。
足し算という概念を理解したからこそ、次は引き算を理解できるようになり、掛け算も理解できる。掛け算が理解できたからこそ、割り算が理解できる。
掛け算・割り算が出来るからこそ、割合や確率が計算できる訳だ。
掛け算や、面積の求め方もわからず、円周率の話をしてもちんぷんかんぷんだろ?
万人にわかりやすいからこそ、シンプルに軍配が上がるのである。
(´・Д・)」 えっ? そんなの誰でもわかってる?
はたしてそうだろうか。
コレはツイッターか何かで読んだ話だが、上司と新人社員が、客先で「商品のメカニズムの説明」をする事になった。
当然新人は何もわからないので、上司が顧客に「とてもわかりやすい説明」をして理解してもらったという。
上司の説明がとてもわかりやすかったので、新人は「とてもわかりやすかったです!」と素直に感想を言ったところ、
(・ω・)ノ ありがとう。
でもね?
キミはそれで理解した気になっちゃダメよ? アレは専門家じゃないお客さんに説明して、理解してもらうために色々省いて簡略化したモノだから、本質的には間違い。
キミはコレからプロになって行くんだから、自分の理解で、他人にわかりやすい説明を出来るように、細部の複雑な部分まで把握してもらわなきゃ困る。
という返事が来て、目からウロコが落ちたそうな。
そう。わかりやすさは必ずしも正しい訳ではないのだ。
物事を単純化する事は、他人に理解を「求める」上では重要。しかし、自分が理解するために単純化する事は、概ね「誤解」のタネなのである。
以前、ワタクシが「ラグランジュ・ポイント」について勉強する必要があったので、独学でわかった気になって、その道の人に、
(´・∀・)」 地球と月の重力が拮抗する場所って事でいいんですよね?
って言ったところ、
( ͡ ° ͜ʖ ͡°) アホにわかりやすく
単純化するならそれでいいよ。
って返事とともに、「そうやって誤解するアホが多くて困るから、コレを読んでちゃんと理解しろよ」って内容の論文をプレゼントされた。英語なので全然読めなかったけど。うん。
それこそ「わかりやすい例」で言うと、コロナにしてもマスクにしてもワクチンにしても政治批判にしても、
(´°Д°)」 善か
悪かしかない!
なんて事はないし、言っちゃ悪いけど、善か悪かに振り切っちゃってる人って、ロクな人がいないでしょ?
世の中、そんなに単純じゃないから、シンプルにしすぎると「曲解」しか出来なくなるのである。
まあ、この話を本日のテーマにしようと思ったのは、
(´・Д・)」 算数の問題の
掛け算の順番は必要か?
って話を見かけたからである。
コレもね? 単純な話で言うと、ただの数字の計算なら、5×6も、6×5も導き出される数字は同じ30なんだから、順番は重要じゃない。
しかし、現実に伴う計算となると、数字が持つ意味は大きく変わる。
5本6束の30本と、
6本5束の30本は、
別の物なのである。
何を求めさせているのか。何を学ばせようとしているのか。
自分の理解はどの程度なのか。そして、他人の理解はどの程度か。
ただ単純化すればそれが正しいなんて、そんな単純な話ではないのだ。
さて。「物事を単純化する」という事で、ワタクシが非常に気に入っている話がある。
たしか、大阪大学が研究していた「道路の渋滞」のメカニズムの話だ。
この研究グループは、単純な循環コースに1台の自動車を「一定速度」(そこそこ低速)で走らせた。
そして、一周するごとに、自動車の台数を、2台、3台と増やしていく。
すると、ある一定の台数を超えた瞬間に、車は渋滞しはじめたのだ。
(´・Д・)」 妙な話だ。
事故も起きていない。全員が同じ速度で走っているなら、流しそうめんの機械を流れる水のように、車は滞りなく進むはずなのである。
しかし、渋滞が発生してしまう。
つまりコレ、前の車がブレーキを踏んだ。→ブレーキランプを見た後続車がブレーキを踏んだ。→それを見た後続車がブレーキを踏んだ。
というタイムラグが発生する事により、渋滞が生まれるというメカニズムを具現化したのである。
要するに「人間の判断」に差がある限り、一定速度で走るように心掛けても、渋滞は発生するって事だ。
(´・Д・)」 なかなか面白い実験だと思う。
が、
この実験を紹介したニュース番組の構成が悪くて、
(´・Д・)」 自動車が
増えたら渋滞する。
みたいな内容になってて、更にはそれを見た視聴者が、
(´・A・)」 自動車が
増えたら渋滞するやろ。
(´°Д°)」 大学で
こんなアホな
実験してるの?
(´・∀・)」 教授は
コレで高給取り?
みたいな感想になってて、
(´・Д・)」 シンプルは、
ベストじゃないな。
って思った事が忘れられない。
なお「シンプル イズ ベスト」とは単純にすればいい、という意味ではなく、「余計なものを全て削ぎ落とし、必要なもののみで構成された状態」を指すので、
(´・Д・)」 単純で雑なのは、
シンプルとは言わない。
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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。