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最近はとりあえず“はじめに”だけで良くなる:本が読めない読書日記

十二月は本当に読めなかったが、一月は、いい本に出会えた。
1/14に『映像研には手を出すな』を大人読みしたことがブレークスルーになった。
植物と人間の関係をキーワードに『ワイン知らず、マンガ知らず』を読み通し、藤原辰史著『植物考』の最初だけを読んだ。
文喫でいろいろ、“はじめに”だけ立ち読みをしたが、農業史からのナショナリズムという藤原辰史は面白い。

その勢いに乗って、『文化地理学ガイダンス』森正人・中川正著をよむ。
正直、地学は大学受験時代からノーマークだった。
その地学が、人文地理学や文化地理学という名前で、ブラタモリをしているとは知らなかった。
ランドスケープデザインと近く、生態学とも関連し、文系理系混淆の学問だった。
文化地理学はもともと米国カリフォルニア大学バークレー校から始まる。文化超有機体説のバークレー派を、80年代に英国を中心に文化論的転回をして、現在の文化地理学になったらしい。何かどっかで聴いたことがあるような歴史だ。
文化人類学が、フィールドワークをして関係性をエスノグラフィを書く。これをドキュメンタリー写真的とすれば、文化地理学は、フィールドワークをして空間性を地図に書く。これがランドスケープ写真的だ。
これは僕向きだと思って、追いかけようと思っている。
森正人は、地学とナショナリズムをやっていて面白そうだが、稲垣稜著『都市の人文学』を注文中だ。

次に文化人類学や芸術論、哲学から離れたくて、手に取ったのが『江戸の読書会』だ。
これは自分が読書会に興味があるという一点で手に取った、江戸大衆思想史の本だった。
これまた最初の一章まで読んだ。
江戸時代の儒教の勉強の仕方は、素読、講釈、会読、の三段階だったそうだ。
素読は、ともかく暗記する。
講釈は、ともかく先生の解釈を聴く。
解読は、それをもとに議論をしていたようだ。
これが蘭学や、明治初期の自由民権運動までつながるが、そのあと黙読の時代を迎えて廃れるという本だった。
まさに Zoomの読書会、ポッドキャストの音読やゆるなんとかラジオである。

こう並べてみると、マンガは全部を読めているが、残りのほとんどは序章と一章だけだなぁ。
最近、新書などは“はじめに”だけ、読めばいいと思い始めている。
著者の思いや考え、面白いところはここに凝縮されているからだ。
現在、止まっているが、音読プロジェクトも新書の“はじめに”だけやりたいな、と考えてる。

最初の“はじめに”と一章しか読めない読書の一月、のお話しでした
どっとはらい。

2023/02/01 6:35

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