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洞爺3泊4日保養の旅 #2

洞爺保養の旅2日目。

いつもより早起きして湖畔沿いのいつものベンチで、昨日ラムトーヤで買ったパンを食べる。
ほのかなトマト味。美味しい。毎朝コレがいい。

いつもこのベンチ

この日の早起きの理由はZERO DAY「3 MILES CLUB」に参加するため。

※3MILES CLUBとは…

余裕をもって起きてしまい集合時間までまだちょっと時間がある。温泉街もメインの通り以外はじっくり見たことなかったので、少しサイクリング。
ラーメン屋、居酒屋、スナック、どこかの会社の社員寮。ちょっと奥の方にも宿がある。
ていうか、なかなかに坂じゃん。
いい坂じゃん。
温泉街の裏ってこんなに坂だったんだなあ。

湖も見えそう。


徳舜瞥サミットの時に、夜明け前に起きて徳舜瞥山登山口までひたすら坂を上った時に思ったのだが、朝の坂って、気持ちいい。
朝だけは斜度があればある程、良い。息が苦しくなるくらいの坂が良いのだ。
あの、日の出直前のまだ夜の匂いが残ってるようなあの時間だけの空気をひたすら吸って吐いて。
大きく大きく吸うほど、その"土地の味"がしてくる気がする。
鳥の鳴き声も草木が揺れる音もしてるはずのに、自分の息以外何も聞こえてこない、そんな感覚。
ベッタベタに汗をかいて上るからこそ、下りの楽しさも倍増するというもの。

どんつきまで坂を上りきったところでそろそろお時間。
一気に下り集合場所、ZERO DAYへ。この日の参加者はモモタロさん合わせて6人。地元民だけじゃなく、遠方からの参加者も。
と、他人事のように書いていてふと思ったのだが、わたしも「遠方からの参加者」に含まれるのだろうか。とっくにそんな感覚無かったので、我に返って笑ってしまった。

洞爺湖周辺にいくつもある「フットパス」
なんとなく気になってはいたものの実際に歩くのはこの日が初めて。
今回歩いたのは、金毘羅火口周辺の散策路。
火山遺構である建物や流されてきた橋の横を通って奥に進む。
どんな規模だったのかとか、どんな被害があったのかか、分かりやすい看板が立てられていて、当時の様子を知ることができる。

平坦なのかなと思いきや少し急な上りも一瞬あったり、ちっちゃい木の橋があったり。
脳内BGMは完全にトトロの「さんぽ」

わくわくする道
有くん火口

いつもの自転車に乗っている時とは違って、ゆっくりと時間が流れる。普段は撮れない写真も、歩きなら撮り放題だ。

振り返れば絶景

たまには歩くのも楽しいなと思いつつも、「この道自転車で走ったら楽しそう」とか「逆打ちして自転車で引き返したい」とか、相変わらず愛車との至福のひとときに思いを馳せるのであった。
登山をする人、トレランをする人、自転車に乗る人。
それぞれがそれぞれの視点でこの道の魅力を感じ取っていて、ひとりでは味わえない体験となった。
違うコースを行ってみたいのもあるし、同じコースの逆打ち、はたまた同じコースで視点を変えて歩いてみても良いだろう。

ZERO DAY 「3 MILES CLUB」

ある人には発見や新しい視点の発掘を、ある人には癒しの時間を与えてくれる、参加者ひとりひとりに寄り添える、この土地ならではのイベントだと思う。
これに参加するだけでも洞爺に来る価値があるし、きっと何度参加してもそのたびに何かを感じることができるだろう。
そう期待してやまない素敵なイベントだ。

出発してから約一時間半後に、温泉街へと戻った。
ZERO DAYオープンまで少し話したあと、お腹が空いたため山岳喫茶へ。
オススメされたグラタンを注文。
とろとろのソースたっぷりで好きなタイプのグラタンだ。ソーセージもドカっと乗っていて食べ応えも抜群。

アツアツ

今まで平日にばかり洞爺に来ており、なかなか行くことができなかった雑貨屋さんを巡ろうという目的があった。
さっそく昨日行きそびれてしまったいろは屋へ。
温泉街を出て月浦方面へ。6月にももさんとキャンプ泊しつつ洞爺湖一周した時とは逆の方向から向かう。

紅葉を眺め、調子の悪い右膝の調子も見ながら進む。
一時間程でいろは屋に到着。こちらもようやくこれたお店なので店内をじっくりと見て回る。
旅の時に良さそうなタオルを購入。普通のタオルより薄くて小さく畳めるので、自転車旅にはピッタリだ。

お店を出てからは仲洞爺方面へ再び走り出す。
壮瞥側はアップダウンがあって飽きさせない道だ。こっち側だけカモの家族がたくさんいた。餌場があるのかな?

仲洞爺、東湖畔を過ぎてあっという間に温泉街へ帰還。念願のいろは屋に行けてホクホクの状態で拠点(ZERO DAY)へ。
保養の旅とは言いつつもしっかり洞爺湖を一周できた。感覚的には「いろは屋に行って帰ってきただけ」なのだけど。

思い返せば、去年の夏に16日間かけて稚内を経由して海岸線沿いで知床に行き、根室、帯広、えりもを通って帰って来た自転車旅も「北海道一周しよう」なんてさらさら考えていなかったのだ。
結果的に一周のようになったが「行ってみたかった知床に、行って帰ってきた」だけで、知床以降は全て"帰路"だったのだ。
北海道は沿岸部にも内陸にも、道道にも名もなき道にも、それぞれの良さがある。わたしは、それに気付かせてくれた自転車とともに、まだ見ぬ北海道の素敵な道を見つけるため、大好きな北海道を感じられる瞬間を求めて、ただ走り続けているに過ぎない。
もちろんここ洞爺にも、走ってない道、もう一度走りたい道がたくさんある。スタンプラリーを楽しみながら一生楽しく通い続けるつもりだ。


ZERO DAY前でまったりしているとおもむろにタロさんが出てきた。
キャリア何つけてるとか、自転車おしり痛くなる問題のこととか、色々話してる中でパニアバッグの話に。
わたしが付けているのはリュックにもできるタイプで、自転車から離れる時や、普段使いにも便利なものだ。
「ここをこうしたらリュックにできるんですよ〜」とホクホクしながら話している時に、糸がほつれて壊れかかっている箇所を発見。
……完全に函館出張の時のアレだ。仕事用の重量級PCを入れて長い時間背負ったせいだ。
正直そうそう何個も買える値段じゃないので、ナチュラルにショックを受けているとタロさんが、

「直せるかも、やってみていい?」

救世主、現る。
なんでも、最近ミシンを入手して試しにいくつかポーチを作ってみてるそう。
裁縫苦手マンなので、即OK。ぜひお願いしますと壊れかけのパニアバックを託す。

お願いします><

さっそくバッグを開けて背中の部分の板?を外すタロさん。この時初めてこの板が外せることを知る。初めて触るとは思えない素早い手つきで裏返してほつれた箇所を特定する。
ミシンにセットして縫っていく。取れないように何度も何度も縫う。

ものの10分で修復

元通りリュックとして背負えるようになり、感謝の嵐。振り返ってみても、破損の発覚も、タロさんがミシン部活動始めたタイミングも、全てが揃ってて笑ってしまう。
今後、何かしらの布製のものが壊れたらぜひともリペアお願いしたい。もちろん作業費お支払いしたいし、hyduneのきのこのやつでも、Lagortoの長芋ピザでもなんでもご馳走させていただく所存。

その後、いったんポンコタンに戻り横になる。どうやら一瞬目を閉じただけで寝落ちていたようだ。
タロさんからの焚火取材見学のお誘いLINEにも気付かず泥のように眠る。
寝るのは好きだけど、寝なくていい身体が欲しいと思うことは多い。身体も脚も時間もいくらあっても足りない。
「足りない」と言うとネガティブな言葉に聞こえるが、元を辿ると自転車で行きたいところややってみたいことがまだまだある、それをぜんぶ体験するには到底今の活動時間じゃ「足りない」ということなのだ。
そういうプラスの感情からきているものなので、「足りない」ということが楽しくもある。

この日の夜はモモタロさんと味の一平へ。
いつもキャンプ泊だったので温泉街で夜を過ごすのはこの日が初。
札幌でもそうだが、わたしは旅先でも積極的に居酒屋に行く。地元のことは地元の人がよく知っているからだ。今やSNSでなんでも情報を得られるが、よりローカルな魅力に触れるなら地元民との会話が必要不可欠だと思う。
そうして出会った名もなき道もいくつかある。

この瞬間いいよね
黄色だらけ

店内へ入ると近所の方々が集結していた。
とにかくおなかが空いていた我々はおでん、串焼き、おにぎりなど大量に注文。
いろんな話をしたが「タロさんの手相が無い話」が面白すぎて、それ以外の記憶が曖昧である。

しずかでにぎやか

一平を出て、余韻に浸りながら温泉街を歩く。夜中の観光地独特の昼と夜のギャップが好きだ。

洞爺の夜はここで決まり

一平の後、7人でカラオケに行ったのだが、この時のことは敢えて文字にはするまい。
ただ一言、「ここ、メロディー」とだけ残しておく。

そうして、保養の旅とは言い難い、濃厚すぎる2日目を終えた。

#3へつづく

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