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わや峠越え祭・オホーツク内陸編 #1

いま、今年何度目かの道南へ向かう特急に乗っている。
5月下旬、オホーツク内陸の道の駅巡りをしてきたのでこの移動時間を利用して記録したい。

まず、話は4月中旬に遡る。
旭川出張の次の日がお休みということで、出張先までSOMAを連れて行き、仕事を終えた後にもう1泊して鷹栖経由で、剣淵、士別の道の駅をゲット。和寒、比布を通り旭川へと戻ってきた。この際に当麻の道の駅もゲットしている。

自分ルールで「一度入った市町村は輪行OK」としているので、これで士別も通る高速バス「なよろ号」に乗車できるようになったのだった。
「旭川スタートでオホーツク内陸を巡ってなよろ号で帰ってくる」
そんな旅を思い描きながら、この時旭川から札幌へと戻った。

4月中旬の道北ライドの様子

そして出発の1週間程前、5/20頃。
どうやら天候があまりよろしくないという予報。
少しくらいの雨なら気にしないが連日となると話は別だ。
常日頃から旅の工程の半分以上が雨になりそうなら目的地を変えるようにしている。峠越えを多く含む旅故、できれば晴れてる時に行きたいのだ。
オホーツク以外にも行きたいところはたくさんあるので、あまり気にすることはないが、やはりその時いちばん「行きたい!」と思っている場所に行けるのがベストではある。
そんなこともあり、途中、十勝や釧路方面も検討されたがコロコロと変わる天気予報に急にどうでも良くなって「天気どうなろうがもうオホーツク行こう」と3日前に決定した。

出発前、テレビを観ていたら「渚滑町に熊出没」というニュースがやっていた。
これから行くところだが、北海道で熊を恐れていたらどこにも行けないので、とくに予定を変更することは無かった。

5/28 6:30
札幌駅からライラック1号に乗車。
社内の荷物置き場が正方形でどう置いてもフレームがはみ出てしまうため、運転士の方にご相談。
「ここに置いてていいですよ」とお客さんが通らない部分に促していただいた。※いつもの場所
一応「ここに置かせてもらう」という話をしに、車掌さんに会いに2号車へ行くと、運転士の方が連絡入れといてくれたらしく、快く「大丈夫ですよ」と言ってくれた。
こういう柔軟な対応はとても嬉しい。
旅の始まり、気持ちよくスタートできる。

ちなみに「大きい荷物どうしたらいいか」という質問に関して、駅では判断できないらしいので都度乗車する電車の車掌さんに相談するしかないようだ。

5/28 8:00
旭川に到着。
つい一か月前まで雪景色だったというのに、気温は28°とかなり暑い。
そして、今日は途中、雨予報。
昼過ぎ、おそらく14:00、15:00くらいには雨に当たるだろう。
濡れてもいいようにサンダルも持ってきた。

天気良

永山から当麻への直前道路で爆風追い風。トップギアでぐんぐん進む。
途中かなり暑くもう脱いでしまおうと、道の駅当麻でハーフパンツに着替えてサンダルに履き替え、靴はキャリアに縛り付ける。
こんなに早く脱ぐなら最初からサンダルでよかったな、いやいや、言っても道北。きっと冷えるタイミングが来るだろう。
そんなことを考えながら、完全な夏仕様の服装で愛別へと向かった。

田植えの季節ならではの風景、その奥に大雪山系。
天気が良くてはっきり見える。
進むのが楽しくてあっという間に愛別を過ぎてしまった。きのこ、食べ損ねた。
地方のセコマっぽいセコマがあった。

かわいいセコマ

5/28 10:30
中愛別を過ぎたあたりに国道39号線と道道640号線の分岐がある。
事前に地図で見てこちらを通るつもりだったので青看を目印に越路方面へと向かう。
キラキラとした川沿いの道が気持ちいい。
途中、一瞬だけ未舗装になるが、これも道道ならではの魅力だろう。
かなり雰囲気のある越路小学校跡、越路駅逓所跡を過ぎて上川へ。
こちらの道を通ると上川公園の上に出るため街までは公園の中を下っていくことになる。
緑に囲まれるともうすっかり夏の匂いだ。

道道640号線の一部未舗装
越路小学校跡
上川公園頂上

5/28 11:30
上川でお昼ご飯を食べるお店を探す。
一件のお店の前で立ち止まる。「日本料理 白扇」開いているのかどうか分からなかったが、草刈りしてたお母さんが声をかけて案内してくれた。
「ミトン定食食べにきたのかい?」と問われる。
知らなかったがオススメらしいので、言われるがままに注文。
どうやら4種類の部位を食べられる定食らしい。とんかつ、酢豚、ローストポークにごはんと味噌汁。なんて豪華!
個人的にはサラダにかかってた山わさび醤油漬けが美味しかった。
ほかのメニューも見てみると、カレー、オムライス600円となっており、かなりお手頃なお店のようだった。

味豚定食1100円

5/28 12:00
ごはんを食べ終え出発する。
楽しみにしていた北見峠へ。やはり新規の標高高めの峠はワクワクする。
ゆるやかな上りがつづく。そんなにキツイ勾配もなく順調に進む。
徐々に景色が変わり「かなり上ってきたな、そろそろ終わりか?」といったところでポツポツと雨が降り始める。
一応いつものモンベルオレンジを羽織り、防水パンツを履く。
積んでいた靴は、中が濡れないようにとなんとなくひっくり返して積んでいたのだが(靴裏が上を向く形)、雨が強くなるなら袋に入れないといけないか…?と思ったがめんどくさくてそのまま進む。

14:00
北見峠頂上。
雨はかなりきている。
大きな看板があったので記念撮影。
寒さもあったので早々に下り始める。
この時にはわりと豪雨。
10秒に一回くらい顔を拭わないと目を開けてられない。
全力で下る。背中もお尻も後頭部も、というかぜんぶびしょ濡れだ。
積んでいた靴が若干のフェンダー変わりみたくなっている。靴の中が濡れないようにとひっくり返したのが裏目に出てる。
小雨予報だったのにあまりにも降るもんだから笑いが止まらない。
冬、吹雪の中自転車に乗っている時と似たような感覚。とにかく楽しい。
道路からはねて足にあたる水があたたかい。気温より路面温度の方が高いからだろうと思っている。寒い地方のどしゃ降りライドならではの感覚。
北見峠下り、いつか晴れてる時にまた行きたい。

北見峠頂上看板
ずぶ濡れ(トンネル内)

14:30
白滝の道の駅へ。雨は少し弱まっていた。
身体の感触的に薄々気付いてはいたが、このアウター、どしゃ降りには弱いらしい。袖と首元が濡れてしまった。
そしてくくり付けていた靴。触らなくてもびしょ濡れなのが分かる。こうなっては、この旅で履くことはなさそうだ。スタート直後に履き替えてこれでは、ただオホーツクに靴を濡らしに持ってきただけとなってしまった。
こんなことなら置いてくればよかった、もしくは降り出した時に横着しないでビニール袋被せればよかった、数日前に01に行った時に見た防水の袋買えばよかった…と後悔しつつ、まだ少し降っていたのでとりあえずこのまま今日の目的地、丸瀬布へと向かう。

15:30
七号駅逓所跡を過ぎる。
珍しく立派な石碑が建っている駅逓所跡。
思わず立ち止まる。

16:00
雨も上がり視界も良好。
前回の道南の旅で、「夏の雨の時の視界対策が必要だな」と思ったにも関わらず何も用意していなかったのを少し反省。
丸瀬布の道の駅に到着する。
入った瞬間、木の匂い。木工製品がたくさん置いてあって「名産なんだな」と一目でわかる。
こういうしっかりと「地元推し」してくれてる道の駅がすき。

丸瀬布の道の駅

丸瀬布の街を少しウロウロする。
調べたり、道の駅で聞いたお店に行ってみたがどこも閉まっていた。
やっているお店といえばセコマのみだった。さすが、道民のインフラ。
この瞬間、晩ごはんはセコマということが決定したので、日帰り温泉を探す。びしょ濡れだったのでさすがに今日はお風呂に入りたい。宿より風呂だ。

丸瀬布から留辺蘂へと繋がる道道1070号線、その道中に温泉施設とキャンプ場もあるいこいの森という場所がある。
街から風呂まで片道10km。ゴールした後の10kmかあ、と思いつつもこういう内陸の道道は大好きなのでとりあえず向かう。

ちなみに、この道道1070号線。
通行止めしており、丸瀬布の街から上武利までしか行くことができない。
※この地名は「かみむりい」と読む。
帰宅後に調べてみたら「落石の恐れあり」で冬季のみならず通年通行止めとなっている。
留辺蘂へと抜ける貴重な道道だが、おそらく人々は金華峠を通っているのだろうと思う。

5/28 18:00
10kmのゆるい上りを上り、やまびこで温泉に入る。
大人1名600円、サウナも露天風呂も付いていて長風呂出来てしまう。
最近旅する度に思うが、北海道は良い温浴施設がそこかしこにあって利用料も安い。
東京に住んでいた頃、サウナにハマって銭湯通いしていた時期があるのだが、毎回1000円くらい払っていた。
その頃の自分に「天国は北にあるぞ」と教えてあげたくなる。

露天風呂に入っている時に旭川から来たという方に話しかけられ、オホーツク近辺の名所の話でひと盛り上がりした。

自転車は物干しでもある

5/28 19:00
やまびこを後にして、また10kmこいで街へ戻る。
この日の宿は目の前にあるキャンプ場ではないのだ。
ここのキャンプ場は予約制。昨年、予約していたキャンプ場に辿り着けずご迷惑をかけてしまった経験から、予約必須のところは「間に合えば泊まる」くらいにしている。
そして、この日は間に合わないだろうと予想していたので、事前に街の野宿できそうなところに目星をつけていた。
丸瀬布・平和山公園。東家もトイレもある。そしてイベントなどで使用される大きな屋根の付いた多目的ステージ。
不安定な天気の中の野宿だったので、屋根付きはありがたい。
本当は丸瀬布の手前、白滝のキャンプ場で泊まろうかとも思ったのだが、事前調査でこの公園があることがわかったので、ここまで来たのだった。
2年前ほどでは無いが、やはり「明るいうちギリギリまで自転車に乗りたい」という気持ちはまだまだ強い。

5/28 19:40
セコマでチキン南蛮弁当とごはんですよ(瓶)を買う。
なぜだか無性にごはんですよの味が欲しくなり瓶ごと購入してしまった。
自転車旅中だろうが関係ない、とにかくわたしはいま、ごはんですよを米にかけて食べたいんだ。
結局使ったのはスプーン一杯分だけだった。

塩分美味しい

5/28
平和山公園へと向かう。
まあまあ勾配キツめの坂の上にある。
街頭ひとつ無く、公園内は真っ暗闇。夜に利用する人がいない証拠だ。
自転車のライトを頼りに多目的ステージに自転車を停め、グランドシートとシュラフを準備する。濡れた服は自転車にかけて乾かす。

大きな木が見える

シュラフに潜り、この日あった事を反芻するインスタライブ。声に出してしゃべると、スマホでのメモだけでは書ききれなかった感情の記憶が蘇る。
自転車に乗りながら、出来事を忘れないように都度簡単にメモしているが、「この時こう思った」「これを思い出した」とかそういう細かい感情、記憶の部分までは咄嗟にメモできない。
「今長々と停まっていたくない!」と思わされる道が多くて、どうしても簡素化してしまう。
誰に向けてなのか定まっていないインスタライブだったが、そういうところを思い出せたという点ではやってみてよかったと思う。
アイドルみたいに愛想を振り撒くものではないが、思い立った時に、旅先でまたやってみたい。
もちろん、アーカイブは残さない。


#2へつづく

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