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ハラリ『サピエンス全史』&『ホモ・デウス』を読む

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『サピエンス全史』を中心に、ユヴァル・ノア・ハラリの著作に関するnote+αを集めました。
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#人工知能

AI、曼荼羅、深層学習。神話論理と言語の未来 -人間もしくはAIが「言葉の意味を理解する」とは

チャットAIの知性と、人類の知性ChatGPTの登場をきっかけに対話型の文章生成AIが注目を集めている。 わからないこと、知りたいことを対話型のAIに質問でも相談でもすれば、まるで親切でポジティブな人間のように的確な文を返してくれる。 例えば「○○とは何か?」式の質問(つまり「○○とはXXです」と答えることができる質問)や、学生のレポートや仕事の資料に使う文章やメールの文案といった、いままで私たちを「はて、どう書いたら良いものか…」と日々悩ませ、生産性と称されるものを低下

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『ホモ・デウス』×『レンマ学』を読む−「知能」と「意識」と「知性」。進化するシンボル体系=意味発生装置の場所

(このnoteは有料に設定していますが、最後まで無料でご覧いただけます) 『サピエンス全史』の著者ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、この本を通じて一貫して、人類の歴史における「虚構」の力に注目をしている。サピエンスの歴史は、虚構の使い方の歴史と言い換えてもよいくらいである。 虚構の力というのは、私たちが、目の前に存在しないもののことを想像・創造し、それについて言葉でしゃべったり、イメージを描いたり=物質化したりして、仲間と共有することができる力である。 そうして共有された虚構

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人間の崇拝から科学革命へ 『サピエンス全史』が問うものとは?

歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏による『サピエンス全史』。ハラリ氏はコロナ後の社会についても積極的な提言を行っている。 『サピエンス全史』の原著の刊行は2011年、もうすぐ十年経つところであるが、その問題提起は全く古びていない。それどころかコロナのもとで、むしろより切迫した課題を捉えているとも言える。 さてベストセラーになった『サピエンス全史』だが、読んだという人たちに話を聞くと次のような答えが帰ってくる。 冒頭の「認知革命(「虚構の力」の獲得)」や、「農業革命」あたり

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