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【イベントレポート】9/26「大学進学の壁を乗り越える!」

先月26日、一般社団法人わをんと株式会社Dai-job highの共催イベント「大学進学の壁を乗り越える」を無事に終えることができました。
ご参加頂いた皆さん、ありがとうございました。

また残念ながら参加できなかった方のために、簡単ではありますがイベントレポートをしたいと思います。

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写真:当日はZoomで50人が参加するオンライン開催となりました。

【障がい学生支援の制度について】

イベントの冒頭、全国障害学生支援センター代表の殿岡さんから、障害学生が大学で支援を受けるための方法についてお話ししていただきました。
2018年から国の補助事業として重度訪問介護利用者の大学就学支援事業が始まったことで、それまで重度訪問介護では利用できなかった、通学時のヘルパー利用ができるようになりました。


一方で、この事業を実施している市町村はまだまだあまり多くないこと、当事者本人が市町村、重度訪問介護事業所、大学に粘り強く交渉して制度を利用できるようにしていく必要があることがわかりました。


【母ではなくヘルパーと通学したい】

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続いて北九州市立大学の岩岡さんからは、ご自身が障がいを負ってから大学進学に至るまでのご経験について詳しくお話してもらいました。

私が特に印象的だったのは、大学に無事合格できたものの、行政や大学担当者から、「お母さんと一緒でも大丈夫だよ」とお母さんとの通学を提案されたことについてです。岩岡さんは、「お母さんはお母さんの人生があって、私の介護のために生きているわけではない」こと、「介助者と大学に行きたい!」という強い想いで交渉した結果、大学修学支援事業を活用するに至ったことを話してくれました。


【まずは飛び込んでみること】

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続いて京都大学の油田さんから、社会モデルや障がい学生の権利の話を中心に、どのように学ぶ環境を整えていったかをお話してもらいました。
大学選びについては、合格前から確実なサポートを受けることの保証はされづらいため、見通しを持てずに突き進む場合が多いこと。自分に合った合理的配慮を求めることは正当な権利であり、声を上げて交渉することで、現状・未来は変わり得ることを話してくれました。


【全体を振り返って】

登壇されたお三方に、三者三様のお話をしてもらえたことで、障がい学生の大学進学での課題や打開方法などの理解が深まったと思います。特に、これから進学を考える障がいを持つ子どもたちにとっては、大学進学時期は児童福祉法の適応年齢からはずれ、障害者総合支援法への切り替えのタイミングとも重なります。生活面や教育面でも多くの課題を抱えるため、少しでも今回のイベントが参考になれば、と思いました。


実際、お子さんを連れたお母さんのご参加も多く、現在進行中の悩みに登壇者から具体的なアドバイスが飛び交うなど、内容の濃い質疑応答の時間になったのではないでしょうか。


一方で、改めて「満ちている」と判断されると福祉が受けられないという「福祉の限界」も感じました。

介助者が必要で行政に申請しても、家族がいると「モラルハザード」だと見なされてしまうことがあります。「モラルハザード」とはつまり、過度な福祉の恩恵に対して障がい者が甘えることは、倫理観の欠如になるため危険である、といったような意味です。しかし、本当にそうでしょうか?岩岡さんのおっしゃっていたように、家族には家族の人生があります。家族と同居していると介助者が利用できないため、仕方なく一人暮らしを選択して介助者を確保する、という逆転現象ともいえる事態も発生しています。


大学進学や就労のために介助が使えないのもモラルハザードである、と考えられているからです。「大学に行きたい」という願いは、「働きたい」という願いは「贅沢」なのでしょうか。


今の社会は、障がい者が大学進学や就労することをまだまだ簡単に許してはくれません。それは、過去の歴史や制度から考えると仕方がないのかもしれません。しかし、私は重い障がいがあっても障がいを理由に何かを諦めなくてはならない社会を変えていきたいと思っています。

そのためには岩岡さんや油田さんがされてきたように、交渉して、対話して、また交渉して、対話して・・・を繰り返していくことが必要です。そうやって少しずつ仲間や理解者を増やして行けば、必ずもっと生きやすい社会に変わっていくと私は思っています。


その一環として今後も重度障がい者の修学、就労や重度訪問介護のあり方についてイベントを開催していくつもりです。今後ともよろしくおねがいします!

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2020年3月に一般社団法人です。介助が必要な重度障がい者への相談支援をしています。