東京都知事選について

5年前、筆者は下記のようなブログを書いた。当選した小池都知事について「お手並みを拝見」と記したが、期待外れもいいところだった。築地市場問題も結局、膨大な予算と時間の無駄遣いに終わったし、マニュフェストの達成度もゼロ、学歴詐称の疑惑も払しょくできず、新型コロナウイルス対策も後手後手どころか注意喚起する以外には何もできず、東京オリパラの強行に至っては正に具の骨頂と言わざるを得ない。こんな無能な政治家が総理大臣を目指すなんて、もう腹を抱えて笑うしかない。

おそらく今度の総選挙では都知事の椅子を放り投げて、出馬するだろう。キャスティングボードを握り、二階と組んで、あわよくば首相に担ぎ上げられるだろう、と。

選挙権を持つ皆さんにお願いしたい。是非ともまともな候補者に投票をしていただきたい。現東京都知事、大阪府知事、大阪市長、名古屋市長(再選されてしまったが)、横浜市長、神奈川県知事かな・・イメージや雰囲気ではなく、くれぐれも政策能力と誠実さをよくよく吟味して、投票をお願いします。

以下、2016年8月記

先の都知事選は、ふたを開けてみれば小池百合子の圧勝で終わった。もし自分が都民だったら別の候補者に投票したが、まあ妥当な結果と言えるのではないか。誰に投票しようか、なかなか決められない有権者も多かったと思うが、途中で小池候補に思わぬ多い風が2回吹いた。

一度目は自民党内で発せれた「小池を応援したら除名だ」の通達。もう一つは、石原某の「厚化粧」発言だ。前者は特にサリーマンの、後者は中高年女性のカンに触ったに違いない。石原発言で10万もの浮動票が動いたとも言われるが、あながちありえない話ではないだろう。

石原某は作家としては有能だが、政治家としてはまるでダメ男だ。そもそも国会議員や都知事に選ばれたこと自体、筆者には全く理解できない。都知事の後任者、猪瀬直樹も大きく括れば同じ穴のムジナだと思う。

都知事選といえば、今となって昔の話・・1995年、青島幸男が当選したときだが、もしこの人が都知事になっていたら東京も今よりずっと良くなっていただろうと期待できる候補者がいた。元出雲市長で米メルリンチ社上級副社長の岩國哲人氏だ。政治家としての実力は当代随一だったが、いかんせん知名度が足りなかった。石破茂氏のたっての依頼で、現在は自民党の顧問に就任している。三国志の「三顧の礼」になぞらえられるかも知れない。

実は筆者は、岩國氏が出雲市長だった当時、海外に駐在していたが、氏の政策や実行力に感嘆し、手紙を書いたことがある。内容は、ぜひ国政に進出し、ゆくゆくは外務大臣として手腕を振るっていただきたい、というものだった。多忙にもかかわらず、ご丁寧に返信もいただき(メールではなく、手紙である。)、とても感動したことを覚えている。

まさか、それがきっかけではあるまいが、その後、岩國氏は民主党から衆院選に立候補し、見事当選を果たしたのだが、筆者は何で?と首を傾げたものだった。地盤の関係もあって、氏は竹下首相(当時)とも親しかったから、当然自民党から立候補するものと思っていたからだ。

不幸にも民主党は、岩國氏のような真の実力者を登用するような眼力も度量も持ち合わせていなかった。名誉職でしかない副代表に留めたうえ、年齢を理由にして切り捨てる(公認しない)という愚挙にでたのだ。

今でこそ自民党の顧問に就任しているが、初めから自民党から出ていたら、総理大臣というこれ以上ない後ろ盾もあるのだから、大臣・・おそらくは外務大臣か経済産業大臣あたりになっていたかもしれない。返す返すも残念でならない。

なお、蛇足だが、岩國氏についてS学会との関係を言われたことがあったが、家族に会員はいるが、岩國氏ご本人は会員ではないということを付言しておきたい。

話を今回の都知事選に戻そう。

他の候補者、対抗馬と目された増田元総務大臣・岩手県知事と野党の統一候補となった鳥越氏。増田氏はとにかく演説が下手だった。また、候補者による討論会でも頼りなさ丸出しだった。鳥越氏はゴシップも邪魔をしたが、何より有権者を小ばかにしたような幼稚な演説で幻滅させられた。消去法で小池氏に投票した有権者も相当数いたに違いない。

ともあれ、都議会という逆風の中、新しく都知事となった小池百合子女史。都民ではない筆者は特に期待も悲観もしていないが、当面は外野席からお手並みを拝見するとしよう。

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