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ご褒美ラーメンの話

みんな大好きラーメン!
私も大好きです。本音を申せば、何の気兼ねなく食べられればいいのですが、外食を控えたいときもあるし、一応ダイエットしている身でもあるし、健康診断でも中性脂肪やらなんやらの数値が上がっているのも不安の種。

だからこそ『このとき!』の一杯が沁みる!
今回は朗読の発表会を終えて、疲労感と達成感と充実感に満たされた中いただいた一杯のラーメンについてのポッドキャスト📻

なぜ二郎ラーメンに近い豚骨、油ましましの一杯に手を伸ばしてしまったのか?
それは『イケる』と思ったからだ。
こってりとしたラーメンへの耐性はあるものと信じていた。
天下一品のこってり大盛りはすんなりと入るカラダである。

そして今、この疲れたカラダに、ハイオク満タンなオイリッシュなラーメンが沁みていき、エクスタシーさえ感じてしまうのではないか!
そんな至福の瞬間を心待ちにしていた。

「イケる!」
目の前に差し出された一杯。
まずはスープを一すくい。想像以上にカラダにしみわたっていく。
麺にたどりつかないほどのモヤシと葱。そこをかき分けほどよい歯ごたえの麺にたどりつき、もう一度口にスープを運ぶ。
「幸せだ。この瞬間が幸せだ…」

だがしかし、時間とともにこのボリュームにしんどさを感じてくる。
そして幸せと感じていた油分が、徐々に胃を圧迫していく。
「重たい…」
そうなのだ。
それを年齢のせいにはしたくないのだが、中年男性、こってりとしたラーメン一杯に辛さを感じ始めているのである。

美味しいと感じていた瞬間は過ぎていき、1ラウンドでもらったボディが時間とともに効いてくる。

——負けなのか?私はこのラーメンとの勝負にも負けるのか…

もはや何と戦っているのかはよくわからないが、あんなに待ち望み、あんなに美味しいと感じていたラーメンが、後半にかけてただただ辛くなる一方なのである。

若いときはこんなもの屁でもなかった。
なんなら替え玉の追加さえ可能なくらい、このくらいのパンチは蚊に刺されたようなもんだ、と思っていた。
ただ、寄る年波。中年男性の胃袋にはこの油、このボリュームはもう耐えられなくなっていたのだ。

完食したんですけどね。
なんだか「ああ、好きなラーメン一杯も、満足に食べきれないカラダになってしまったのか…」と少し寂しくも感じました。

だんだん、今まで出来ていたことが出来なくなってきていることに老いを感じています。(最近、特にこの老いのスピードが速いような気がして、ここ何回かのポッドキャストはそんなおやじのボヤキが続いています)
でも、ちょっと見方を変えてみて、できることが出来なくなってきたのなら、他のできることは何だろうか?と考えるようになりました。

例えば、濃厚こってりが食べられなくなったら、あっさり淡白なラーメンの美味しさに気がつくのではないか?と。

何であれ、歳を感じてはいるけれども、ラーメンは美味しいという話でした。

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